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≫秒速5センチメートル
■公開年月(日本) 2007年3月3日
■監督 新海誠
■声の出演 水橋研二、近藤好美、尾上綾華、花村怜美、水野理紗、中村祐子、岩崎征実、内藤玲、下崎紘史…(ほか)
■販売元 コミックス・ウェーブ・フィルム
■定価 6500円(Blue-Ray:税別、インターナショナル版)
5500円(Blue-Ray:税別、通常版)、3,800円(DVD:税別)
■公式サイト ≫こちら
▼登場ゲーム一覧 ≪Last Up Date : 7/3/2016≫
◆スーパーファミコン本体
◆ストーリー概略
東京の小学校に通う遠野貴樹と篠原明里。
二人は共に「他人には分からない特別な想い」を抱き合っていた。
しかし、小学校卒業と同時に明里は栃木県へと転校。それ以降、出会う事がなくなり、中学に入学して以降は無情にも時だけが過ぎ去っていくだけだった。そんな入学から半年後の夏のある日、明里から手紙が届く。それがきっかけとなり、二人は文通を重ねるようになる。

だが、その年の冬、今度は貴樹が鹿児島へと転校する事になってしまう。
関東圏内の栃木よりも遥かに遠い場所に行くことで、もう二度と明里に会えなくなるかもしれないと思った貴樹は、明里に会いに行く決意を固める。

そして迎えた約束の日、関東地方は大雪により、大幅な電車遅延が起きていた…。
◆作品解説


かつてゲーム会社でアニメーションパートの製作に従事した後、2002年に監督・脚本・演出・作画・美術・編集など、ほとんどの作業を一人で行ったアニメーション映画『ほしのこえ』で鮮烈なデビューを飾ったアニメーション作家にして映画監督、新海誠の第三作目となる劇場公開作品。2007年3月3日公開。正式名称は『秒速5センチメートル a chain of short stories about their distance』で、題意は「桜の花びらが舞い落ちる速度」から取られている。全部で三つの短編『桜花抄(おうかしょう)』、『コスモナウト』、『秒速5センチメートル』で構成されたストーリーで、遠野貴樹と篠原明里という少年と少女の初恋とその後の顛末を描く。前作に当たる『雲のむこう、約束の場所』同様、今作も新海氏は監督のほか、原作、脚本、絵コンテ、演出、美術監督と言った多数のパートを担当。また、キャラクターデザインは『七つの海のティコ』、『ナースエンジェルりりかSOS』等で原画スタッフとして携わった経験のある西村貴世氏が手掛けている。キャストも、遠野貴樹は映画作品をメインに活動している俳優の水橋研二、篠原明里には中学生時代をモデル兼タレントの近藤好美、第三篇の『秒速5センチメートル』における成人以降はファッションモデル兼タレントの尾上綾華、第二篇の『コスモナウト』にて登場する澄田花苗には今作公開当時はデビュー間もなく、2016年現在は『東京マグニチュード8.0』の小野沢未来役、『逆転裁判』シリーズの綾里真宵役で知られる花村怜美と言った面々が配役されている。その他のキャストに水野理紗、中村祐子、岩崎征実、内藤玲、下崎紘史ほか。

全体的にSF色の強い作品だった前二作『ほしのこえ』、『雲のむこう、約束の場所』とは180度異なる、現実の世界に焦点を当てたストーリー展開を特色としており、主人公二人の距離が縮まり、後に遠ざかっていく過程を三篇を通して描いている。また、新海氏が手掛けた作品の特色とも言える美しい背景描写は今作でも健在で、見ているだけでも圧倒させられるクオリティになっている。その背景をバックに流れる天門氏による音楽も素晴らしく、作中全体から漂う重く、切ない雰囲気を引き立てている。
そう言った演出が成されているのからも明らかな通り、ストーリー自体はなかなかにエグく、特に学生時代に似たような遠距離恋愛を経験した人ならば心臓を抉られるような思いに苛まれるほど。また、あえて見ている側にそのトラウマを掘り起こさせるかのように、所々に状況説明を廃した描写も成されており、その想像次第では必要以上のダメージを喰らう可能性すら起こり得るものになっていたりする。特に第三篇の『秒速5センチメートル』はその真骨頂。社会人となった貴樹が仕事に追われ、長いこと付き合っていた彼女との関係に悩まされ、明里の事を思い出していく流れには、就職後に似たような経験を味わった事のある人ほど、「ゴッソリ、ガッポリ」とやられてしまうかもしれない。その為、アニメーション映画としての完成度は非常に高い…のだが、人によって極端に評価の分かれる作品となっている。

ただ、それを抜きにしても説明不足が過ぎる所があり、先の第三篇はエンディングまでに至るまでの流れが映像を主軸にして描かれるので、個々の想像で補わなければならないのがちょっと厳しい。また、登場人物の心情に関しても詳細に描き切れてない為、何故、そのような反応を見せたのか、言い放ったのかと頭に疑問符が浮かぶ所も幾つかある。それ故、曖昧な描写が好きでない人なら、見終えると逆にストレスを溜めさせられる事になったりするかもしれない。
ちなみに、登場人物の細かい心情やストーリーの流れに関しては、漫画版を読むと補完できるようになっている。なので、見終わってもう少し今作のストーリーを細かく知りたいと思ったら、そちらに手を出してみるとスッキリできるかもしれない。それでも、ストーリーがストーリーだけに、余計に心を抉られるなんて事もあったりするかもしれないが…。
◆ゲーム登場場面
最初の短編『桜花抄(おうかしょう)』で、スーパーファミコン(旧型)本体が登場する。具体的には中盤の貴樹と明里の電話での会話(回想)シーンで、ここで幾度か映る貴樹の部屋のカットで出てくる。ちなみにコントローラは未接続である。また、アニメでのゲーム機登場という事で、いわゆるソックリな偽物を連想するかもしれないが、本作で登場するのはれっきとした本物である。気になる方は、ブルーレイ、DVDなどで当該シーンを確認してみよう。
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