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≫ベートーベン
■公開年月(日本) 1992年12月5日
■監督 ブライアン・レヴァント
■出演 チャールズ・グローディン、ボニー・ハント、ニコール・トム、クリストファー・キャスティール、サラ・ローズ・カー、ディーン・ジョーンズ、デビッド・ドゥカヴニー…(ほか)
■販売元 ジェネオン・ユニバーサル
■定価 1429円(DVD:税別)
▼登場ゲーム一覧 ≪Last Up Date : 6/18/2017≫
◆Nintendo Entertainment System(NES)
◆スーパーマリオブラザーズ3
◆GOLF(ゴルフ)
◆PINBOT
◆リンクの冒険
◆ドンキーコング
◆スパルタンX
◆ストーリー概略
ある日、二人組の泥棒によってペットショップ「DOCKTOR PETCENTERS」が襲撃され、中で販売されていた犬を中心としたペット達がトラックに押し込まれる形で拉致されてしまう。そんな中、一匹のセント・バーナードの子犬が同じく拉致された犬と協力する形で泥棒二人の隙を突き、トラックから脱出。協力してくれた犬は追跡してきた泥棒によって捕まってしまうが、子犬はそのまま逃げ切る事に成功する。そして、子犬はその身を隠すべく、通りかかったニュートン家に飛び込んだ。エミリーを始めとするニュートン家の子供達は、突如やってきた子犬に大喜び。しかし、父親のジョージは犬嫌いで、子犬を追い払おうとした。しかし、子供達と妻のアリスから懇願され、しぶしぶ子犬を飼うことを許可。ベートーベンの「交響曲第5番・運命」に反応を示したことから、「ベートーベン」と名付けられたこの犬はニュートン家で大きく成長し、衣類や家具を汚すイタズラを繰り返してジョージを悩ませるも、子供達から愛される存在になっていた。

そんな穏やかな日々が続く中、ペット泥棒達の黒幕がニュートン家に迫りつつあった…。
◆作品解説
犬嫌いの父親がいる平凡な一家に紛れ込み、家族の一員となったセント・バーナードの「ベートーベン」が巻き起こす騒動と活躍を描いた動物コメディ映画。1992年4月3日にアメリカで公開され、同年12月5日に日本で公開された。監督はアメリカCBSで1979年から1980年まで放送されたテレビドラマ『がんばれ!ベアーズ』にスタッフとして参加し、『プロブレム・チャイルド うわさの問題児』の続編『プロブレム・チャイルド2』で映画監督デビューを飾ったブライアン・レヴァント。今作の後に制作した『フリントストーン モダン石器時代』、『ジングル・オール・ザ・ウェイ』でも監督を務めており、むしろそれらの作品を手掛けた人物という方が分かり易いかもしれない。脚本は『ホームアローン』のジョン・ヒューズが担当。主人公のジョージ・ニュートン役は『ミッドナイト・ラン』でロバート・デ・ニーロと共演した事で知られる俳優でコメディアンのチャールズ・グローディン。その妻のアリス・ニュートン役を『レインマン』のサリー・ディブス、今作の後に公開された『ジュマンジ』でサラを演じた女優で声優のボニー・ハントが務めた。その他のキャストにニコール・トム、クリストファー・キャスティール、サラ・ローズ・カー、ディーン・ジョーンズと言った面々が名を連ねている。

『ホーム・アローン』で脚本と制作を担当したジョン・ヒューズ氏が関わっているのもあってか、設定周りに同作を髣髴とさせるものが多く(特に悪役が泥棒という所はそのまんま)、本編も家族の絆に焦点を当てた展開が描かれるなど、王道のホームコメディを貫き通したストーリーに完成されている。ただ、今作はベートーベンことセント・バーナードがストーリー上における主人公という事で、それにちなんだ掛け合い、ハプニングで独自色を演出。特に「賢さ」を見せつけるシーンは作中最大の見所であり、こんな犬が居たら頼もしいだろうなと思ってしまうこと間違いなしのキャラクターになっている。家具、衣類をハチャメチャにすると言った暴れん坊ぶりも見所で、特に中盤におけるジョージの会社を乗っ取ろうと目論み、ニュートン家にやってきたヴラッド夫妻に対して起こす行動は爆笑必至。この犬を敵に回してはいけないという事を嫌というほど痛感させられるシーンになっているので必見だ。人によっては、こんな事を人間がやられたら普通に死んじゃうだろと突っ込みを入れたくなるかもしれないが、そこはコメディ映画なのだからという視点でお願いしたく。また、終盤にも冒頭で描かれたペット泥棒達と彼らを操る黒幕とのバトルがあるのだが、これもまた先の夫妻のシーン同様に爆笑確実なものになっている。中でも黒幕にトドメの一撃を加える展開は今作屈指の衝撃性を持つシーンになっている。どのような形でトドメが刺されるのかは実際に見てからのお楽しみ。観ればきっと、「こんなエグいやられ方はされたくない…」と思ってしまうだろう。ワリと刺激の強い演出にもなっているので、観る際は念の為、御注意のほどを。

上映時間は約90分と短めではあるが、それ故に非常にテンポが良く、ベートベンの暴れっぷり、『ホームアローン』を髣髴とさせる安定感のあるストーリーもあって確かな密度と満足感が得られる良作に仕上がっている。この安定感のある作りで好評を博し、後に続編の『ベートーベン2』が制作・公開されている。しかしながら、監督のブライアン・レヴァント、脚本のジョン・ヒューズ両氏は参加しておらず、内容もベートーベンがストーリーに絡む場面が少なくなり、人間関係に焦点を当てた展開が増えるなどして前作とは作風が大きく異なるものになってしまっている。その為、国内外と問わず前作ほどの評価を得るには至ってない。また、それから更に6年が経った後に『ベートーベン3』、『ベートーベン4』と三作目と四作目が制作されているが、日本では未公開。ストーリーもジョージの弟であるリチャードが主人公の別のニュートン家を主人公としており、賛否の分かれる内容になっている。そう続編を重ねていくまでの過程がやや歪だったのもあってか、2作目以降を認めていない声は比較的多め。ある意味、一作目で終えておくべきだった作品とも言うべき格好になってしまっている。また、途中から歪な方向になっていったパターンは『ホームアローン』とも酷似していたりする。同じ製作者が携わっていた作品が続編で似たような顛末を辿るとは、なんという「運命」か。それを考えると、『ベートーベン』というタイトル名はなかなかに皮肉である。
ちなみに国内では日本テレビの『金曜ロードーショー』において、『風の谷のナウシカ』、『天空の城ラピュタ』、『ジョーズ』、『ホームアローン』、『コマンドー』などと並ぶ、頻繁に放送されていたいわば「常連作品」の一つでもあった。残念ながら、2010年以降は放送頻度が激減し、『金曜ロードShow!』に様変わりした2017年現在では皆無となってしまっている。それもあって、久々に放送してくれないかと求める声も多いとか、多くないとか。
◆ゲーム登場場面
Nintendo Entertainment System(NES)とスーパーマリオブラザーズ3が登場。本編終盤、子供達が父親のジョージに朝食を作るシーンの直後、ペット泥棒の黒幕がニュートン家に訪れる直前の場面で子供達(ライスとテッド)が部屋でプレイしていた。プレイ中のマリオはファイアマリオになっていて、コースはワールド5の何処かと思われる。時間は57:09以降。
ちなみにマリオ3が映っているテレビの左側にはNESがあり、その棚には他のファミコンソフトも並んでいる。確認できるものは八本でGOLF(ゴルフ)、PINBOT、The Adventure of LINK(リンクの冒険)、Donkey Kong(ドンキーコング)、KUNG-FU(スパルタンX)。ただ一番左端にある二本、上にある一本はタイトルが見切れてしまっている為、確認できない。
◇情報提供:ユッピーさん(※旧『テレビ番組等で登場したゲーム機&ゲームソフトの記録』より)<Thanks!>
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