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≫ネバーセイ・ネバーアゲイン
■公開年月(日本) 1983年12月24日
■監督 アーヴィン・カーシュナー
■出演 ショーン・コネリー、キム・ベイシンガー、クラウス・マリア・ブランダウアー、バーバラ・カレラ、マックス・フォン・シドー、バーニー・ケイシー、エドワード・フォックス、アレック・マッコーエン、ローワン・アトキンソン …(ほか)
■販売元 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
■定価 2381円(Blue-Ray:税別)、1419円(DVD:税別)
▼登場ゲーム一覧 ≪Last Up Date : 6/28/2015≫
◆Centipede(センチピード)
◆Gravitar(グラヴィター)

※他にも複数のゲームが登場するが、非常に小さく映る都合で確認困難な為、割愛。
◆ストーリー概略
現役を引退し、長きに渡って現場から離れていたイギリス諜報部『MI-6』所属のエージェント、ジェームズ・ボンドこと007。彼は冷戦真っ只中の世界情勢に合わせて復帰する為、実戦訓練を受けていたが、最終試験でまさかの失態を犯して不合格。上司のMより、生活習慣を見直せとの命を下され、ロンドン郊外の治療施設へと入所する事になってしまった。

同じ頃、国際犯罪組織『スペクター』は『アラーの涙作戦』を実行する事を決定。殺し屋ファティマをある目的の為、ロンドンの治療施設、今、まさにボンドが居る場所へと送り込んだ。

ボンドは偶然にも、看護婦に扮したファティマが患者である男性に何かを強要している様子を目撃。探ってみると、その患者はアメリカ空軍のジャック・ペタチ大佐であり、ファティマに強要される形で謎の訓練を受けていた。また、様子を探っていた事が起因し、ボンドは施設内でファティマの手先に襲撃されてしまう。辛うじてこれを退けたボンドは、ファティマが何かを企んでいる事を確信するが、それ以上の追撃はできずに終わった。 後にジャック大佐はアメリカ空軍基地へと単身、潜入。そして、核弾頭搭載の巡航ミサイル2機を強奪してしまう。ミサイル2機はスペクターの手中に収まり、組織のナンバー2であるエルンスト・スタヴロ・ブロフェルドが世界に向け、核ミサイル2機に対して数億もの額を要求する。

施設から退所し、現場復帰したボンドはMの指令を受け、ミサイルの行方を求めて地中海へと向かう。そして、そこでマキシミリアン・ラルゴなる世界的な大富豪をマークするのだが…?
◆作品解説
イギリスを代表するスパイアクション映画『007(ダブルオーセブン)』シリーズの番外編として制作された作品。1983年公開。製作(配給)も本家シリーズのイオン・プロダクションではなく、ワーナーブラザーズが担当している。
監督は『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』、そして今作の後に手掛けた『ロボコップ2』で知られるアーヴィン・カーシュナー。主人公ジェームズ・ボンド(007)役は初代ジェームズ・ボンド役として名高い俳優、ショーン・コネリーが務めた。氏にとっては1971年の『ダイヤモンドは永遠に』以来、実に12年ぶりにボンドを演じた作品となった。更に悪役のマキシミリアン・ラルゴ役にクラウス・マリア・ブランダウアー、ボンドガールことヒロインのドミノ・ペタチ役は今作が映画デビュー作であり、後に『バットマン』のヴィッキー・ベール役でその名を広く知らしめた女優キム・ベイシンガーが務めた。その他のキャストでマックス・フォン・シドー、バーバラ・カレラ、ガバン・オハーリヒー、エドワード・フォックス、バーニー・ケイシー、アレック・マッコーエンほか。更に脇役の英国大使館職員フォーセット役として、『Mr.ビーン』で知られるコメディアン、ローワン・アトキンソンも出演。さりげなく、氏にとっても今作が映画デビュー作であったりする。
ストーリーは現役を引退していたボンドが紆余曲折を経て現場に復帰し、核弾頭搭載ミサイルを強奪し、全世界への脅迫行為に及んだ犯罪組織『スペクター』の野望阻止に挑むというもの。多少、設定に相違はあれど、その中身は1965年に公開されたシリーズ第四作『サンダーボール作戦』と同じであり、事実上のリメイク作となっている。何故、このようなリメイクが作られたのかは今作の製作総指揮を手掛けているケヴィン・マクローリー氏が元々、『サンダーボール作戦』の原案となった脚本を手掛けた一人であった事に由来している。『サンダーボール作戦』の脚本はマクローリー氏以外に、ジャック・ウィンティンガム氏、そして007シリーズ原作者のイアン・フレミング氏の三人で製作された、いわば共作だったのだが、この原案をフレミング氏が二人に無許可で小説版を製作・刊行してしまったのである。その事にマクローリー氏は激怒し、そのまま著作権絡みの訴訟沙汰へと発展した。その訴訟沙汰は最終的に和解に至り、マクローリー氏も映画化権を獲得し、ワーナーブラザーズ製作の異なる007映画を製作しようとするのだが、007シリーズのプロデューサーであるアルバート・R・ブロッコリ氏との交渉の結果、『サンダーボール作戦』の製作としてマクローリー氏をクレジットする代わりに以後、氏による007映画の製作は10年間しないという事になってしまった。それにより、氏の描く『サンダーボール作戦』は幻に終わるのだが、それから10年が経過してマクローリー氏はこの企画を再起動。幾つかのトラブルを経て、1980年代に脚本を描き直した新しい『サンダーボール作戦』、詰まるところの今作の製作を始め、1983年に公開に至った。多少、端折ったが、以上が今作製作に至る経緯。非常に複雑且つ、数奇な運命を経て製作に至った作品なのだ。

ただ、リメイクとは言え、ストーリー自体はオリジナルとは別物の内容になっており、バイクチェイスに地下遺跡での銃撃戦と言った新しいシーンが随所に仕込まれているほか、一部の悪役キャラクターの末路が変更されている。更にキャラクター周りでもボンドが一度、現役を退いた設定になっている以外にも、犯罪組織スペクターのナンバー1が本家と同じブロフェルドではなく、ラルゴであると言った数多くの違いがある。そのラルゴにしても『サンダーボール作戦』では眼帯をした海賊の雰囲気を漂わせたキャラクターだったが、今作では金髪で偏執狂の大富豪と完全な別人。挙句に本名も『サンダーボール作戦』ではエミリオ・ラルゴだったのに対し、今作ではマキシミリアン・ラルゴと違うものになっている。オリジナルを見た事のある方ならば、まさに「お前、誰だ」的なツッコミを入れたくなるのは必至。オリジナル版の面影を一切感じさせないキャラクター作りが成されている。
また、シリーズ番外編という事で、お馴染みのガンバレルシークエンスも無い。加えて、007のテーマ曲も流れないなど、とことん番外編としてのらしさを突き詰めた作りになっている。その辺の007らしさを撤廃した作風は、1967年版の『カジノ・ロワイヤル』とほぼ一緒。そのオマージュとも見て取れるものになっている。ただ、007らしい要素がほとんど無いとは言え、バイクチェイスを始めとするアクションシーンや人食いサメからの逃亡劇など、本家007シリーズでは見られなかった新たな試みがふんだんに盛り込まれており、なかなか見所のある内容に仕上げられている。ショーン・コネリーが久々にボンドを演じるというのも大きな見所で、先のバイクチェイスにサブマシンガンを持って敵と戦う様など、過去の主演6作品では見られなかったアクションシーンがあるのもシリーズファンには見逃せない。また、ボンドの親友であるCIAのエージェント、フェリックス・ライターを黒人の俳優が演じているなど、後の『カジノ・ロワイヤル(2006年版)』に繋がるかのような小ネタがある点も密かな注目点だ。ただ、それ以上に今作最大の見所はギャグ要素の強さ(爆発する人間、コントのような施設での格闘戦など)かもしれない。

ちなみに余談だが、今作が公開された1983年には本家007シリーズの新作で13作目の『オクトパシー』も公開されている。こちらもこちらで、ワニ型潜水艇にピエロに扮するボンド、双子の殺し屋など、ユニークでエンターテインメント性に秀でた作品になっているので必見です。
◆ゲーム登場場面
中盤以降のカジノシーンにて、アーケードゲームの筐体が大量に登場。大半のゲームはATARIがリリースしたものなのだが、本編で映る部分が小さい為、詳しくは確認できない。唯一、確認できるのは『Centipede(センチピード)』と『Gravitar(グラヴィター)』の二つである。
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