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≫砕魂 ~さいたま~
■発売元 サイバーフロント
■開発元 Endgame Studios
■ジャンル アクション
■CERO A(全年齢対象)
■定価 762円(税別)<※2018年現在、配信終了>
▼Information
■プレイ人数 1人
■3D表示 なし
■消費ブロック数 2993ブロック
■セーブデータ数 1つ
■推定クリア時間 6~7時間(エンディング目的)、40~45時間(完全攻略目的)
果てしない宇宙の彼方。
2つに引き裂かれた次元の狭間。
崩壊の危機が迫る基地で、クローン兵士は脱出を目指す。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆上の現実世界、下の平行世界の二つのフィールドを同時に駆け抜けていく、ニンテンドー3DSの二画面構成をフル活用した、脳味噌大混乱必至の革新的なゲームデザイン
◆二つの世界を駆け抜けていくなりの(物理的な)視野の広さが問われるステージギミック全般
◆水中、高温、重力と言った片方の世界だけに制約が課せられる特殊環境ステージの存在並びにそのネタを応用した展開(特に水中の環境下で繰り広げられるアクションは本作ならではの醍醐味が詰まっている)
◆トライ&エラーを重ねることによる上達の実感、視野の広がりと言った恩恵まで得られる難易度設定
◆収録数は少なめだが、滞在時間制限のルールなどで斬新なプレイ感を演出しているシューティングステージ
◆クローン兵士という設定にマッチした、程よく嫌らしいミスカウントシステム(これを如何に少ない状態で最終ステージまでやり切れるか、というちょっとしたやり込みも楽しめる)
◆特徴的な二画面移動システムとは対照的に、基本は王道のステージクリア型に徹した本編
◆同じくシンプル且つ、必要最小限に留められたプレイヤーアクション
◆全部で30以上、上級者向けのスペシャルステージまで収録した充実のボリューム
◆挙動が重いがボタン配置は適切で、プレイして間もなく手に馴染む取っつき易さに秀でた操作
◆的確な行動を取って1秒を縮めていく、優れたリプレイ性とやり込み甲斐に満ちたタイムアタック(インターネットランキングにも対応していて、世界中のプレイヤーと順位を争える!)
◆無機質で、ほのかにおもちゃっぽさも滲み出たデザインでまとめられたグラフィック
◆ゲームシステム重視の主張の少なさが返って印象的な音楽とエフェクト演出全般
◆自然な翻訳、海外版切り替え機能の実装と言ったサービスも凝らされたローカライズ

--- Bad Point ---
◆ほとんどシューティングステージに偏ってしまっているボス戦(アクション側は僅か)
◆全体的にバランスは取れているが、いささか制作スタッフが悪乗りしている感も否めない難易度(特に後半の「半重力」の特殊環境を舞台としたステージにおいて、その傾向が目立つ)
◆人によっては地味にストレスを感じかねない、ジャンプ時の挙動の重さ
◆悪く言えば派手さに欠けた演出周り(どのステージも淡々とした展開に終始)
◆一部、文字フォントが崩れて表示されると言ったローカライズの不備
◆一つしか作成できないセーブデータ(3DS本体のバックアップ機能を使えば複数作成可)
謎の邦題(作品のイメージ的にミスマッチな感がある…)
▼Review ≪Last Update : 4/29/2018≫
魂砕いて二世界突き進め。

埼玉県無関係の脳天直撃系横スクロールアクション現る。



オーストラリアの独立系ゲームスタジオ「Endgames Studio」制作による横スクロールアクションゲーム。原題は『Fractured Soul』。日本語版のローカライズ並びに販売はサイバーフロントが担当。

二画面を活かした唯一無二のゲームデザインとステージ構成で魅せる、埼玉県無関係の良作だ。

内容は横スクロールで展開する、ステージクリア型アクションゲーム。主人公のクローン兵士を操作し、次元崩壊を始めた宇宙基地からの脱出を目指すというものである。本編はステージを順に攻略していく一本道方式で展開。ステージのクリア条件も単純明快で、ゴールへの到達を目指す、或いはボスを撃破するの二種類に絞り込まれている。全体的にはアクションゲームの王道に準拠していて、古くから横スクロール型アクションゲームを遊んでいるプレイヤーには馴染み易い作りになっている。しかし、本作には世間一般の横スクロール型アクションゲームとは決定的に異なる特徴がある。
それが平行世界システム。ニンテンドー3DS(及びニンテンドーDS)の二画面構成を活かし、上と下の二つの画面で同時にゲーム本編が展開される、ぶっ飛んだゲームシステムを実装している。上下両方の画面で本編が展開されるアクションゲームと言えば、ニンテンドーDSでコナミより発売された『魂斗羅Dual Spirits』があるが、あちらはステージを上と下の二画面をぶち抜いた作りにする、二画面の「広さ」に着目したものだった。対し、本作はステージは「平行世界」と称している通り、上画面と下画面に同じ光景が映し出される仕組みで、この二つの画面に注目しながらステージ攻略を進めていく。
よりシステム詳細について解説していくと、上下それぞれにはプレイヤーの実体と幻影が表示される。実体は文字通りにプレイヤー本人。幻影はその実体が平行世界で現在、どの位置に居るかを示した影である。ゲーム中の操作対象となるのは実体の方。この実体を動かすと併せて幻影も同じように動き、そのまま前へ進む事で幻影側の画面でもステージが進行していく。だが、ある程度進むと、実体側では対処の出来ない場面に遭遇。例として、通常のジャンプでは絶対に届かない場所にある足場と言ったものが現れ、そこで足止めされてしまう。そんな時、下画面の平行世界、幻影が居る方を見ると、そこには届かない足場へ繋がる別の足場が確認できる。実体が居る世界には存在しない足場が表示されるのだ。それが確認したら、実体と幻影の立ち位置を切り替えを実施。LRボタンのいずれかを押し、(この場合は)下画面の幻影と上画面の実体を切り替え、その足場へとジャンプで渡り、その先へと進むのである。そしてまた、下画面の世界で足止めを喰らったら、上画面と実体を切り替え、トラップを潜り抜けてその先へと進んでいく。あくまでも一つの例だが、これが平行世界システムのあらまし。上と下とで環境の違いを確認しながら実態を移動させ、トラップや敵の攻撃を潜り抜ける。そう言った特異な操作を行いながらステージを進んでいくのである。
当然ながら、二つの画面をよく観察しながらの操作が求められてくる為、初プレイ時は困惑必至。しかも、ある程度本編が進むと仕掛けが複雑化し、上と下に移動しながらジャンプも同時に行いながら穴だらけの足場突破、片側の画面にしか配置されていないスイッチを押す事で解除されるバリアなどがプレイヤーの前に立ちはばかってくる。更に進むと、今度は上と下とで環境まで変化。下画面は通常空間なのに対し、上画面は水中で、操作感とアクションの挙動が劇的に変化すると言った極端な状況下でのステージ攻略まで求められてくるのである。当然ながら、その操作感と挙動の違いに着目した独自の仕掛けも展開。プレイヤーの判断力、想像力までもが試されるシビア且つ、独特過ぎるアクションが繰り広げられるのだ。このシステムだけでも、本作の特異さが嫌というほど察せるだろう。ただ先の通り、アクションゲームとしての基本的な作りは王道。システムの慣れは要求されるが、遊び自体は古くから親しまれたものなので、ゲームデザイン的には既存の遊びに独自性を付加するのに徹している感じだ。プレイヤーアクションも実体と幻影の切り替え以外は至って平凡。ジャンプとそこから更にボタンを押す事で発動する二段ジャンプ、ショット、梯子の昇り降りなど、シンプルなものに徹している。アクションの傾向としてはカプコンの『ロックマン』を髣髴とさせるものがあり、特にショットと梯子の昇り降りの二つは同作を知る人ほど、既視感を覚えるかもしれない。
他にも本作には隠されたアイテムの回収、タイムアタック等のやり込み要素も実装。更にタイムアタックの記録は世界中のプレイヤーと争う事ができるインターネットランキング機能も実装しており、己の限界を突き詰めると言った遊びも楽しむ事までできるなど、今時のゲームらしい要素も仕込まれている。
アクションゲームとしての基礎部分は王道の極み。だが、プレイ感覚はニンテンドー3DSならではとも言える強烈な独自性に富んでいるだけでなく、プレイヤーの脳みそに前例のない刺激を与える革新的なものになっている。まさにアクションゲームの常識を根底から覆す内容。他では決して味わえないステージ攻略の妙味が楽しめる作品になっている。

そんな本作の魅力は言わずもがな、キモである平行世界システムだ。上と下の二つの画面を見ながらプレイヤーを動かし、状況に応じて画面移動を行い、仕掛けを切り抜けていくその特徴だけでもインパクトは絶大。
特にこのシステムを最大限に活かしたステージ構成はある種の芸術。二つの画面を移動しながらステージを進んでいく遊びだからこそ成し得たギミックが豊富で、様々なアクションゲームを攻略してきた熟練のプレイヤーすら悲鳴をあげたくなる展開が矢継ぎ早に繰り広げられていく。序盤の上と下とで仕掛けの配置が異なるパターンは本当に序の口。先ほども紹介したが、ゲームが進むと上画面だけ環境が特殊、更にその影響でアクションの挙動までが変わる露骨な個性付けが図られたステージが出てきて、二画面を行き来するアクションゲームの本気が露わになっていく。
数ある仕掛けの中で、最もその醍醐味を堪能できるのが「水中」。動作が鈍くなる、ジャンプの飛距離が伸びるなど、いずれも変化の特徴が分かり易く、二つの異なる世界を行き来しながらステージを攻略する楽しさと難しさを味わえる仕上がりになっている。水中の環境下でジャンプし、落下速度の遅さを利用して、通常環境では絶対に届かない位置にある穴の先にある足場に移ったり、鈍い速度でこちらに迫り寄ってくるレーザーの壁を回避する為に足場が無い状態での水中に通常環境下でジャンプした後に実体を移動させ、その挙動と落下速度の遅さを利用して壁を回避し、落下寸前に実体を通常環境下に移すなど、まさに環境の特色を最大限に活かした展開と、3DSならではの戦略が連発。加えて効果が分かり易い為、平行世界システムの真価を解説するものと言わんばかりの仕上がりになっている。序盤の通常環境下の仕掛けの違いを見極めながら行動していくステージでも平行世界システムの特色は存分に味わう事ができるが、その真価は水中において最も発揮。進めば進むほどに個性豊かな二画面移動アクションとその戦略が楽しめるという、先に進む楽しさという基本的な面白さを追求したレベルデザインが炸裂しているのだ。そんな本作の醍醐味を最も堪能できる「水中」が、特殊な環境の一発目として用意されているのも適切。二画面移動アクションの魅力と難しさを分かり易く伝えたいという、制作スタッフの工夫と特徴を理解した上での配慮には構成の練り込み具合、どの環境から先にプレイヤーに楽しませるか吟味したことを感じさせられる。「水中」以外にも本作には「高熱」、「半重力」などの環境が用意されているが、仮に長居し続けると問答無用でミスとなってしまう「高熱」が先行すれば、楽しさ以上にいきなりのルール変更に併せての難しさとストレスが勝ってしまっていただろう。地形の構成と難易度次第では、「高熱」からでも遊べなくは無かっただろうが、分かり易さ第一という事で本作は水中を優先。先ずは危険と隣り合わせではなく、環境の変化を感じて、そこから危険を感じていく流れにしようと考えたともいうべき、この適切な措置に対しては製作スタッフのレベルデザイン術の上手さというものを実感させられるところである。
徹底したステージごとの差別化も見事。どちらかというと、本作はステージ攻略が本編の大半を占めていて、ボス戦は僅かしかないのだが、その少なさを意識させないぐらいに一つ一つのステージが濃い。特にシステムのキモを最も堪能できるものとして紹介した、「水中」を始めとする特殊環境で繰り広げられる展開は奇想天外なアイディアがたっぷり。このゲームシステムだからこその遊びを限界まで追求しようとする起伏に富んだ展開の数々には、制作スタッフが如何にDSのハード特質に着目して作ったかという思いと苦労を感じさせられるかもしれない。その努力の結晶は、どのステージにおいても二画面移動を駆使しての攻略が要求されるところからも明らか。一つのコンセプトを徹底的に追求したブレてない仕上がりには、プロの意地を感じるだろう。更にステージ絡みでは本作、なんとシューティングステージも収録。ある程度、ステージ攻略が進むと、次の宇宙基地へ移動するストーリー展開と併せて宇宙空間を舞台にしたシューティングステージが始まるようになっているのだ。しかも、ただのシューティングではない。本作の平行世界システムを活かした、二画面同時シューティングとなっている。なので、このステージでも上下二つの画面を見ながら自機を操作し、迫り来る敵を迎撃していかなければならない。おまけにこのシューティングステージでは、片側の世界に滞在し続けていると、体力ゲージが徐々に減き、そのままゼロになってしまうとミスに。アクションステージとは異なり、長い間、片側の世界に滞在すると言った事ができないのだ。この為、体力ゲージの減りに応じて自機を下に移動させたり、上に移動させると言ったこれまた、他のシューティングゲームでは味わえない戦術が試されてくる事も。当然ながら、出てくる敵も片側の世界にしか登場しないタイプが居るなど、システムの特徴を最大限に活かした攻撃を仕掛けてくる。更にステージによってはボス戦も展開。そんなシューティングでも独自性全開の展開には、本作の二画面プレイに対する尋常なきこだわりというものを感じてしまうこと請け合い。ステージ総数はアクションステージに比べたら少なめだが、シューティングの基本を抑えつつも、二画面移動の特色を活かした作りには僅かなステージであろうとも濃い体験をプレイヤーに提供する事にこだわる製作スタッフの熱意が現れている。こう言った所においても、本作はプレイヤーを飽きさせない為の工夫が炸裂。併せてゲームとしての独自性も出す等、見事な作り込みが炸裂しているのだ。
他にも本作は3DSタイトルにしては珍しく、立体視機能に非対応。だが、これが二画面移動のシステムゆえの目の負担軽減を目的とする配慮が際立ったものになっていて、なくても十分……むしろ、あったら辛いと思えるようなものになっている。3DSタイトルだからと言って無暗に立体視機能を入れず、作品の持つ個性を重視した作りに徹した姿勢は潔くて良い。何で3DSのゲームなのに立体視を入れないんだ、と思うかもしれないが、遊べば分かるはずだ。こんなの、対応させたら明らかにヤバいと。そんな事も念頭に置いて作っている所にも本作の本気と言うものが現れている。
しかし、惜しむべき所も。特にボス戦がシューティングステージに偏ってしまっているのは頂けない。少しネタバレするが、アクションステージを舞台にしたボス戦は本作、一つしか無い。シューティングステージにボス戦が偏ってしまっているのだ。こうしたラインナップにしたのは容量的な都合か、アイディアが出なかったか。関係者のみぞ知るところだが、素人目で見てもアイディアは色々出せたはずなのに一つだけにしてしまったのは非常に勿体ない。可能であれば、2つは用意して欲しかったところである。仮にもアクションゲームを謳っているのに、ボス戦がアクション外に集中してしまっているというのは本末転倒。そして、宝の持ち腐れ。露骨な出し惜しみっぷりには本当、ガッカリするばかりだ。

また、その特徴的なゲームシステムも相まって難易度は非常に高い。序盤こそ緩やかだが、中盤から徐々に鬼畜な敵配置と地形が目立ち始め、アクションゲームが不得意なプレイヤーならば心を圧し折る展開が繰り広げられていくようになる。そのシビアさたるや、カプコンの「魔界村」に迫ると言っても良いほど。この難易度の高さもあってステージ攻略時の達成感は高く、更にリトライは無限な上、チェックポイントが豊富なのもあって根気さえあればクリアは可能なバランスになっているのだが、さすがに後半はやり過ぎた感が否めず。特に「半重力」の環境が登場するステージに関しては、元の環境変化が面白いだけに、そこにピックアップしてステージをデザインして欲しかったものだ。これもまた、宝の持ち腐れと言わざるを得ない有様。ボス戦のみならず、通常ステージでもやらかしてしまっているのには苦笑いするばかりだ。
操作周りも主人公が武装していると設定を反映してか、ジャンプの挙動が鈍く、あまりキャラクターを機敏に動かす楽しさが薄いのも賛否が分かれる。しかし、ボタン配置は適切な上、アクション自体の種類が少ないので、特にチュートリアルで練習する必要もなく、すぐ馴染める作りになっているのは救い。難易度は高いが、操作に慣れるのに時間がかからないという所は、往年の高難易度を持ち味とするアクションゲームの良さを踏襲していて見事だ。
ボリュームも充実している。メインステージだけでも30以上あるだけでなく、上級者プレイヤー向けのスペシャルステージも5つ収録するなど、全て遊び切るだけでも結構な密度となっている。更にスペシャルステージ解禁に当たって必要となる「★」の獲得、ステージ内に隠されたスペシャルアイテムの回収と言ったやり込み要素も完備。もはやパッケージタイトル並とも言える盛り沢山な内容には、上級者プレイヤーならば納得の手応えを得られること間違いなしだ。
そして、グラフィックに関しては総じて無機質なデザインを推し出した作風。質自体は平均的で、特に突出した所はないが、ステージごとの特色と見易さを重視した作りになっているのが秀逸。キャラクターデザインの玩具っぽさも色んな意味で注目点で、特にほぼ全てのステージに登場する兵士のヘンテコなデザインには愛らしさを感じてしまうかもしれない。

音楽に関しても静かで、印象に残る曲はあまりない。演出周りも、爆発エフェクトが少し特徴的なデザインになっている以外は地味。ストーリーも必要最低限の描写に留めた内容と、アクションゲームである事に特化した作りになっているので、これまた特に見るべき所は無い。逆に言えば、それほどまでに本作はゲームシステムを魅せる事に注力。まさに本質に特化したという事で、絵的な所などは最低限に留めている。正直、音楽は凝っても良かったように感じてしまうが、この作品で勝負すべきはシステムだと言わんばかりこだわり尽した制作スタッフの姿勢には、漢(おとこ)を感じるところだ。
更にこれと言ってストーリーがある訳では無いが、ローカライズも良好。オプションで英語表示にする事も可能であるなど、オリジナル版の雰囲気で遊びたい欲求にも応えた仕様になっている。ただ、タイトル名に関しては見ての通りの印象。一応、原題(Fracured Soul)に即した名前にはなっているのだが、こうもギャグに走らなくても良かったのではないだろうか。名前が与えるインパクトは絶大とは言え、作品の世界観に似合ってない雰囲気を醸し出してしまっているのにはちょっと残念な限りだ。曲がりなりにもいち埼玉県民である筆者としても、この邦題に対してはあまりいい気がしない。
他にもセーブデータは一つだけ、少し露骨な文字フォントのレイアウト崩れがあるなど、疑問符の浮かぶ欠点が幾つか。色々と粗削り且つ、宝の持ち腐れな所もあったりするが、アクションゲームとしての出来は良好で、ニンテンドー3DS(或いはDS)だからこそ生まれた新しい手応えを特色とする作品に仕上げられている。練り込まれたステージ構成と仕掛け、ゲーム性最優先の割り切りっぷり、骨太なボリュームなど、変な題名に反してやり応え抜群の本作。アクションゲームが苦手なプレイヤーには薦められないが、大好きなプレイヤーならば是非、プレイしてみて欲しい良作だ。埼玉県民も要プレイ……とまでは言わないが、3DSをお持ちならば一度はお試しあれ。だが2018年現在は販売元のサイバーフロント解散の件もあり、配信が終了してしまっている。本作よりも画面サイズが縮んでしまう上、言語は英語にしか対応していないのだが、PC版がSteam、GOD.comで配信されているので、これから本作を遊びたい方はそちらをどうぞ。
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