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≫バンガイオー魂 BANGAIO SPIRITS
■発売元 ESP
■開発元 トレジャー
■ジャンル 爆裂ミサイルアクション
■CERO A(全年齢対象)
■定価 5040円(税込)
■公式サイト ≫こちら
▼Information
■プレイ人数 1〜4人
■セーブデータ数 1つ(※フラッシュメモリバックアップ)
■その他 DSワイヤレスプレイ対応
■総説明書ページ数 25ページ
■推定クリア時間 クリアの概念は無い
とりあえず細かい事は抜きにして皆さん、ご一緒に。
バンガイオーGO!!
▼Points Check
--- Good Point ---
◆完全攻略と言った縛りの要素が無い故に醸し出された、驚異的な自由度の高さ
◆真面目にステージを攻略する必要無しの思い切った試みが逆に潔くて気持ち良い『チートエディット機能』(気に入らない敵をステージ上から消せたりなど、好き放題改造できる)
◆システム上の自由度の高さがもたらした、良い意味で破綻したゲームバランス
◆全部で160面以上と、無駄にやり応え満点な総計ボリューム
◆オーソドックスなアクションシューティングからパズル要素の強いものまで、バリエーションに富んだステージ構成
◆好きなステージを自由に作れる、創作好きにはたまらない『ステージエディット』
◆エディットで作成したオリジナルステージを音楽データとして録音し、それを聴き取ってダウンロードするローテクな仕組みが非常に面白い『サウンドロード機能』
◆通常のショットからバットによる攻撃まで、何でもありな多彩さが秀逸な攻撃アクション
◆数百発のミサイルを撃って敵弾を打ち返す仕組みが強烈な『全方位カウンター』
◆百発のミサイルを同時発射するが故の気持ち良さに富んだ、不思議な処理落ち演出
◆アクションシューティングらしい勢いの良さが心地良い、秀逸な音楽
◆如何にも敵を撃墜したという手応えに富んだ質感溢れる効果音

--- Bad Point ---
◆逆に攻略要素が無い為、目標意識が持てない方には辛過ぎる自由度の高さ
◆欠落したやり込み要素(あるとしたらスコアアタック程度と、とにかく少ない)
◆あまりに大雑把過ぎる作りのチュートリアル(操作回りでの重大な項目の説明が省かれているなど、全く持ってプレイヤーの為になってない)
◆大雑把な作りを助長させてる、スベりまくりのチュートリアルの会話
◆ほとんど空気も同然なチュートリアルの登場キャラクター達
◆DSのボタンを全て使わせようとする姿勢が逆に煩わしい、複雑過ぎる操作性
◆元来のジャンルとは不釣合いな感が否めないパズル系ステージ(失敗した時のフォローが何一つ無いのも嫌らしい)
◆悪い意味で破綻してるも同然なゲームバランス(主にパズル系ステージ)
◆前半パズル系、後半からアクションシューティング系が占めるようになる理に適ってないステージ順列
◆チマチマとしていて逆に見ずらいグラフィック(敵弾の小ささとか致命的)
◆システムの都合上、やや認識精度の悪さも目立つ『サウンドロード機能』
▼Review ≪Last Update : 12/31/2008≫
だから…こんなの望んでない…。

何でトレジャーの続編っていつもこうなの…。


NINTENDO64、ドリームキャストで発売され、数百発のミサイルが飛び交う恐るべき2D描写と狂気に富んだ世界観で根強いファンを獲得したトレジャー製作のアクションシューティング『爆裂無敵バンガイオー』の続編。

自分で目標意識を持てない人なら耐え切れない、極端に好みの分かれる迷作だ。

グダグダ語る前に言ってしまうが、今作はNINTENDO64とドリームキャストにてリリースされた前作とは完全な別物。システム周りこそ、前作のものを踏襲しているが、肝心の内容がオーソドックスなステージクリア型アクションシューティングゲームじゃない。『自己開拓型アクションシューティングゲーム』とでも言うべき、かなり異端な内容となっている。
そもそも今作、近年のアクションゲームではザラである「プレイヤーが最終的に目指す目標」と言えるものが何一つ設定されてない。遊べるステージを増やしていく為に一つ一つを攻略していくとか、悪の親玉の野望を阻止すると言ったストーリーと言った要素は全く無く、プレイヤー各自が自由に目標を立て、それに取り組みながら楽しむという、無理矢理言えば『ゲームと言う名の玩具』みたいな作りでまとめられてしまっているのである。
そんな『玩具』としての作りに終始しているが故に、今作ではあらゆる要素の仕様が他のアクションゲーム、更には前作とは劇的に異なる。ストーリーも無ければ攻略要素も無いから、収録されてるステージは最初から全部が遊び放題となっているし、オールクリアによるエンディングなども無い。更にステージもセレクトボタンを押すことで表示できる『エディット画面』を使えば、気に入らない敵を削除できたり(!)、プレイヤー自身を無敵状態にすると言った事が自由に行える作りとなっている為、真面目にきっちりプレイする必要性なども皆無。
じゃあ、別に無理して遊ばなくても良いじゃん!そう言いたくなるほど、全てが(良い意味でも悪い意味でも)適当。まさに『玩具』であるとしか言い様の無い、ゲームに終始してしまっているのだ。もうこの基本的な作りからして、今作がロクヨン他で発売された前作をやりこんだプレイヤーの方にとっては期待ハズレも同然な内容であるのが痛いほどお分かりになっただろう。そして、前作とは完全な別物だという事も。一つ一つのステージをクリアしていくシンプルな楽しさも無ければ、狂気染みたストーリーも無い。全てが自己管理。熱心なプレイヤーならばそのあまりの変貌振りに、「何でこんなのにしちゃったんだよ!」と悲鳴にも似た怒りがこみ上げてきてしまうのは避けられないだろう。
純粋に一つのゲームとしても、極端に好みが分かれるものであるのは否めない。世間一般のアクションゲームのように、一つ一つのステージを攻略していく楽しみは皆無も同然だし、プレイの動機付けとなるストーリーも無いから、本当に自分で目標意識を持って遊ばないと、直に賞味期限が切れてしまう。「何かに縛られてプレイしたい」という強いこだわりを持つ方ならば、確実に開始数十分程度で飽きが来るのは避けられないだろう。
結局のところ、今作が楽しめるユーザーというのはできる限り遊び倒してやるぜ!という強いポジティブな志向が持てる方、暇つぶし程度にやりたいと思える方ぐらい。真面目に最後まで遊び込もうとするゲーム好きの方、前作に魅了された方ならば十分持つのもどうかと言った所と、本当に好き嫌いが分かれる。シンプルに面クリアの醍醐味も味わえなければ、前作のようなノリも味わえない…確実に楽しめるのは極僅かな人ぐらいと限りに限りまくり。
本当にこれは完全な玩具。バンガイオーを名乗るには不釣合いなゲームとなってしまっているのである。純粋にゲームとしても、賛否が極端に分かれる作りとなっているから尚のこと。普通にシンプルなアクションシューティングに終始すれば良かったのに、どうしてここまで賛否の分かれるものにしなければならなかったのか。その意図が全く持って謎だ。

メインシステムだけでなく、その他の要素にもそんな極端に好みが分かれる試みは沢山凝らされてしまっている。
例えばプレイヤーが操る自機ことバンガイオーだが、攻撃アクション周りの操作がやたらと複雑。XとYに通常武器二種類、LとRにEX武器(いわゆるボムみたいなもの)二つを装備と、極端にDSのボタンを使わせようとする試みが成されてしまっていて、いま一つ直感的に自機が操作できないのがもどかしい。辛うじて、何度か練習を積む事によって思うような操作ができるようになっていくバランスになってはいるが、無闇にボタンを使わせるような事は避け、極力シンプルにまとめられなかったものかと悔やまれる。
バンガイオー最大の売りでもある『全方位カウンター』(100発以上のミサイルを放って敵弾を跳ね返す)も、全方向(360度)に発射したい際は十字キーをニュートラルにしなければならない(十字キーを押したままで放つとその方向に発射してしまう)など、やや煩わしい仕様なのが惜しい。こういう要素も果たして導入する必要だったのどうかが疑問だ。普通に全方向に放てる仕様の方が、プレイの面でもかなり気持ち良かったと思うのだが…。
また、このバンガイオーの操作をレクチャーしてくれる『チュートリアル』の作りも総じて適当。何故か、このモードだけキャラクターの会話がある(それでもストーリーは無い)のだが、前作で好評を博した緩い漫才を残そうと思ったのか、その会話内容は操作解説よりもネタ会話中心で、何一つプレイヤーの為の構成になってないのが実に腹立たしい。
しかも、そんな会話にこだわり過ぎたが故に肝心の解説自体も抽象的過ぎであり、結局何を言っているのかいま一つ分からないのも致命的である。仮にもチュートリアルで、何でそんな本質とは関係ない事にこだわる必要があったのか。そんなにも会話に懲りたければ、普通にストーリーを組み込めば良かったのに。本当、この辺の適当さには呆れるばかりだ。説明書以上にチュートリアルが役立たないだなんて、普通に考えてあり得ない。
そしてバンガイオーを操ってプレイするステージの構成も、総じて無茶苦茶さ全開であり、お遊び感覚で作られた場所ばかり。それはそれで面白い(特にマリオっぽいステージがあるのは必見)のだが、お世辞にもバランス的にまとまってない場所が多く、悪い方向へ作用してしまっているのがあまりに痛い。特にアクションシューティングという基本ジャンルから大きく逸脱した、パズル要素の強いステージとピンボールのようなステージの面白味と爽快感の無さは致命的。何故にまたこんなステージを入れる必要があったのか、全く持って謎だらけだ。しかも、全てのステージを攻略する目的でプレイする場合、そんなステージもやらねばならないのだからなおの事。まさに二次災害である。
更にステージの並び順も無茶苦茶。全部で160ものステージが用意されているのだが、前半の49面まではそんなパズルやピンボールなどのギミックステージがメイン、50面以降からアクションシューティングらしいステージがようやく中心になるなどと、まとめ方があまりにがさつ。そもそも、前半にゲームの肝とも言えるステージを一つもセットせず、後半にそう言ったステージを詰めるという方針からして大損してる。そんなどうしようもないステージを最初の方に詰めきれば、順番にステージを攻略していくプレイヤーが今作の事を勘違いしかねないではないか。おまけにその勘違いによって「これ以上面白くなる事も無さそうだ…」と、リタイアしてしまう人も、これでは出てしまうのも必至ではないか。どうして肝ともいえる面白さを最初から楽しませようとさせなかったのだろうか。
本当に、この辺の並び順に関しては適当を通り越して手抜きも同然である。これで互いのステージが交代交代で出てくる並びならば、こんな不快感も少なかっただろうに。その辺に神経を配らなかったのは、ただひたすらに惜しいの一言だ。
それでも、各要素はちゃんと考えられて作られているのは確か。操作は複雑ではあるが、各ステージは装備した武器によって色々な攻略法が試せたり、『ソード』、『バット』と言ったプレイスタイルを根本的に変える新しいアクションも、ステージ攻略に程好い奥行きを加えている。全方位カウンターの爽快感も格別であり、100発ものミサイルが飛び交う怒涛の映像美は流石はトレジャーと言わんばかりのインパクトに富んでいて、ただ撃つだけでも楽しいぐらいだ。
しかし、そんな面白い箇所があったとしても、各要素の癖の強さに変化は無し。結局、システムの方と同じく、前作を楽しんだ方も初めての方でも好みが分かれる出来に終始してしまっているのにはただひたすら、「どうして…?」という疑問が浮かんでくるばかりである。繰り返しになるが、ここまで癖を強めず、シンプルに楽しめるものであれば本当にゲームとしては悪くなかったのに。何で、こんな風にしなければならなかったのか。

その他、ゲームバランスも各所と同じように適当なテイストが出てしまってるのがもどかしい限り。特に先ほどに紹介したパズルやピンボールのステージのバランスの悪さは顕著で、少しでも誤った操作をすれば直にクリア不可の詰み状態になる(リタイアせざるを得なくなる)など、細かいフォローが成されてないのが全く持って解せない。
そもそも、詰み状態を避ける為にそう言ったフォローを施すのはある種、当然の行為であるのになんで何もセットしないのだろうか?幾ら適当だからとは言え、流石にこの辺はプレイヤー視点欠落し過ぎとしか言い様が無い。
更にグラフィック周りも主にバンガイオーを初めとする、キャラクター周りのドット絵が極端に小さいなど、見え難いものとなってしまっているのがもどかしい。特に敵弾の小ささは致命的であり、そのせいもあって「何故かやられてしまった!」みたいな事故が時々起こる。これもまた先のバランスと同じようにプレイヤー視点欠落し過ぎである。あんな小さな弾をどうやったら、はっきりと視認できるのか…。せめてあと2ピクセルぐらいはサイズを大きくして欲しかったところである。折角、音楽や演出周りは頑張っているのに勿体無いばかりだ。あの小さなグラフィックも確かに味といえば味だが。

とにかく、全てにおいて極端に人を限る(おまけに合わない人に露骨な嫌悪感を煽る)作りに終始してしまっている今作。好きなステージを自由に創造できる『エディットモード』に、音楽データでステージを配信する『サウンドロード』機能など、大変魅力的な要素も沢山あることはあるのだが、それでも万人受けするものであるとは到底言い難い。
前作の売りも味も何も無し。システムの癖強し、ステージ構成からアクション周りの癖も極端に強し、そして総計ボリュームも人によって異なるなど、まさにブルーチーズ並みに好みを分ける作りのこの『バンガイオー魂』。
出来自体は決して駄作というわけでは無いが、正直言ってエディットや自分で進める気楽なゲームが好きなプレイヤー以外には全く持ってお薦めはできない一本だ。前作のバンガイオーが好きだった方とかは尚のこと。あの独特のノリとかは無いも同然なので、くれぐれも気をつけて欲しい。 本当、何でトレジャーが作る続編は、ユーザー(特に前作を遊び込んだプレイヤー)の求めるものと決定的にズレたものばかりなのか。謎だ…。
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