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≫Contra 4
■発売元 KONAMI
■開発元 WayForward Technologies
■ジャンル アクションシューティング
■ESRB Teen(13歳以上対象) ※出血、暴力、殺傷描写あり
■定価 19.99ドル
■公式サイト ≫こちら ※音が鳴ります
▼Information
■プレイ人数 1〜2人
■セーブデータ数 管理1つ+中断1つ(※フラッシュメモリバックアップ)
■その他 DSワイヤレスプレイ対応、国内版ニンテンドーDS本体でも動作可能(※ニンテンドー3DSでも動作可)
■総説明書ページ数 29ページ
■推定クリア時間 1〜2時間(エンディング目的)、15〜20時間(完全攻略目的)
エイリアン戦争から2年後。平穏を取り戻した地球に『ブラックバイパー』なる侵略者が襲来。人類を抹殺し、地球を支配しようと無差別攻撃を開始した。
再び苦境に立たされた人類。各国首脳はかつてエイリアン戦争を終結に導いた英雄ビル・ライザー少佐とランス・ビーン少佐、そしてマッド・ドック、スコーピオンの4戦士達、魂斗羅チームをブラックバイパー討伐に当てる事を決定する。

彼らに与えられた任務は唯一つ、ブラックバイパー達を殲滅し、その中枢を破壊する事。
再び、魂斗羅と侵略者との熱き戦いが始まる…。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆魂斗羅らしい豪快さとDSならではの味が発揮された、二画面ぶち抜きのステージ構成
◆二画面ぶち抜きならではのアイディアが満載の演出(異様なほどにデカいボスは必見)
◆今時珍しい、ステージを次々とクリアしていくだけの単純且つ分かり易いゲームシステム
◆同じく今時珍しい、シビアな一発アウト制(少しの油断が事故に繋がる緊張感!)
◆次々と現れる敵を倒していく快感を押し出した、初代魂斗羅の香り漂うゲーム性
◆銃を撃ちまくる快感とキャラを動かす楽しさを徹底した、抜群の操作性
◆繰り返し挑戦する事で自らの腕の上達振りを実感できる、絶妙なゲームバランス
◆癖の無い快感を追求した、シリーズ随一の使い易さを誇る多彩な武器群
◆課題を攻略していくチャレンジにおまけ等、充実したゲームモード群
◆シリーズ生誕20周年記念作品ならではの過剰なオマージュ演出とおまけ要素
◆懐かしいフレーズと音源が炸裂する、昔のコナミサウンドを思い起こさせる熱い音楽
◆滑らかなアニメーションと鬼のような描き込みが目を見張る、美麗なグラフィック
◆シリーズ経験者のトラウマを蘇らせる、20年ぶりに復活した3Dステージ(必見!)
◆残機を奪い合う元来の面白さを追求した、ワイヤレスによる白熱の2人同時プレイ
◆達成感を大いに煽る難易度ノーマル以上でのエンディング(まさにゲームでしか味わえない感動がある)

--- Bad Point ---
◆二画面ぶち抜き故に上画面と下画面の境界線に敵が隠れると、不意打ちを喰らい易い(だがバランス調整が行き届いてるので、理不尽に感じる事は全く無い)
◆配置の狭さ故に誤作動を起こし易い、『武器を捨てる』ボタン(Aじゃなく、Xが良かった)
◆決して理不尽ではないが、アクション初心者には厳し過ぎる感のあるゲームバランス
◆自己主張が強過ぎる為、敵弾が同化する欠点を持った背景グラフィック(特に滝が酷い)
◆個々の特徴が無い為、あまり意味を成してないキャラクターセレクト
◆やかまし過ぎるデフォルト音量(ゲーム中に音量調節オプションとかあって欲しかった)
▼Review ≪Last Update : 3/8/2008≫
昔の単純なアクションゲームが大好きで仕方なかった方々へ。

遂にその正統なるDNAを受け継ぐ作品が、ニンテンドーDSに参上です!


ハードの限界を超えた豪快な演出と単純且つ爽快なゲーム性で、多くのアクションゲーマーを虜にした、コナミ製作のアクションシューティングゲーム『魂斗羅(コントラ)』シリーズ最新作。開発はWayForward Technologiesという海外のデベロッパーが担当。シリーズではゲームボーイ版『魂斗羅スピリッツ』以来の外注作品となる。

単刀直入に断言する。これぞDS史上最高にして、究極の2Dアクションゲームだ。

……と言っても、海外の外注製作と聞いちゃ、シリーズファンならば不安になるのが常。
しかし!しかし、しかし、しかし!
遊んでみれば、それは全くの杞憂で終わる。
それどころかむしろ、「この外注はどんだけ魂斗羅と2Dアクションの事を理解してるんだよ!?」と返って圧倒されてしまうだろう。それほどまでに本作は魂斗羅として、そして1つの2Dアクションとしての完成度が飛び抜けているのだ。
もはや国内でリリースされている他の2Dアクションなど、「生ぬるい」と言っても良い。
そんな本作の肝心のゲーム内容に関してのあらましだが、基本的には昔懐かしい香り漂う、オーソドックスなステージクリアタイプのアクションゲームで、プレイヤーは主人公を操作し、目前に現れる敵を多彩な銃器で文字通り「虫けら」の如く倒しながら、個性豊かなステージを攻略していくという、過去の魂斗羅シリーズに準じた作りとなっている。
だが、ただ懐かしいだけの内容ではない。DSという特異なハードならではの味を出す為、本作では新要素として『二画面ぶち抜きステージ』なるものを導入。全ステージ(一部除く)が文字通り、上下二つの画面を「ぶち抜いた」、史上類を見ない豪快で無茶苦茶な構成となっているのだ。その為、今作では二つの画面を介したバトルが展開。敵の攻撃も一画面に留まらず、上下から問答無用で飛んでくるのである。これを聞くだけでも無茶苦茶でDSならではのアイディアとしても安易、それでいて遊び難そうで理不尽な感が拭えないが、そこを今作は緻密なバランス調整と巧みなマップ構成によってカバー。意外にも、ほとんど違和感を感じる事なく、変にストレスを感じる事もなく遊べてしまう。二画面の行き来を円滑にする『グラップリングフック』なる移動手段も用意されており、ワリとスムーズに事が進んでいく為、テンポが損なわれる事も全くあらず。見た目の無茶苦茶さに反し、実際は驚くほど遊び易い作りとなっているのだ。
また、この二画面ぶち抜きだからこそのアイディアも満載で、例えば強制スクロールステージでは急に上から下に切り替わって状況が一変したり、二画面の約80%を埋め尽くす超巨大なボスが出てきたりと、常に遊び手に新鮮でDSらしい驚きを提供してくれる。特にこの画面構成だからこそ実現した、2Dアクション史上最大級とも言えるラスボス(?)の異常なデカさは必見。誰もがそのデカさに思わず、絶望した!…もとい、してしまうだろう。
ぶち抜き故に、上画面と下画面の境界線に敵が隠れてしまうと、不意打ちを喰らい易いという特有の欠点もアリはするが、全体的にはDSならではの新しさをフルに引き出しており、如何にスタッフが真剣にこのテーマに取り組んだかが伺えてくる。加えてそれが、魂斗羅シリーズの醍醐味である「豪快さ」を助長させ、シンプルな2Dアクションも見せ方を変えればここまで面白く、新鮮なものになるという可能性を打ち出しているのには頭が下がる限りだ。
これこそまさに、新しさと懐かしさの融合。上画面をメイン、下画面を情報画面なんて役割を区分してた他のDSのアクションゲームとは格が違う。本気で二つの画面を介したDSならではの刺激を興奮を楽しめる、アクションゲームに今作は仕上がっているのだ。「生ぬるい」と先に発言した訳も、これで分かるだろう。とにかく、DSらしさ全開なのである。

また、DSらしさのみならず、魂斗羅らしさも全開。二画面ぶち抜きならではのアイディアもそうだが、それ以外でも今作では随所でシリーズらしいこだわりが炸裂している。
その中でも特に秀逸なのが、今作のゲームバランス。アーケード版やファミコン版の初代『魂斗羅』を思い起こさせる、次から次へと現れる敵をマシンガンなどの銃器で倒しまくる爽快感に重きを置いた、原点回帰とも言える調整が成されているのだ。行く手を遮る中ボスが現れる、シリーズ第三作目『魂斗羅スピリッツ』を思わせる場面も道中、幾つか用意されているがその量はスピリッツと比較すると微少。大きな敵と戦うスリルよりも、自らを倒そうと必死に迫ってくる雑魚敵達と戦うスリルを徹底的に追求しているのである。
スピリッツ以降のシリーズが、本編の約半分を巨大なボスとの戦いに費やす傾向に陥っていただけに、このバランス回帰は実に良い判断だ。結果として、シリーズのアクションゲームとしての面白さが蘇り、マシンガンなどの武器を撃って敵を倒すだけでも楽しいと感じられる本当の意味での魂斗羅らしさまでも帰ってきた。昔の魂斗羅が好きだった方にとって、これには感動する以外、何もできないだろう。本当に今作では、初代っぽいドンパチが楽しめてしまう!シリーズ原点の面白さが炸裂しているのだ。
更に今作はシリーズ生誕20周年作品という事もあり、ファンならば思わず「ニヤッ」としてしまうオマージュも満載。ステージ1の舞台が初代魂斗羅と同じジャングルだったり、懐かしい要塞ゲート(ボス)が出てきたり、3Dステージが本当の3Dになって復活などなど、いずれも強烈なものばかり。その一つ一つを探すだけでも、至福のひと時を楽しめてしまうだろう。最も注目なのは何と言っても3Dステージ。20年の時を経て、最新の技術と共に復活したこのステージは、今作でも貴方に恐怖のトラウマを植えつける事でしょう(笑)。
他にも、過去のシリーズから継承された一発アウト制と否が応にも「武器を失っちゃヤバい!」という神経を増長させる一発ミスによる、武器ロスト制、クレジット式コンテニューシステムなど魂斗羅らしさを煽る要素は盛り沢山。何処を触っても「こりゃ立派に魂斗羅してる!」と感じてしまうそのクオリティの高さは、それまでのシリーズに一切関与した事の無いソフトハウスのスタッフが手掛けた作品とは思えないほどなのである。
そこまで今作は、ゲームバランスやサービス面も踏まえて、シリーズの基礎をガッチリと堅持。外伝と呼ぶだなんて失礼千万、これぞ正真正銘、誰もが求めていた正伝とも言うほど、魂斗羅らしさ全開の作りとなっているのだ。
これほど言ってもまだ、「そんなの嘘だろ?」と勘ぐっている方はいるだろうと思うが、繰り返しになるけど全て本当だ。実際に触ったら、シリーズ経験者なら間違いなく驚くだろう。それはもう、目玉が飛び出るぐらいに。

この他、ゲームモード、おまけ要素も充実。メインの『アーケードモード』以外にも、様々な課題をクリアしていく『チャレンジモード』や過去のシリーズのアートワークなどの資料を閲覧できる『ミュージアム』、ファミコン版の初代『魂斗羅』と『スーパー魂斗羅』が遊べてしまう『クラシックコントラ』など、遊び応え・見応え共に満点だ。
更に操作性とシステムも上質な出来。基本はスピリッツのものを踏襲しているのだが、全体攻撃武器のボムと乱れ撃ちの廃止、変わって武器が二段階方式にパワーアップする方式に変更、武器を捨てるボタンの追加など、より洗練されたものに改善されている。特にボムが廃止され、ゴリ押しが滅多に通用しなくなった点は、アクションゲームとしての魅力を底上げするのに一役買っている。
難易度バランスも秀逸。かなり難しめだが、繰り返す度に自分の腕の上達を実感できる、理想的なバランスを維持している。難易度選択システムにより、初心者と上級者、多様なユーザーに対応した仕様が盛り込まれているのも見逃せない。
グラフィック、音楽も圧倒的な完成度。特に音楽は突出しており、かつてのコナミサウンドを髣髴とさせる熱過ぎる名曲(ステージ1の曲の出来は異常!)が多数、収録されている。歴代シリーズの曲のフレーズを取り入れた、サービス曲も盛り沢山で、先のオマージュと並行してファンなら大いに楽しめること、間違いなしだ。

ともあれ、ぶち抜き故に見えない二画面中間の境界線とか、アクション初心者には厳しいと言わざるを得ない難易度、キャラクターセレクトシステムの無意味さ、微少ながらもドット欠けのバグがあるなど、細かな欠点もチラホラとあるが、全体的な完成度は魂斗羅シリーズとしても、一つのアクションゲームとしてもずば抜けて高い。
シンプル且つ熱いゲーム展開とシステム、二画面ぶち抜きによる斬新なステージ構成、ファン涙モノのゲームバランスとオマージュと、見所満載・面白さ満載のこの『Contra 4』。
海外のデベロッパーが携わった外注作品という姿を持ちはするが、完成度の高さは折り紙付き。シリーズ経験者やファンは勿論のこと、古き良き時代のアクションゲームが好きで仕方がなかった方には文句無しにお薦めの逸品である。DSという二画面ハードがもたらした、2Dアクションゲームの奇跡をその目で見届けよ!

なお、今作は『魂斗羅Dual Spirits(デュアル・スピリッツ)』というタイトルで、国内では3月13日(木)に発売された。内容は本作(海外版)とほとんど変更が加えられていませんので、気になる方はこれまでのレビューをご参考ください。
繰り返しになるけど、ほんまに2Dアクションゲームが好きなら買って損は無い逸品です。
むしろ、好きなら絶対やるべし。(断言)
近年では稀な「難しくて面白い」、正統派2Dアクションの世界へレッツゴーだ!
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