Written in Japanese. Japanese fonts required to view this site / Game Review & Data Base Site
  1. ホーム>
  2. Review Box>
  3. Nintendo DS>
  4. 英語が苦手な大人のDSトレーニング えいご漬け
≫英語が苦手な大人のDSトレーニング えいご漬け
■発売元 任天堂
■開発協力 プラト
■ジャンル 英語トレーニング
■CERO A(全年齢対象)
■定価 3800円(税込)
■公式サイト ≫こちら
▼Information
■プレイ人数 1〜8人
■セーブデータ数 4つ(※フラッシュメモリバックアップ)
■その他 DSワイヤスプレイ&ダウンロードプレイ対応
■総説明書ページ数 48ページ
■推定クリア時間 5〜8時間(エンディング目的)、完全攻略の場合は測定不能
世界共通語でもある、英語。
しかし、それらを勉強するのは結構大変だし、意外と覚え難い…。
そんな英語を諦めている貴方、この『えいご漬け』でリベンジしてみませんか?
▼Points Check
--- Good Point ---
◆タッチペン操作のみの極めてシンプルで快適な操作性
◆全部で3000問以上もの充実した問題総数(英単語も同じ位の数をカバー)
◆パッと楽しめ、パッと止められる作りでありながら、先を極めると止め時を失う奥深さ(ただ、止め時のバランスが…)
◆視力の悪い方も考慮した、大きめかつ見易い文字フォント
◆ゲーム全体の空気を一変させる、『大合奏バンドブラザーズ』からのゲストキャラ、バーバラ(彼女のおかげで、本作は辛うじて首の皮一枚を繋ぎとめた…)
◆同じく、通常とは異なるトレーニングが楽しめる『バーバラコーナー』。
◆書き取りハーフマラソン、ネズミ捕りなど、英単語を効果的に覚えられるように設計されたミニゲーム(出来は…)
◆英語の教科書と言わんばかりの独特の雰囲気に満ちたグラフィック
◆奇妙な浮きっぷりを見せる、ハーフマラソンのランナー(喜ぶ時の動作が…)
◆発声練習トレーニング時の一枚絵(シュールさ大爆発)

--- Bad Point ---
◆英文法サポートが皆無(初心者お断りというのが実に苛立たしい…)
◆完全に自己管理で進行させねばならないトレーニングと、プレイヤー心裡を完全に無視した配慮の数々
◆最初から全ての問題がオープンしてしまっている(全部という訳ではないが…)
◆『英語力判定』の評価法があまりにも直接的過ぎて萎える
◆上に同じく、『英語力判定』が一日一回しかできない(しかも中断すると二度とプレイできなくなる。酷過ぎる!)
◆全然、気持ち良さが無い、手書きの手応え(効果音に問題あり)
◆睡眠を誘う音楽(タイトル曲やメニュー画面の曲は悪くないのだが)
▼Review ≪Last Update : 12/31/2006≫
誤魔化しは見抜かれる。

バーバラ様の耳は普通の耳じゃない。


パソコン用ソフトとしてプラトから発売された英語トレーニングソフト、『えいご漬け』をニンテンドーDSに向けにリニューアルした作品。Touch!Generationsシリーズの第10弾としてリリースされた。

残念ながら、Touch!Generationsシリーズの知育ゲームの中では悪い出来。『脳を鍛える大人のDSトレーニング』のようなゲーム的な味付けが皆無と言っても良いほど、勉強ゲームとしての味が強いゲームだ。

ゲーム内容は、タイトルの通りだが、英語トレーニングゲーム。ディクテーションという、耳で聞いた英文を聴き取り、それを書いていくという異言語習得法の中では特に効果がある学習システムを採用した内容となっている。
トレーニングの操作は全て、タッチペンによる手書き操作だけで行われるものとなっており、解説も沢山収録されているので、基本的に説明書を読む必要は無い。
Touch!Generationsシリーズならではの簡単操作を本作でも堪能する事ができる。

しかしながら、本作は実に退屈な内容だ。収録されているトレーニングはディクテーション問題をひたすら解いて行く基本トレーニング、そして英語を題材にしたアクションゲーム(?)、クロスワードパズルなどが楽しめる『マイドリル』、そして『英語力判定』が主体となっているのだが、残念ながらどれもこれも、プレイヤーの意欲を沸き立たせる配慮に欠けている。
特に、基本トレーニングはとにかくダルイ作り。
全部で3000問近くの問題があり、総ボリュームこそ及第点レベルなのだが、これが何と問題をする量は自己管理。つまり、自分でやりたい問題の数を調節…例えば、今日は5問だけやる、というように自分でプレイ量を管理していかなければならないのである。「今日はこの辺にしておきましょう」みたいなゲーム側からのアドバイスも一切無し。「実はこうなんですよ〜」みたいな、プレイヤーの心理などまるで無視したかのような冷めたコメントしか発してくれない。更に、スコアアタックなどのおまけ要素も無い(別のモードには収録されている)ので全くゲーマーには闘志が湧いてこないのが痛過ぎる。
しかも、最初から全ての問題がオープンしているのだから、毎日続ける気力も湧かない。
元々、これは英語ドリルのソフト、ゲーム的要素など邪魔なものは要らないのだ、と言われればそれでお終いだが、個人的には任天堂が手掛けたゲームだけに、その辺りの配慮のなさがとても悲しく感じるのだ。
「英語を諦めてませんか」と、パッケージで「諦めてる方でも続けられますよ」と煽ってるくせに、この内容じゃ相当な気力が無い方じゃないと最後まで持たないよ。
あと、一つのトレーニングにかかる時間も、後半になるにつれてどんどん間延びしていくのも気になる。しかも、最後の最後まで似たような問題が続くのだからしんどい。この辺りをどうにかする事は出来なかったのか?

トレーニング以外の『マイドリル』、『英語力判定』の作りも正直、微妙だ。前者は『書き取りハーフマラソン』、『書き取りネズミ捕り』等の英単語の書き取りを遊びにしたゲームモード等があり、そこそこ楽しめる作りになってるのだが、如何せん、どれも熱さに欠ける。いずれのゲームも、高記録を出せば何時でも保存されるシステムを採用してしまってるのが、熱さを冷まさせている原因と言える。
後者の『英語力判定』はそれとは逆。自分の英語力がどれ位のものなのかの判定をするモードなのだが、一日一回しか判定が行えないとか、途中で中断するとその日は二度と判定が出来なくなるなどの致命的欠陥があるのだ。これは痛すぎも良い所。特に、中断したら二度と出来ないというのは最悪の極み。何で、こんなトイレとかの都合で席を外す事になったユーザーを冷たく足払う要素を取り入れたのか。全く持って理解に苦しむ。
判定の評価が、AとかEなどのやたら直接的な表現になってるところもキツイところだ。まぁ、学習ゲームなので、この辺は止むを得ないと言えば止むを得ないが、『脳を鍛える大人のDSトレーニング』のように、もう少し優しい表現などはなかったのだろうか。できれば、そういう優しい表現を考えて頂きたかった。

その他、英文法のサポートが皆無だという事にも不満を感じる。これじゃ、初心者の方はお引き取りください、経験者おいでませ、じゃないか。何でこんな、今の格差社会を象徴するかのような配慮をしたのか。
ペンで文字を書く気持ち良さが無いのも厳しい。ボソソソ…とかシャシャ〜と言った音が流れるのもあって、あまり良い気にならない。ただ、文字認識が良好なのには救われる。だが、アルファベット「f」だけやたら反応が悪いのが気になるが…。個人差なのかもしれないけど…。
また、音楽もダルさがあるのには閉口。特にトレーニングを選択した後の画面で流れる曲は、睡眠ミュージックと言わんばかりのダルさで眠気を誘う。折角、他のメニューはノリノリの曲にしてるというのに…どうしてそれに統一しなかったのか。
キャラクター面も何か変なノリで、センスを疑う…。決して悪いものではないのだが。

でも、このゲームには一応の救いがある。それはバーバラの存在、もとい、バーバラ様の存在。本作では彼女がゲストキャラとしてゲーム中に登場しているのだが、彼女が登場する事によって、本作のダルさは若干ながら改善されるのだ。緩いムードが、突然刺々しいものになるような感じで。全く持って、彼女がいなければ、本当に本作はヤバい粋に達してたと思う。まさに、バーバラさまさまとはこの事。
特に彼女が登場した後にプレイできるようになる、英語に慣れた上級者でもきつい、『バーバラのいじわるディクテーション』は妙なノリと軽さがあって楽しい。こう言うノリを本編にも取り入れてくれれば…とつくづく惜しまれる。いっそ、バーバラのえいご漬けとしていたら、相当面白いものになっていたと思う。言っておくが、冗談ではなく、本当にそう思うのだ。

とにもかくにも、バーバラ様の救いもあって一応の面白さは出てるものの、残念ながら総合的にはTouch!Generationsシリーズの中では低い水準の出来の本作。英語未経験者、並びにゲーム経験者とかには色んな意味でしんど過ぎる設計なので、絶対にお薦めできない。どちらかというと、本当に今、英語をどうにかしたいという学習意欲に燃えに燃えている方向けのゲームだ。そういう方にはまさに打って付け。
ダルい展開も何のその。全く気にならずに楽しめるだろう…と、私は思う。
また、中学生や高校生の英語の勉強のお供にもなるので、そう言った方々にもお薦めだ。
≫トップに戻る≪