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≫マリオ&ルイージRPG2
■発売元 任天堂
■開発元 アルファドリーム
■ジャンル ブラザーアクションRPG
■CERO A(全年齢対象)
■定価 4800円(税込)
■公式サイト ≫こちら
▼Information
■プレイ人数 1人
■セーブデータ数 2つ(※フラッシュメモリバックアップ)
■その他 4800円(税込)
■総説明書ページ数 28ページ
■推定クリア時間 10〜19時間
スターの光すら届かない、暗闇の彼方に浮かぶ無気味な星。
その星に生息する住民達が、新たなる居住地を求め、1つの平和な星に狙いを定めた…。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆全4人のキャラクターを全くてこずる事無く、自然に操れる快適な操作性
◆ニンテンドーDSの2画面機能をフルに活かした、2画面マップと全体マップ機能
◆タッチ操作などDSらしさをあえて無視し、ボタン操作に特化した潔さ
◆行ける場所が極端に限定化された事もあり、進行がスムーズになったゲーム展開(しかし、これは悪い部分でもある)
◆4人のキャラクターの特性、そして身長差を十二分に発揮したフィールド構成と戦闘
◆攻略本が無くても詰まる事無く、確実に解ける事ができる謎解き(前作よりも嫌らしさが緩和され、やり易くなっている)
◆充実したチュートリアル(新アクションなど、事細かに解説してくれる)
◆2Dグラフィックと3DCGを融合した、何処か懐かしくて新しいグラフィック
◆マリオシリーズらしいノリの良さと、らしくない重厚さが増した、秀逸な音楽
◆前作よりも大きくなり、読み易さが増した文字フォント
◆前作よりも若干ながら、扱いがまともになったルイージ(でも、まだまだ…)

--- Bad Point ---
◆面白さ皆無のバトルシステム(アイテム制にしたのは大失敗)
◆無意味なダークさとSFのタイムスリップネタを愚弄した描写が酷いシナリオ
◆扱いはまともになったものの、やはり身勝手な解釈の目立つルイージの描写
◆行ける場所の限定化で、致命的に欠落した自由度(フィールドがなくなったのが痛い。)
◆手軽さと面白さにかけるミニゲーム(4人にした事が仇になった…)
◆丁寧とは言え、カットできる配慮が無いのは如何かと思うチュートリアル
◆先の展開をネタバレしてしまっている、大問題の2画面全体マップ機能
◆無駄に長いボス戦(その為、今作のゲームバランスはあまり良いとは言い難い)
◆全然、面白く無く、返ってストレスの溜まるラスボス戦(操作させろ…)
▼Review ≪Last Update : 12/31/2006≫
◆←◇→☆※★<@▼■⇒△!!

(解読不能)


兄弟アクションRPGの名に相応しいゲームシステム、シリーズファンへのサービスに溢れた演出とノリのいいシナリオで好評を博しつつも、ルイージに対する勝手な解釈で物議を醸した『マリオ&ルイージRPG』の続編。製作は前作と同じ、元スクウェア『スーパーマリオRPG』の制作スタッフが集うソフトハウス、アルファドリームが担当。

相も変わらずの、ルイージに対する身勝手な解釈。
更にゲームシステムにシナリオ、ノリ共に前作以上に劣化してしまった問題作だ。

基本的なゲームシステムは前作と同じ、イベントクリア型のアクション要素を取り入れたロールプレイングゲーム。しかしながら、前作とは進行形式面で大きな差異がある。それは、行ける範囲が極端に限定化された事。
今作では、過去と現在を行き来しながらゲームを進めていく事になるのだが、何といずれの世界にもフィールドマップが一つも存在せず、現在に至ってはキノコ城の局地マップのみ、更に過去の世界もキノコ城に点在する『タイムホール』から行く事の出来るエリアに限定されてしまっているのである。これにより、今作では自由度が前作以上に低下。しかも、寄り道要素であるミニゲーム、サブイベントもほとんど無くなり(ミニゲームイベントに至っては強制イベントに)、完全に一本道となってしまっている。前作が迷い易かったからこうした…のかもしれないが、いくら何でもこれは狭くし過ぎである。しかも、いずれのエリアのマップも到着すると直にエリア並びにダンジョンの攻略がスタートし、世界の隅々を探し回る事ができない。何という窮屈さ!アクションゲームじゃあるまいし、何で自由に世界を歩きまわせてくれないのか!一応、エリア内は自由に歩き回れるけどさ。そういう意味で今作の世界に浸れる没入度というのは激しく低レベル。これ、本当にRPGなのかと言わんほど低い。ロールプレイングゲーム好きの方にとっては、まさに憤慨モノの仕様と言えよう。

また、今作ではニンテンドーDSにハードを移した都合と過去と現在を舞台にしたシナリオという事もあり、新たに新プレイヤーキャラクターとしてべビィマリオ、べビィルイージの2名が加えられている。これにマリオとルイージを加えた、計4名で本作はゲームを進めていく事になる。
……はい、第一印象。「メンド臭そう!」
ところが、これが意外にも面倒臭くない。実際、本編で操作する事になるのはマリオとルイージの2名がメインで、べビィ達は謎解きや別行動時のサポートで活躍する機会が多いのだ。その為、これと言ってあまり頭を混乱させる事なく、ゲームを進行させていく事が可能だ。この辺の調整の上手さはさすがの一言に尽きる。
しかし、とは言っても若干の慣れと練習は必要となるので、その辺は留意して頂きたい。
また、この4名を巧みに使いこなす面白さを演出している、フィールドマップの謎解きの面白さもかなりのものだ。この辺りは、前作のセンスの高さを辛うじて残している。
だが、バトルは別。ここだけは4人にキャラが増えてしまった事が仇となってしまっている。基本的に今作も、アクションゲームの回避、タイミングよくボタンを押す事の面白さを取り入れたバトルシステムを採用しているのだが、今回は一つの手順にかけられるボタンの量が多い。何と、前作ではたった1回、ボタンを押せば良かったハンマーのアクションが、2回…しかも別ボタンをタイミング良く押す必然性まで出てしまっているのだ。面倒。
そして、前作でゲームジャンル『ブラザーアクションRPG』の特性を巧みに活かした『ブラザーアタック』は何と衝撃の大劣化!4キャラ共通、更にアイテムストック性というとてつもなく個性のないシステムになってしまったのである。しかも、無駄にボタン手順が長いというおまけ付き。かったるい事この上ない。しかも、例えばマリオは炎、ルイージは雷みたいなそれぞれのキャラの特性が消えてしまったのも痛過ぎる。どうしてこんな無個性でかったるいシステムに改悪してしまったのか。辛うじて、単独行動時のバトルシステムは前作の良さを保っているが…。とにもかくにも、4人にキャラを増やした事は成功か、失敗かと言うと失敗だろう。余計にゲームとしての魅力を落としてるんだから。もう、何をしてるんだか…。

ニンテンドーDSの特性を活かした、2画面マップの出来も微妙。特に現在のマップを表示するシステムは蛇足。思いっきり、先の展開などがネタバレされてしまい、フィールドマップをくまなく歩き回る楽しさがなくなってしまっている。
しかも、これが最後の最後まで続けられるのだからきつい。せめて、数箇所ぐらい、マップが表示されない所とかもあって良かったのではないだろうか。あと、無駄にエリアマップが長い事もちょっと気になるところ…。なんか、これでボリュームを稼いでないかと、ちょっと錯覚してしまう事がある…。
ただ、下手にタッチペン操作を盛り込んでない所は潔くて好印象だ。

そして、前作の良い所でもあったシナリオ…。今回は、はっきり言って全然面白くない。終始、敵であるゲドンコ星人との対決に終始してしまっており、意外な展開などまるでなし。しかも、変に殺伐としていて、ダークな雰囲気すら漂う。
そして、最大の欠点は現在と過去を行き交うタイムトラベルの要素が何一つ活かされてない事だ。登場キャラクターそれぞれの過去の自分との立ち振る舞い等、あまりにも不自然。何故、まるで同業者のように振舞う?そして、過去で起きた事が現在で全く反映されない点もおかしい。というか、何故に現在で行けるのはキノコ城だけなのか?
また、本編中のルイージの扱いも相変わらず酷い。デバッカーの意見で救われたと思われる点もあるが、それもほんの僅かである。何で、ゲームキャラである彼に二次創作(漫画)のルイージという外野の存在を反映させるのか。全く持って、制作者側の神経を疑う。と、同時に今回のシナリオのセンスの無さは異常だ。本当に、あの前作と同じライターが書いたとは思えない。サービス演出の皆無で、どうしちゃったの?、と心配してしまうほどだ。

その一方でグラフィック、サウンドはかなり頑張っている。特にグラフィックは2Dと3Dを効果的に混ぜており、大変綺麗。ボス撃破時のド派手な演出は必見だ。サウンドも前作よりも戦闘曲のノリが良く、通常戦闘、ラスボス戦闘は中々の出来栄え。特にラスボス戦闘の曲はマリオとは思えぬ重厚な曲で、誰もが「これ、マリオのゲームか?」と錯覚してしまうほどの凄さ。是非、ヘッドホン装着による視聴をお薦めする。

でも総合的に見て、作品全体の出来は低レベル。まさに悪貨は良貨を駆逐する。…悪い所ばかりが目立ち、良い所が霞みに霞んでしまっている悲しい出来である。また、制作側の身勝手なルイージに対する解釈も相変わらずで、二次創作作品的な空気があるのも痛い。
自由度も低く、バトルも面白くなく…ロールプレイングゲームとしても致命的。
残念ながら、前作のファンから初心者にはあまりお薦めできない。どちらかというと、熱心なマリオファン向けの作品だ。正直、定価で買うのだけは避けた方が良い…。もし、買うというのならば安売り等で狙う事を推奨する。
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