Written in Japanese. Japanese fonts required to view this site / Game Review & Data Base Site
  1. ホーム>
  2. Review Box>
  3. Nintendo Switch>
  4. Graceful Explosion Machine
≫Graceful Explosion Machine


■発売元:Vertex Pop
■ローカライズ・販売元:架け橋ゲームズ(※翻訳:Iori Honda)
■ジャンル:シューティング / ■CERO:A(全年齢対象) / ■定価:1339円(税込)

◆公式サイト / ストアページ
≫『Graceful Explosion Machine』(My Nintendo Store)
≫『Graceful Explosion Machine』(PlayStation Store) ※PlayStation 4版
≫『Graceful Explosion Machine』(Steam) ※Windows PC版

◆スペシャルコンテンツ
≫『Graceful Explosion Machine』:解説録

©2017 Vertex Pop Inc.
▼Information
■プレイ人数:1人 / ■セーブデータ数:1つ / ■必要容量:319MB /
■対応機器:Nintendo Switch Proコントローラ /
■プレイモード:TVモード、テーブルモード、携帯モード /
■推定クリア時間:4~6時間(エンディング目的)、15~20時間(完全攻略目的)
宇宙科学の発展により、人類が外宇宙進出を果たした未来。
同時に人類を見境なく襲う「エイリアン」の脅威も増大。
彼らに対抗する為の戦闘機の研究・開発も推し進められることになった。
やがて人類は先進的な一人乗り戦闘機「GEM(ジェム)ファイター」を完成。
対エイリアン用の対抗策としての配備を進めるべく、惑星間の高速移動を可能にする「ワープクリスタル」を4つ搭載した大型宇宙船に複数の機体が積載され、地球に向けて航行していた。



だが、輸送船はエイリアンに急襲されて撃沈。
その反動で積載されていたGEMファイターもほとんどが大破。
更には4つの「ワープクリスタル」までもがエイリアンの手に渡ってしまった。



辛うじて襲撃を逃れた一機のGEMファイターとそのパイロットは、奪われた「ワープクリスタル」を取り戻し、地球への帰還を果たす為、エイリアンが逃げ込んだ惑星へと向かう。

かくして、多勢に無勢な戦いの幕が開いた。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆推定数百体のエイリアンたちを単身迎え撃つ、スリリングで取っつき易いゲームルール
◆「パワーゲージ」の使用制限により、戦略的なゲームプレイを演出する全4種類の武器
◆多彩なエイリアンと変化する地形などで、戦闘一辺倒ながらも起伏を表現したステージ構成
◆基本3~5分以内に決着する構成でまとめられた、各ステージの密度
◆総計35以上と、シューティングゲームとは異例の本編ボリューム
◆単調さを緩和し、プレイヤーに刺激を与え続ける要素として機能したコンボシステム
◆コンボを始めとする要素によって、高いやり応えが表現されたスコアアタックのやり込み
◆各惑星の全ステージをコンティニューなしで挑む、スリリングな展開が楽しめる「チャレンジモード」
◆Nintendo Switchの携帯モードとの驚異的な親和性の高さ(スコアアタックを気軽にやり込める)
◆Joy-Con、PROコントローラ共に違和感のない配置にまとめられた良好な操作性
◆ほぼ皆無のロード時間(リトライもほぼ瞬時で、ストレスを感じさせない)
◆やや高めながら、力押しの効く余地も残したバランスの取れた難易度
◆本番も兼ねたチュートリアル、ヒント機能などシューティング初心者への配慮の数々
◆幾何学的且つ、ポップなデザインで統一された個性的なグラフィック
◆「Explosion」の名を冠しているだけにある独特且つ、迫力十分の爆発エフェクト
◆動かす楽しさと爽快感を引き立てる質感溢れる効果音

--- Bad Point ---
◆システム、構成面で工夫されているが、物足りなさと単調さは否めない殲滅主体の本編構成
◆本編構成の物足りなさを際立たせるボス戦ステージ不在(せめて最後ぐらいあっても……)
◆数は圧巻だが、盛り過ぎてる感も否めない本編のボリューム(途中から単調さが滲み出る)
◆大量のエイリアンが画面を覆い尽くすなりの自機の見落とし易さ
◆一部、説明不足な要素の存在(特に「スタイルポイント」が分かり難い)
◆実質、完璧なプレイが要求されるどころか、運も絡む最高ランク「S+」獲得のやり込み
◆内容的に素っ気なさも目立つ「チャレンジモード」(ボス戦がないことが響いている)
▼Game Overview
4つの武器で数百体のエイリアン迎え撃ち!



◇カナダのインディーゲームスタジオ「Vertex Pop」開発による、任意横スクロールのステージクリア型シューティングゲーム。日本語版の販売とローカライズは架け橋ゲームズが担当。「GEM(ジェム)ファイター」なる戦闘機を操縦し、横にループする構造のステージに続々と現れる敵エイリアンの全滅に挑む。本編は惑星ごとに用意された9つのステージを順に攻略していく形で進行。ゲーム開始時は1つの惑星しか選択できないが、クリアしたステージの数に応じて他の惑星が解禁されていく。

◇ステージクリアの条件はエイリアンたちを全滅させること。厳密には3つの「フェーズ」を生き延びることでクリアとなる。エイリアンたちはフェーズごとに第1陣、第2陣という具合に出現。ステージおよびフェーズ全体で現れるエイリアンの総数は300体近くと非常に多い。そのため、戦闘では1回の攻撃でなるべく多くのエイリアンたちを片づけていくことが求められる。
また、惑星最後に設けられた「ワープステージ」では「フェーズ」が1つしかない。クリア条件も「ワープクリスタル」が獲得されるまでやられずに生き延びるというものになっている。こうした構成になっているためか、本作にはボス戦が用意されていない。

◇エイリアンたちへの迎撃には「GEMファイター」に内蔵された4種類の武器、「ブラスター」「エナジーソード」「スナイパービーム」「ミサイル」を用いることになる。ブラスター」はいわゆる基本攻撃で、直線状のショットを発射。「エナジーソード」は近接専門の武器で、自機周囲にいる敵を狙う回転斬りを放つ。「スナイパービーム」は直線状に強力なビームを照射する、全4種の武器の中でも最大の威力と射程を誇る武器。最後の「ミサイル」は複数のエイリアンをロックオンして追尾式のミサイルを発射するというもの。この他に緊急回避用の「ブースター」がある。これらの装備を使いこなし、本作では襲い掛かるエイリアン達を退治していく。

◇各種武器の特性から、自機「GEMファイター」の強さが際立つと同時にエイリアン退治の容易さが想像されやすい。だが、実際は異なり、常に武器の使い分けを考えながら立ち回らなければならない。それを促すのがエネルギーシステム。4種の武器は連続して使い続けることが不可能。使うたびに画面下に表示された「パワーゲージ」が消費され(※ブラスターだけは専用のゲージがある)、空になれば一発も放てなくなる。エネルギーはエイリアンが倒した時に落とす「クリスタル」を回収することで回復できる。しかし、その回復量は微々たるもの。加えて、それぞれの武器で消費するエネルギーも大きく、下手に連発すれば、あっという間に空になる。一応、空になって「クリスタル」が周囲になかったとしても自動で回復されるようになっているがが、その間は武器の使用が封じられる。そのため、残りエネルギーを意識しながらエイリアンを攻撃しつつ、その回復も視野に立ち回ることが大事。

◇他にエイリアンたちにも様々な種類がいて、それぞれ攻撃パターンや倒し方も異なる。ステージによってはフェーズの移行に応じて地形が変化する仕掛けもあるため、留まる位置を変更する必要も生じる。 ゲームデザイン的には昔懐かしのシューティングゲーム『ディフェンダー』のオマージュっぽさがある。ただ、武器の使い分けと消費エネルギーを前提にした立ち回りが基本になる点でほぼ別物。全体としては戦術性の高さが際立つシューティングゲームになっている。
▼Review ≪Latest Update :5/7/2023 | First Publication Date:7/1/2018≫
4種の武器を常に考えながら使い分けていく、戦術的なゲームプレイが光る良作。
単純明快ながら、システムとバランス調整の上手さもあって、退屈しにくい作りになっている。
最も秀逸なのは、各種武器を使い分ける楽しさの根幹たるエネルギーシステムだ。このおかげで単純ながらも、常に刺激が途切れないゲームプレイが実現されている。裏を返せば、シューティングゲームの醍醐味たる、”撃ちまくる快感”には乏しい。ひとつの武器にこだわれば、プレイヤー自身が危機に瀕するゲームデザインであるためだ。さらに言えば、制限の強さからくる戦術的な窮屈さもある。4種の武器をまんべんなく使うことが求められてくるので、人によっては自由度が低いと感じるかもしれない。

ただ、本作はエイリアンの大群を全滅させることを繰り返す内容。もし、どの武器も制限なく使える作りなら、同じことが繰り返されるなりの単調さが際立ち、ゲームプレイ的にも眠気を誘うものとなりかねない。同じことの繰り返しはゲームに限らず、長時間続けさせれば関わる人間を酷く退屈させる。いくら武器を使い分ける要素があっても、ずっと使える仕組みだと戦術性は希薄になるし、何より立ち回りがパターン化するのは明らか。そう言った元の内容を考慮すれば、制限を設ける措置は適切。おかげでエネルギー切れという危機が作られ、それを回避する為にプレイヤー側が意識して取り組むようになる。また、同じことの繰り返しでも将来的に起こり得ることを回避すべく、先の手を考えて立ち回っていくようにもなる。

一見、プレイヤー側に負担をかけるかのようなシステムだが、その実はゲームをより魅力的、かつ刺激的な内容にする意図が光る込められたもの。自由度の低さを逆手に取った感じで、侮りがたい面白さと戦術性を演出するシステムに完成されている。

ステージも割と起伏のある構成にまとめられている。何より、敵エイリアンのバリエーションが多彩。そして、ステージが進む度に新種が登場し、プレイヤーに新たな対処を求めてくる。一部のステージにはこちらが干渉できない「エイリアンの罠」もあり、場所によっては次のフェーズに移った瞬間、新たなトラップが現れ、地形が変わったりもする。いずれも起伏を付ける要素としては地味だが、これが制限のある武器を使って立ち回る作りとも相まって、侮りがたい手強さを演出している。敵それぞれに絶大な効果を及ぼす武器も当然のごとく設定されていて、混戦模様の中、如何にして的確にその武器を命中させられるかが求められるのもスリリング。そして、実際に途切れなく、芸術的な攻撃パターンを作れた時の快感も格別だ。

もう少し仕掛けを充実させても、と言いたくなる物足りなさもある。だが、エイリアンの大群を豊富な武器で迎え撃つゲームのコンセプトを考えれば、このような構成にまとめるのはアリ。ここでも開発スタッフがいかに工夫を凝らし、プレイヤーを飽きさせない作りにしようと腐心したのかが察せるところである。

他にも単調さの払しょくに一役買っているものとしてコンボシステムがある。エイリアンを倒すほどにスコア倍率が上昇し、ハイスコアが獲得できるようになるというものである。本作にはハイスコアを獲得し、最高の「S+」ランクを目指すというやり込みがあり、その獲得のために3つのフェーズすべてをノーダメージで乗り越えることが求められる。 当然、ダメージを受けた時点で獲得は失敗確定となる。スコア倍率がリセットされるためだ。なので、絶対にダメージを受けてないように動くことが重要。そんな危険(リスク)と隣り合わせの中、大きな結果(リターン)を得るために挑む遊びも本作には仕込まれていて、単調さを防いでいるのだ。こうした要素を導入している所にも、作り込みの深さがうかがえる。同時に嫌われそうな要素を多く盛り込みつつ、それでゲームとしての面白さや単調さの防止を図っているところにゲームデザインの妙を実感させられるだろう。単調そうな内容でも工夫次第で、刺激なゲームに出来る。そんな侮りがたい魅力が本作には詰まっているのだ。

そんなハイスコアのやり込みの中毒性も高い。先に紹介したコンボシステムのほか、立ち回り次第でスコアが加点される「スタイルポイント」と言ったやり込み意欲を刺激する要素が揃っているのもあってリプレイ性が高く、極めるとなれば延々と遊べる。おまけにオンラインのリーダーボード機能も搭載。上位へのランクインを目標にプレイすれば、まさに眠れない夜が訪れるだろう。携帯モードとの親和性も高く、「空いた時間に少しだけ……」のスタイルでサクッと楽しめてしまうのも特筆に値する。

細かい面でも快適性にもこだわっていて、ロード時間は携帯モードでのプレイ時でも一切無し。ミスしてからのリトライも一切もたつかない。そして、操作も基本のボタン配置がJoy-Con二つ装着時も念頭に置いたものになっているので、動かしていて全くストレスを感じさせない。PROコントローラでの操作も申し分なしで、気持ちいいほど思い通りの動きをしてくれる。

このように本作はゲームデザインの完成度が高い。システムから基本の遊びまで、至る所が考え抜かれており、戦術的なシューティングゲームというコンセプトと特有の面白さが余すところなく描かれた仕上がりになっている。特にリスクとリターンの概念が活きたスコアアタックは珠玉の仕上がりであり、これだけでも本作のことを良作だと明言しても過言ではないぐらいだ。
とは言え、本編全体の構成には物足りなさも割とある。特にボス戦の不在が痛い。しかも少しネタバレするが、終盤に入ってもボス戦は絶対に発生しない。徹底して、戦術的なシューティングゲームとしての形を押し切って構成しているのだ。それ自体はコンセプトを貫き通す志の高さを感じさせられるが、さすがに真面目すぎる印象が否めない。せめて最後ぐらい、ひと捻りあっても良かったのではないだろうか。実際、本作の武器システムを駆使したボス戦は結構、面白いものになっていた可能性が想像される。それを突き詰めようとせず、宝の持ち腐れみたいなまとめ方にしているのは、ひたすらに残念な限りだ。

また、全体のボリュームもステージ総数35以上は盛り過ぎの感が否めない。一応、大半のステージは3~5分以内に決着する内容にまとまっているため、胃もたれはしにくい。ただ、あと10ステージぐらいは削って良かったかもしれない。スコアアタックにちなんだ評価システム、惑星のステージをノーコンティニューでやり通すチャレンジモードの存在が響いている感じだ。その手のやり込み要素が充実しているだけに、ある程度はバランスを取って欲しかったところだ。

他に武器の種類が4つ以上増えることもなければ、パワーアップするイベントもない。そのため、中盤以降は同じような展開が繰り返されている感が増していくのも引っかかるところである。

とは言え、全体の構成は練られているし、ハイスコアを意識して遊ぶと刺激的な展開を味わえる。「Explosion」を称しているだけに爆発表現を始めとする演出も派手。幾何学的なグラフィック、質感溢れる効果音も相まって、心地よい爽快感を提供してくれる。Nintendo Switch版ではそこにHD振動もプラスされ、さらなる破壊の快感が味わえるのも大きな魅力である。 ダメージ制の採用、2回まで許された途中リトライ(残機がステージごとに2で固定されている)、チュートリアル専用ステージなど、シューティングに不慣れなプレイヤーへの配慮も豊富。ハイスコア関係なく、普通にエンディングを目指すだけなら多少のゴリ押しも効くなど、難易度も高めでありつつも、間口の広い調整にまとめられている。

ポップな見た目とは裏腹にやり応え抜群で、シューティングの醍醐味もしっかり詰まった本作。シューティング好きはもちろん、気軽に遊べて確かな手応えを得られる良作だ。ニンテンドースイッチ以外にプレイステーション4、PC(Steam)でも本作は発売中。他機種版では携帯モード特有の手軽さは無いが、四種類の装備が演出する戦略性、練られたゲームデザインは十分に堪能できる。スイッチ本体は無いけど、そちらなら持っているプレイヤーも興味があれば是非。お薦めの一本だ。
≫トップに戻る≪