Written in Japanese. Japanese fonts required to view this site / Game Review & Data Base Site
  1. ホーム>
  2. Review Box>
  3. Super Famicom>
  4. ロックマンX3
≫ロックマンX3
■発売元 カプコン
■ジャンル アクション
■CERO(推定) A(全年齢対象)
■定価 9800円(税別)
▼Information
■プレイ人数 1人
■セーブデータ数 無し(※パスワードコンテニュー形式)
■その他 C×4チップ搭載
■総説明書ページ数 44ページ
■推定クリア時間 3〜4時間(エンディング目的)、10〜14時間(完全攻略目的)
西暦21XX年…。
近頃、ある優秀なレプリロイドの科学者が話題になっていた。その名は『ドップラー博士』。彼は、イレギュラーを作り出す原因が『シグマウィルス』という特殊なプログラムである事を突き止め、それを消し去る為の抗体ウィルスを開発した。そして世界中からイレギュラーを一掃する多大な成果を上げ、更に人間とレプリロイドが共存する平和都市『ドッペルタウン』を作ると宣言し、レプリロイドだけでなく人間達からも多大な支持を得た。博士は『ドッペルタウン』の建設準備の為、世界中から優秀なレプリロイド達を次々と集め始めたのだった。

だが数ヵ月後、悲劇は突然訪れた。
ドップラー博士の抗体ウィルスによって沈静化したはずのイレギュラー達が、一斉に反乱を起こしたのである。更にエックスとゼロの元に、ハンター本部がドップラー博士率いるイレギュラー達によ占領されたとの緊急連絡も入る。

一体、あのドップラー博士に何があったのか…?何故、彼は人類に牙を向いたのか?
数多くの謎を残しながら、エックスとゼロは襲撃されたハンター本部へと急行する…。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆シンプルで分かり易い、ゲーム進行形式(これまでと全く同じなのでややこしさは無い)
◆これまでのシリーズを受け継ぐ、直感的で分かり易い操作性
◆ファン待望のゼロのキャラクターチェンジシステム(ただ、かなり制約が多いが…)
◆ステージの地形変化システムが復活した事で一層深みが増したステージ構成
◆前作よりも更に大規模化した、ストーリー分岐の乱入ボスシステム
◆分岐の大規模化により、劇的にパワーアップした総ボリューム量
◆アニメっぽさが強化され、より美しくなったグラフィック
◆VAVAの復活、シグマウィルスの初登場など今回も見所が満載の複雑なストーリー
◆全体的には高めだが、頑張れば誰でもクリアする事ができるよう、しっかりと調整されているロックマンシリーズらしい絶妙のゲームバランス
◆地味に嬉しい、ステージのボス紹介デモのカットシステム

--- Bad Point ---
◆使い勝手の悪いパーツシステム(特にアーム、ヘッドの悪さは天下一品…)
◆全能力を上昇させる隠しアイテムの存在により、ほぼ無意味なものと化しているパーツ強化のチップシステム
◆ゲームテンポを著しく低下させる作りに改悪されたライドアーマーシステム
◆同じく、テンポを著しく低下させる要因となってしまっている中ボスの爆発演出
◆制約の多過ぎるゼロによるゲームプレイ(ボスと戦えないなど…。)
◆ギターを多用してる影響で、ちょっと耳障りな音楽(名曲もある事はあるが)
◆ワンパターン過ぎるボスの行動パターン(突進攻撃を繰り返す奴らが多過ぎ)
◆ストーリー分岐の条件で、一部納得できないものがある(特殊武器を使ってボスを倒さないといけないなど…)
◆前作よりも微妙に低下したスピード感(…前作に慣れていると尚更)
▼Review ≪Last Update : 9/15/2007≫
あれ……?もう、発売したんだっけ?

気付いた頃には2週間が過ぎてました…。


カプコン独自のDSPチップ『C×4』の恩恵による、圧倒的なスピード感と爽快感で好評を博した『ロックマンX2』の続編にしてシリーズ第三弾。前作に引き続き、『C×4』を搭載した作品としてリリースされた。

しかし、一体何処にその恩恵が?
そう疑念を抱いてしまうくらい、劣化してしまった、賛否の分かれる一作である。

ゲーム内容はこれまでのシリーズと同じ、横スクロールのステージクリア型アクションゲーム。プレイヤーは主人公エックスを操作し、自由に選択できる8つのステージを攻略しながら最終ステージ目指して突き進めて行く…お馴染みの内容である。これと言ってシステム周りにさほど大きな変更は無く、チュートリアル並びに世界観解説を兼ねたオープニングステージ、壁蹴りアクション、パワーアップパーツ等は今作においても健在。また、前作で初登場した『乱入ボス』のシステムも継承、更にはステージ変化システムが復活するなど、総合的に見るとこれまでの総集編とも言える作りとなっている。
しかし実際の出来は、総集編と言うには程遠い。
例えば『乱入ボス』なのだが、これが前作以上に改悪されている。今作でも前作と同じく3体の乱入ボスがいるのだが、1体は任意に戦えるのだが、うち2体は強制的に戦わされるのである。つまり、回避不能。こちらの装備が良くても良くなくても、彼らとは戦わなくてはならないのである。幾ら何でも、これは惨過ぎるとしか言い様がない。例によって今回も彼らは手強く、アクションに慣れてない初心者にとっては鬼そのもの。そんな彼らと戦わなければならないなんて、ほとんど虐めだ。しかし、全く回避不能な訳でなく、ボスが出現ステージをゲームオーバーで離脱し、ステージセレクトで別の所を選べば一応、回避はできる事は可能である。だが、それが仮に予め決めてた攻略ルートを外したものだった場合、…どんな事になるだろう。あらかた想像は付くと思うのでこれ以上は言わないが、このように非常に性質が悪くなってしまっているのである。前作が好きだった方は怒りすら覚える仕様変更だ。戦う事自体は選べるという任意制を何故、ロストした?!
しかも、本作にはこれを更に盛り立てる要素として、マルチシナリオ制なる新システムが導入されており、彼らを乱入中に倒した、或いは逃がしたかによって後のストーリー展開とステージ構成、おまけにボスまでもが変わってくるようになっている。この要素自体は大変面白く、それまでのシリーズでは無かったボリューム感を生み出す事に成功しているのだが、それを後押しするシステムの問題があり、美しいぐらいに空回りしてしまっている。
乱入ボスが前作と同様、任意方式のものであればこの新システムも活きてきていただろうに…本当、勿体無い限りだ。新しい事に挑戦する行為自体は良い事であると思うけど、詰めをしっかりとしなくては元も子もない。結果として、従来のロックマンらしい自由度の高さが著しく失われ、イタズラに敷居を高くしてしまったのは、ファンのみならずとも大変残念だ。

これとは別に、シリーズ伝統のパワーアップパーツも著しく劣化してしまっている。今作も続編という事で、ヘッド・ボディ・アーム・フットの4つのパーツ全ては新しくなっているのだが、いずれも使い勝手が悪い。特にアームパーツの『クロスチャージショット』、ヘッドパーツの『アイテムレーダー』は劣悪極まりない。前者は、フルチャージしたとしてもタイミングよく発射ボタンを押さなければ、思いも寄らぬ方向にバスターが飛んでいってしまったり、更にはフルチャージのショットを放てたとしても僅かに(約1秒ほど)もたついてから前に飛んでいくなど、使う事の気持ちよさがまるでない。そして後者に至っては、手に入れるとステージ開始時に強制的にステージマップが表示されるようになり、クローズボタン(Yボタン)を押されない限り、ずっと表示されたままになるという、ゲームのテンポを激しく損ねる願っても無い機能が備わる始末。最悪である。まだ、他のボディとフットはそれなりに使えるとは言うものの、これら2つの使えなさと手に入れる事の恩恵の無さは異常だ。複雑化にも程がある。このせいで結果としてアクションゲームとしてのスピード感、そして爽快感が失われてしまった事は、重大な損失としか言い様が無い。
また、本作にはパーツの能力を4つのうちのいずれか1つを進化させる特殊アイテム『チップ』なるものも新たに導入されているのだが、肝心のパーツがパーツだけに見事に食われた恰好になっている。しかもネタバレになるが、実は本編中にはこの4つのパーツ全ての能力を強化する、反則的な隠しチップが用意されている。挙句、そのチップは他の4つと違って遥かに入手し易い始末。美しいぐらいに投げやりである。こんな便利なものを入れるぐらいなら、最初から隠しで入れるのが妥当だったんではないか。
他にも、ゼロが操作できる『キャラクターチェンジ』のシステムも導入されているのだが、これもまたミスしたら二度と使えなくなる、操作できる箇所が限定されてるなど、縛りが強い。また、『ライドアーマー』なる過去にも登場した乗り物が数種類用意され、ステージ上に置かれた転送装置の上に乗れば何時でも搭乗できる要素もあるのだが、これもヘッドパーツ同様にゲームテンポを著しく損ねるものとなっており、お世辞にも面白いシステムとは言うには程遠い。
どの要素からも、続編だから前作以上に進化させようという心意気はちゃんと伝わってはくる。けど、繰り返しになるけど、詰めが甘くては話にならない。自由度の高さをも失って敷居を高くし、更には複雑化までさせてしまう。流石にここまで来てしまうと、フォローするのも苦しくなってくる。こんなものを、あの『ロックマンX2』の続編と言って良いのだろうか?

挙句、今作は何とボス戦までも劣化。ひたすら左右に突撃をし続けるという単純極まりない動きをするボスが圧倒的多数を占めるようになってしまい、従来以上に「戦っている」という手応えを感じられないものになってしまっている。辛うじて数体、らしい動きをする者もいる事はいるのだが、それでもボス戦全体の単調さをカバーするには至ってない。
ステージ構成や探索要素はこれまで通りの良さを実現しているだけに、この点は勿体無さ過ぎる。別のシステムを作るのに時間を取られ過ぎて、こっちを作っている時間が無かったのだろうか。だとしたらあまりに切ないが…。
しかし、動きが単調になった事で、これまで以上にボスのパターンが把握し易くなったのは、歓迎されるべきところだろう。おかげで、初心者や苦手な方でも戦い易くなった。けど、先に述べた乱入ボスの問題などゲームバランス上の問題がある為に、本当に初心者や苦手な方に優しいゲームになったと言えないのがもどかしい所だ…。
音楽もイマイチ。やたらエレキギターを強調した曲が多く、どれも聴いていてあまり心地良くない。タイトルの曲、オープニングステージなど印象に残る楽曲もあるのだが、従来に比べるとインパクトは低い。ただ、一方でグラフィックは大幅に進化しており、スーパーファミコン後期作品ならではの成熟したドット絵が異彩を放つ作りとなっている。中でもボスキャラクター達のドット絵は非常に美しいものになっているので必見だ。
ストーリーも賛否両論。特に、これまでのイレギュラーにまつわる設定を根底から覆す『シグマウィルス』の登場には違和感を禁じ得ない。しかし、『ロックマンX』で人気だったVAVAが復活するなど、辛うじて見所があるのが救いだ。

操作性についても、従来通りの分かり易さと快適さこそ残されてはいるのだが、パーツの事などもあってお世辞にも良いレベルに達してないのが痛い。また、『C×4』を搭載していながらも、前作ほどの恩恵が感じ取れず、スピード感、演出面におけるインパクトの強さも劇的に低下してしまっているのも辛い…。
このように、前作の面影などまるでないほどに劣化してしまっている本作。いずれの欠点も、ゲーム進行に支障を与える位に致命的なものとなってないのがせめてもの救いといえば救いであり、ちゃんと遊べるゲームになってはいるのだが、それでもお薦めできると言うには正直、程遠い作品である。
総評して…駄作とまでは言わないが、賛否の分かれるシリーズ屈指の一作。どちらかと言うと今回は、これまでのシリーズを遊んできたファン向け。アクションゲーム好きの方には、とてもお薦めできない一品である。このテンポに耐える事ができるというのなら、話は別だが…。
≫トップに戻る≪