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  4. スーパードンキーコング2 ディクシー&ディディー
≫スーパードンキーコング2 ディクシー&ディディー
■発売元 任天堂
■開発元 レア
■ジャンル アクション
■CERO A(全年齢対象)
■定価 9800円(税別) / バーチャルコンソール版:800円(税別)
■公式サイト ≫スーパーファミコン版 / ≫VC版(Wii)
▼Information
■プレイ人数 1〜2人
■セーブデータ数 3つ(※バッテリーバックアップ:リチウム電池形式)
■その他 スーパーファミコンが4000円安くなるクーポン券付き(※後期出荷分は除く)
■総説明書ページ数 36ページ
■推定クリア時間 4〜5時間(エンディング目的)、8〜15時間(完全攻略目的)
ある月の綺麗な夜の事。浜辺で休息していたドンキーコングが、キャプテンクルール率いるクレムリン軍団により、誘拐されてしまった。彼らはドンキーの身代金代わりとしてバナナを要求。
この一大事に集まったコングファミリー達は、言われた通りにバナナを渡してしまおうかと彼らの要求を呑もうとするが、これに対してドンキーの相棒でもあるディディーが猛反論。彼がドンキーを救出する為、クレムリン達のアジトに乗り込むと言い出した。これにディディーの恋人、ディクシーも賛成。流石にこれでは止め様が無いと確信したクランキーは、二人にドンキーの救出を任せる事にした。

そして翌日、二人はドンキーを救出する為の冒険へと出発したのだった。
目指すはクレムリン達の本拠地『クレムリン島』。
果たして二人は、クレムリン軍団の手からドンキーを救出できるのか…。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆前作よりも更に磨きがかかった、レンダリング技術を用いた美麗なCGグラフィック
◆リアルさは僅かに薄れたが、相変わらず滑らかなキャラクターの動作
◆滑らかな動きを思わせない反応の良さが素晴らしい、快適且つシンプルな操作性
◆ディディーが主人公となった影響もあり、劇的にパワーアップしたスピード感
◆交代プレイ制を取り入れた、戦略性の高いゲームシステム
◆そのシステムを活かした、利便性に富んだ新アクション『チームアップ』
◆ディディーの存在を食う、優れた万能性を持つ新キャラクター『ディクシー』
◆溶岩洞窟、おばけの森、そして遊園地と前作とは種の異なる地形が盛り沢山の全6+2ワールド40ものコース
◆やり過ぎと言わんばかりにパワーアップした完全クリア攻略条件
◆そのパワーアップが災いし、凶悪なまでに手強くなったやり込み要素群
◆『スペシャルアタック』の追加で、より多彩なアクションが可能になったアニマルフレンド
◆少し難しめだが、相変わらずの理に適った絶妙さが見事なゲームバランス
◆作曲者に神が降臨したとしか言い様がない、驚異的な音楽(名曲のオンパレード)

--- Bad Point ---
◆相変わらず難ありの2人プレイモード『Two Player Team』
◆同じく、相変わらず嫌らしいワールドマップへの脱出法(前作と変わらず)
◆制約感の強いボーナスステージの構成(ボーナスステージには程遠い)
◆コインを支払うクレジット制になり、一層不便さが増したセーブシステム
◆蛇足な『リンクリーの学校』のアドバイス(あれならクランキーの方がマシ…。)
◆訳の分からない『チャートモード』(…あれは何…?)
◆もはやボス戦ではない、隠しワールドのボス戦(戦っている雰囲気が薄過ぎる…。)
◆難易度的にぶっ飛んでいる、隠しワールドのコース『アニマルライド』
▼Review ≪Last Update : 9/8/2007≫
こんどはドンキー、さらわれた♪

つ〜ぎはディディーもさらわれる♪(マジ)


スーパーファミコンとは思えないフルCGによる美麗なグラフィックと高いゲーム性で300万本を売り上げる大ヒットを記録した『スーパードンキーコング』待望の続編。制作は前作と同様にイギリスのソフトハウス、『レア』が担当。

更に磨きのかかったグラフィックと音楽、そして進化したゲームシステム。
全ての要素が続編に相応しい大進化を遂げた、アクションゲーム超大作だ。

ゲーム内容は横スクロールのステージクリア型アクションゲーム。プレイヤーはディディーとディクシーのいずれかを操作し、多種多様なコースをクリアしながらゲームを進めていく。
基本的なシステム周りは前作と同じで、進行形式等に関してもさほど大きな変更は加えられてない。だが、メインであるゲーム展開…コース構成に関しては、基本は前作と同じなのだが、各コースの完全攻略条件が増強されている、メインとは外れた『隠しワールド』が登場しているなど、細かな面においてちょっとした変更が加えられている。
その変更の中で、特に目覚しい一例がコースごとの完全攻略条件の増加。本作も前作と同様にゲーム中にプレイする事になるコースには、隠し部屋こと『ボーナスステージ』が隠されているのだが、このボーナスステージの作りが前作とまるで違うものになっている。前作ではメインコース以上にバナナが置かれていたり、1UPアイテムが置かれていたりなど、まさにボーナスステージと言わんばかりのサービスが執り行われた作りになっていたのだが、本作のボーナスステージにはそんな気軽さが無い。というのも、今回のボーナスステージは『特別に与えられたミッションをクリアするステージ』と化してしまってるのである。与えられたミッションをクリアする…の通り、今作ではボーナスステージに突入すると同時に、いきなりプレイヤーに1つのミッションが課せられる。ミッションは『コインを探せ』、『全部やっつけろ』、『星を集めろ』の3つがあり、これらの内の1つが基本的にプレイヤーに課せられるようになっている。いずれのミッションも時間内に目的を達成するタイプのものがほとんどで、今回はこれをしっかりとクリアする事でご褒美がもらえるようになっている。このご褒美こと『クレムコイン』を集める事が今回、新しい条件として加わったのである。ついでに言ってしまうと、今作ではこのクレムコインを入手しなければ、ボーナスステージを発見した扱いにならない仕組みにもなってる。つまり、何が何でも完全攻略をするならば、このコインは集めなければならない…という事である。しかも、このクレムコインは単なる飾りでなく、先程に紹介した『隠しワールド』の進めるに重要な鍵としても活躍するので、尚更集める必要が生じてくる。普通にエンディングを迎えるだけだったら、これらを集める必要は無いのでプレイヤー自由ではあるのだが、それを外したとしてもこの条件の追加はあまりに過酷と言わざるを得ない。
更に他にも完全攻略をするにおいて絶対に集めなければならない、ステージ上に隠された『DKコイン』なるアイテムある。これに加えてコースの攻略が重なるという有様…。
もう、想像が付くかと思うが、やり過ぎである。前作が味気なかったから、今回は派手に…という事でこうしたかもしれないが派手にも程がある。基本的にクリアする事に絶対の制約が定められてない、そして敷居は上がったがバランスはいつも通りなのがだけ救いといえば救いではあるが、普通、ここまで一気に進化して良いものだろうか…。
だが、いずれにしろこのパワーアップで、ゲーム全体の密度と遊び応えが劇的に上昇したのは素直に歓迎される所だろう。おかげで、前作以上に長く楽しめるようになったので、前作が物足りないと思った方には、まさに感涙モノの進化だ。
逆に十分だと思ってた方には、地獄そのものだが。

また、キャラクター周りも変更されており、クレムリン軍団にさらわれてプレイヤーキャラを退いたドンキーコングの代わりにディディーのガールフレンドである『ディクシーコング』なるキャラが登場。この彼女もまた、先程の完全攻略条件の増強と匹敵する位にインパクトが強く、特に攻撃にも使え、更には空中滑降のアクションまでもができる『ポニーテールスピン』の万能性は本来の主人公であるディディーを掠めてしまうほどの凄さ。しかも、あまりに便利すぎるが為に、一度でもこのアクションの虜になってしまうと、もうそれを使ってコース攻略をするようになってしまうほど中毒性も高く、それに対抗できるような目立ったアクションを何一つ持っていないディディーの使用頻度をも低くしてしまっている始末。
これも完全攻略条件の追加ほどではないにせよ、やり過ぎだ。待望の主役の座を務めたディディーを食う存在登場って、そりゃ一種の虐めではないか…?密かにこのアクションを使わないと絶対に突破できないコースがあるのも引っ掛かる所だ。しかし、全く出番がない訳ではなく、実際の身体能力面について彼女はディディーよりかは僅かに劣るので、使い勝手の面ではディディーが優れてるので、コースを軽快に突破して行きたいと思うには実に最適なキャラとなっている。
能力的な差別化が激しい事に変わりはないが、この試み自体は悪くは無く、結果として二人のキャラの個性を十二分に描いており、前作を上回る特徴の大きく異なるキャラを使いこなしながら難所を突破していく面白さを演出している。
また、本作では二人とも軽量級のキャラという事もあって走るスピードが早めで、ゲームとしてのテンポが格段に良くなった点も決して外す事のできない所だ。
その他、本作ではパートナーとなっているキャラを投げる『チームアップ』なる新アクションが盛り込まれ、これを使う事で普通のジャンプでは届かない高い所へ登ったり、高い所にあるアイテムを取ったり、ボーナスステージに入ったり、そして敵を倒したりと言った行動が楽々とできるようになり、コース攻略の幅が広がっている。
前作では単なる交代プレイにならなかったこの二人のキャラを交互に使い分けるシステムが、二人だからこそできる特殊なアクションが追加された事で、一層システムとしてのオリジナリティの高さを上げた事は実にお見事。また、このアクションにより多彩な行動ができるようになったことに乗じて、戦略性が広がった所も見逃せない進化だ。
余計に前作へ戻り難くなった感は否めないが、それ位…本作の変更は遊び手側が求めていたものと合致してたという事なのだろう。 改めて、本作の制作スタッフの前作を超えるものを作ろうとする姿勢には感服する。

この他、前作で登場した動物の仲間『アニマルフレンド』搭乗時のアクションも新たに『スペシャルアタック』なる大技を追加するなど、大幅にパワーアップ。新しい仲間も登場し、その中でもクモの『スクイッター』によるクモの巣アクションは実に奇妙で面白い。
コースに関しても前作と数は同じながらも『溶岩洞窟』、『おばけの森』、『遊園地』等、前作とは180度異なった新しい地形が数多く登場。相変わらずなバラエティーな展開でプレイヤーを飽きさせない。各コースを彩る美しいCGグラフィックも健在で、こちらについても相変わらず、スーパーファミコンとは思えない映像が連発する。
そして、音楽はそんなグラフィックを超えるほどにパワーアップ。とにかく一曲一曲のクオリティが半端じゃなく、収録曲の9割方が名曲であるなどと、過剰過ぎる程に気合いが入ってる。中でも『鉱山』、『いばら』、『おばけの森』の曲は必聴の価値あり。あまりの凄さに、人によっては思わず身震いするほどの衝撃を受けるかもしれない。
この素晴らしい名曲群を楽しむだけでも本作を遊んで見る価値は十分ある。

ゲームバランスも前作と比べるとやや難しくなっているのだが、相変わらず理不尽さ皆無で任天堂らしい絶妙のバランスを維持している。操作性もキャラが軽量級という事もあってか、前作以上に軽いものとなり、ただ動かしているだけでも爽快な疾走感を味わえる。勿論、前作同様に動きのもたつきもなくレスポンスも抜群で、尚且つシンプルで初心者にも優しい設計であるなど抜け目も無い。
前作と変わらず、セーブポイントの極端な限定や二人プレイモードの煩わしかったり、セーブがクレジット制(セーブするのにお金のアイテムが必要)になった事、クイズのミニゲームがあまりにも素っ気無い、隠しワールドの『アニマルライド』なるコースの難易度が異様に高い等、欠点もそこそこあるが、強烈なやり応えとグラフィックと音楽の凄さがそれをカバーしてる事もあり、ほとんど気にならないレベル。続編タイトルとしては勿論、単品のアクションゲームとしてもやり応え満点且つボリューム満点、更にはスーパーファミコンである事を忘れさせるほど美麗なグラフィックと気合い入りまくりな音楽など、あらゆる方面において飛び抜けたクオリティを保っている本作。
ここまで来て出てくる結論は唯一つ…だ。文句無しにお薦め。前作をやり込んだ方は勿論、未経験の初心者から上級者にまで幅広く楽しめるスーパーファミコン屈指の傑作だ。大げさな表現だが、本当にそうなのだから仕方がない。
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