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≫スーパーボンバーマン
■発売元 ハドソン
■ジャンル アクション
■CERO(推定) A(全年齢対象)
■定価 8190円(税込)
▼Information
■プレイ人数 1〜4人
■セーブデータ数 無し(※パスワードコンテニュー形式)
■その他 マルチプレーヤー5対応
■総説明書ページ数 紛失している為、不明
■推定クリア時間 2時間半〜4時間
悪の権力者カラット・ダイアモンドと天才科学者Dr.ムックは、ボンバーマン達をロボット製造の研究材料にする為、ボンバーマンが住む『ピースタウン』を奇襲。
計画の全貌を知った黒ボンバーマンこと黒ボンがこれに立ち向かうが、彼らが放った偽物ボンバーマン『メカボンバーマン』の圧倒的な戦能力に太刀打ちできず敗北。自らの居城である、ブラックボンバーマン城を占領されてしまった。

命かながら白ボンバーマンこと白ボンの元へと逃げ込んだ黒ボンは、カラットとムックの陰謀を暴露。これを聞いた白ボンは、黒ボンと一致団結し、直ちに占領されたブラックボンバーマン城へと向かった。

続々と彼らの前に押し寄せてくる、ダイアモンドの手先の敵ロボット軍団。
果たして白ボンと黒ボンは、カラットとムックの計画を打ち砕く事ができるのだろうか…。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆アクションゲーム初心者の方でも直に馴染む事のできる、シンプルな操作性
◆敵と戦う事の面白さを徹底した作りが素晴らしい、一人用のノーマルモード
◆一画面内の枠に統一され、やり易さが増したノーマルモードのステージ構成
◆お城、サーカス、研究所などとバリエーション豊かな全6ワールド48ステージ
◆ただ爆風を当てていけば良いという事に留まっていない、練り込まれたボス戦
◆思わずムキになってしまうほど白熱する、シリーズの看板でもあるバトルモード(4人対戦ならば、大混戦必至)
◆シンプルなものから、歩行速度が最初から速いなどと言った奇妙なものが満載の、バトルモードのステージ(数的にも多すぎず、少なすぎずでお見事)
◆立体的な”厚み”が実に印象的な、ほんわかとしたグラフィック
◆秀逸な出来の音楽(特に、ノーマルモードで使用されている曲の出来が素晴らしい)
◆濃いメンツ盛り沢山の登場キャラクター達(主に敵キャラクター関連。中でもボスキャラのピエロマスク)
◆シンプルで、非常に覚え易いパスワード(数字4文字だけなので、メモるのも簡単)
◆可愛くて印象的なボンバーマンの歩行音

--- Bad Point ---
◆無敵時間の存在で完全に崩壊している、ノーマルモードのゲームバランス
◆若干、ややこしさのあるステージ5の敵(&ボス)との戦闘(無敵攻撃を使えば、そのややこしさは撤廃されるのだが…)
◆周辺機器を使わないと出現しないバトルモードのステージ、隠しモードの存在(こういうのは、周辺機器無しでも出せるようにして欲しかった)
◆仕掛けが少ない為、ちょっと寂しさが拭えないステージ構成(その分、敵との戦闘は結構面白いものになっている)
▼Review ≪Last Update : 7/21/2007≫
最初は真っ当にプレイしてました。

友人にアレを教えてもらった後は、真っ当にプレイしなくなりました。


爆弾を駆使するヒーローとして好評を博した、ハドソンの看板アクションゲーム『ボンバーマン』のシリーズ最新作にして、スーパーファミコン初進出作。

イッツ・”ゴリオシ”・ショータイム!
崩壊状態のゲームバランスと白熱の対戦プレイが印象的なシリーズ屈指の迷作だ…。

ゲーム内容は、見下ろし視点のステージクリアタイプのアクションゲーム。プレイヤーはボンバーマンを操作し、十字型の爆風を放つ(自らも触れるとミスになる)爆弾を使ってステージ内を徘徊する敵キャラクター達を全て倒し、ステージ内のブロックに隠された出口を見つけてそれに入り、ステージをクリアしながらゲームを進めていく。
基本的には、初代ボンバーマンや他のボンバーマンシリーズ(ボンバーキングは除く)と同じ。ゲーム構成についても過去のシリーズと大差が無く、これまでにシリーズを経験してきた方ならば直に馴染む事ができる。勿論、初心者の方でも基本のシステム自体がシンプルなので、直に飲み込める。この辺りの敷居の低さは相変わらずだ。
用意されているゲームモードも過去と変わらず。次々とステージをクリアしていく『ノーマルモード』と最大4人までの対戦が楽しめる『バトルモード』の二種類となっている。
メインとなるのはやはり『ノーマルモード』。悪の権力者カラット・ダイアモンドと天才科学者Dr.ムックの野望を阻止する為に、全6ワールド48ステージを攻略していく。
今作ノーマルモードの構成は、PCエンジン版ボンバーマンと同じで初代と続編の2とは違い、ワールドの最後にボス戦ステージが用意されている。また、ステージ構成に関しては、2人同時プレイを実現させる都合もあって一画面内に収められたものが大半を占めており、初代や続編の2ではあった横に広いステージは排除。登場するステージ全てが、一画面内に収められたものに限定されてしまった。
横に広いステージが苦手だったという方や初心者の方にはこの上ないアレンジとも言えるが、こうしてしまった結果、各ステージの仕掛けが一層貧弱になり、ステージ自体の個性が薄くなってしまったのは残念と言わざるを得ない。だがこの代償を逆手に取る形で、ステージを徘徊するザコ敵達との戦いに重点を置き、仕掛けを解除しながらステージを攻略する面白さではなく、トリッキーな行動を取る敵達を如何に撃退していくかという敵を倒す、新しい面白さを演出。ステージを解き明かしていく面白さこそ薄くて手応えもないが、敵との戦いはかなり濃い目になっており、かなりアクションゲームらしい手応えを全編において感じられる作りになっている。まさに一画面限定が生み出した賜物と言うべきか。
その為、今作では過去のシリーズ以上にアクションゲームらしい手応えを味わえる内容となっている。パズル的な面白さが好きだった方には賛否両論かもしれないが、これまで通りに出口の扉を発見する要素は健在。初代と変わらぬ味を心行くまで満喫できる。アクションゲームとしての手応えを重視し、パズル的な部分を極力薄めに…この辺りのバランス加減は、まさに良い意味での原点回帰と言えよう。

だが…結論を言ってしまうと、今作のノーマルモードは過去最低の出来である。…いや、単純にボンバーマンとしてでなく、一つのアクションゲームとしても最低の出来である。
何故なら、ゲームバランスがあり得ないくらいに破綻しているからだ。
というのも本作のノーマルモードにおけるボンバーマンは、ステージ開始から数秒間、敵のダメージも自らの爆弾の爆風によるダメージも受け付けない無敵状態になっていて、この状態で爆弾を置くボタン(Aボタン)を連打し続けると、爆風による連続攻撃ができてしまう。この攻撃を使えば、ステージ内にいる敵を何の苦労も無く、あっという間に一掃する事も可能。更にボスの中にも、この攻撃を使えば普通に戦う際の苦労を経験する事無く、あっさりと倒せてしまう奴もいるほど。そして極め付けは、本作ではフリーコンテニュー制という事もあり、仮に制限時間が切れて自滅してしまったとしても、まだ同じ攻撃を続ける、超ごり押しな連続テクニックまでも使えてしまう。
もうこの時点で出てくる言葉はただ一つだ。最悪。本作に限らず、初心者の方がボンバーマンを初めてプレイした際に起こる、爆弾の設置ミスによる自滅を防ぐ為の救済処置として、制作スタッフはこのようなシステムを導入したのだと思われるが、結果として救済どころかゲームバランス自体を崩壊させる技ができるようになる、致命的な逆効果を及ぼしてしまっている。洒落になってない。一応、この技を使わなければバランスの崩壊は防げる事は防げるが、やはり人と言うものは難しい方よりも簡単な方を優先的に選んでしまうというもの。どんなに「真っ当にプレイしたい」という信念があっても直に崩れてしまうほど、このシステムが発するオーラの強さは半端じゃないのである。しかも最悪な事に、その技を使わないと勝つのさえ困難なザコ敵やボスまでもが一部に存在し、一層使用への誘惑を加速させる。もう、踏んだり蹴ったりである。
敵との戦いの面白さに特化したステージ構成やアクションゲームとしての手応えを重視した姿勢と言った魅力もこのバランス破綻のせいで台無し。
とにかく、思わず吐きたくない言葉を吐きたくなるほど酷いのだ。別の視点から見れば面白いと言えば面白いが、真っ当な視点から見て、これの何処がゲームとして素晴らしいと言えようか。そして、ちゃんとしたゲームと言えようか。
もはや、結論は先に言ってしまっているが。
それだけに敵との戦いに特化したステージ構成、単なる爆風当てにならない工夫を凝らしたボス戦、シリーズ初となる2人同時プレイなどの見所が勿体無さ過ぎる。無敵時間が短いとか、そう言った配慮があればこれらの要素も活きてきたというのに。全く持って、ここばかりは失礼だが「大バカ野郎」としか言い様が無い。

しかしながら、ボンバーマンシリーズの看板モードとも言える『バトルモード』は、そのようなバランス崩壊の部分は無く、総じて優れた完成度を誇っている。ステージもシンプルなものから複雑なもの、更には奇妙なものまでと…実にバリエーション豊かで、ボリューム満点。対戦そのものも、これまでの旧シリーズ同様、思わずムキになってしまうほどの見事な面白さがあり、特に4人対戦に関しては、2人対戦よりも盛り上がる事は間違い無し。若干、オプションで設定できる項目が少ない事、周辺機器を使わないと出現しない差別まがいなバトルステージが存在する…という欠点もあるが、総評して接待ゲームとしては隙の無い仕上がり。この辺りは、流石対戦にこだわりのあるシリーズだけにある…と感心させられる。それだけに、繰り返しになってしまうがノーマルモードのバランス破綻が本当に勿体無い。
その他、グラフィックと音楽の出来もよく出来ている。特に音楽はノーマルモードの曲の出来が良く、思わず耳に残ってしまうインパクトのある曲が沢山用意されている。特にワールド4、ワールド6で流れる曲は必聴の価値ありだ。
また、登場キャラクター達も実に濃いメンツが揃っており、中でもワールド2のボス『ピエロマスク』は必見。彼がダメージを受けた後の一定時間の間に見せる『嘆きの顔(?)』には、誰もが爆笑してしまうこと間違い無しだ。

操作性についても申し分なく、キーレスポンス並びにボタン配置共に快適。特に今作では、ボンバーマンが歩く際にとても可愛い、ピコピコとした足音を発するので、過去のシリーズ以上に「動かす事の面白さ」が強調されているのが印象的だ。また、スーパーファミコンに進出した事を意識してYボタンを使ったアクションを盛り込むなど、コントローラの特徴を考慮した工夫が見られるのも感慨深い。
コンテニュー方式も、過去のシリーズと同様にパスワードコンテニュー方式を採用しているが、今作からは4桁の数字で表示される仕組みとなった影響で非常に覚え易く、尚且つメモをし易くなったのも見逃せない部分である。
それだけに、繰り返しになってしまうが、ゲームバランスの崩壊っぷりが痛過ぎる。本当にその欠点さえなければ、本作は名作に文句無しに値していた。だが、実際は名作ではなく、迷作というのが妥当な出来である。折角のボンバーマンシリーズのスーパーファミコン初進出作品が、このような最悪の形で始まってしまった事には同情を禁じえない。
しかしながら、接待ゲームとしての出来は悪くないので、パーティゲームを求めている方に本作はおススメだ。一本のアクションゲームとしては言うまでも無く…おススメできず。純粋にアクションゲームとして楽しみたいという方は、本作以上にゲームバランスがしっかりとした続編の『スーパーボンバーマン2』を選択する事を推奨する。それでも…という方は、引き止めない。但し、それで後悔してもこちらは一切の責任を問わないので注意されたし。全て自己責任でお願いする。
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