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≫Hard Corps:Uprising(ハードコア アップライジング)
■発売元 KONAMI
■開発元 アークシステムワークス
■ジャンル 2Dアクションシューティング
■CERO B(12歳以上対象)
※暴力、問題言語表現あり
■定価 1470円(税別)
■公式サイト ≫KONAMI:商品ページ / ≫PlayStation Store:商品&購入ページ
▼Information
■プレイ人数 1人(オンライン時:2人)
■セーブデータ数 1つ
■必要HDD容量 1410MB(セーブ容量:400KB)
■その他 PlayStation Network対応、トロフィー機能対応、追加コンテンツ対応、振動機能対応、ボイスチャット対応
■推定クリア時間 7〜9時間(エンディング目的)、40〜45時間(完全攻略目的)
2613年。
世界は、皇帝ティベリウスが支配する帝国『コモンウェルス』による支配が行われていた。
近隣の諸国は、その圧政に苦しんでいた。
各地でレジスタンスによる反乱も起き、その争いにより、多くの血が流れていった。

帝国の圧倒的な軍事力の前に、成す術もなく淘汰されていくレジスタンス。
彼らは手を組み、ある作戦を決行する。
作戦のリーダーは英雄バハムート。
彼が受けた最初の任務は、敵地に単騎突入し敵の本隊を叩くというものだった。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆迫り来る敵を撃ち倒しながら突き進む、魂斗羅シリーズ伝統のシンプルで爽快なゲーム性
◆絶妙な敵配置と奇抜過ぎるギミック、ド派手な演出が光る、練り込まれたステージ構成
◆ライフ制採用で一発アウトの危険こそ減れど、ダメージを喰らえばピンチに陥るシビアな調整が施された、魂斗羅シリーズらしい硬派なゲームバランス
◆ライフ制による独特の味付けと猛烈な高難易度で魅せる『アーケードモード』
◆経験値によるプレイヤーキャラクターの強化システムを導入し、シリーズ初心者にも突破できる余地を残した柔軟なゲームバランスと特徴的なシステム周りを売りとした『ライジングモード』
◆正統派から防御重視、更には近接攻撃で戦う奇抜なタイプまで、シリーズの常識に捉われない個性付けが成された全五人のプレイヤーキャラクター達(※但し、三人は有料DLC)
◆ダッシュ、二段ジャンプ、弾丸弾きと言ったスタイリッシュで戦術性に富んだ新アクションの数々
◆独特のメカデザインと多彩な攻撃パターン、そしてぶっ飛んだ展開でプレイヤーを翻弄するボスキャラクター達
◆ステージ総数こそ少なめながら、濃厚な構成と膨大なやり込み要素の数々魅せるボリューム
◆直感的にキャラクターを動かせる気持ちよさと適切なキーアサインが光る操作性
◆過去の魂斗羅シリーズとは180度異なる、アニメっぽさ全開のデザインが異彩を放つグラフィック
◆ロックサウンド全開の耳に残る音楽(特にボス戦の曲が秀逸)
◆ダウンロード配信専用タイトルとは思えぬクオリティを誇る、圧巻のオープニングムービー
◆魂斗羅シリーズの伝統に則った、ド派手なエフェクト全開の派手な演出
◆ステージクリア時のジングルに隠し楽曲など、随所に仕込まれた過去の魂斗羅シリーズネタの数々

--- Bad Point ---
◆非常に遊び易く、初心者にも適した内容なのに何故かメニュー画面で『アーケードモード』の次の位置付けにされた『ライジングモード』(難易度的に逆の配置の方が適している)
◆ステージの長さと難易度の高さもあって、魂斗羅シリーズ全体で見ても骨が折れるレベルの手強さを誇る『アーケードモード』(おまけに気軽に一周できないというデメリットも…)
◆鬼畜トロフィー『奴ら…ゆるさん』(※アーケードモードをノーミスクリアしろというもの)
◆性能的に面白く、挑戦的なのに有料DLC扱いにされた三人のプレイヤーキャラクター
◆軽くて大人しく、エフェクトの派手さと釣り合ってない感が否めない攻撃ヒット時の効果音
◆所々で英単語が混じる為、読み難さが否めないストーリー解説テキスト
◆演出的には見応え抜群ながら、難易度的に苛烈極まりないラスボス最終形態戦(ライジングモードなら、強化で少し簡単にできるが、アーケードだと…)
◆やや長めのロード時間(ただ、これのおかげで休憩を挟みながら進めていけるメリットも)
▼Review ≪Last Update : 7/31/2016≫
新たなる斗魂の継承者達の勇姿を見よ。

一人、ストライダーな戦い方をする者も居るが、気にしてはならない…。


硬派な難易度と爽快なゲーム性、ド派手な演出とステージ構成で多くのアクションゲーマーを魅了した、コナミのアクションシューティングゲーム『魂斗羅』シリーズの最新作にして、メガドライブの『魂斗羅ザ・ハードコア』の世界観をベースとしたスピンオフ的な作品。開発は『ギルティギア』シリーズ等で知られるアークシステムワークスが担当し、作中のアニメーションムービーは『アニマトリックス』、映画『マインド・ゲーム』等で知られるSTUDIO 4°Cが製作。

魂斗羅シリーズの新境地を開拓した、やり応え抜群の傑作だ。

基本的なゲーム内容は、ステージクリア型アクションシューティングゲーム。主人公のバハムート、或いはクリスタルのいずれかを操作し、迫り来るコモンウェルス帝国の兵士達を銃火器で蹴散らしながら、皇帝ティベリウスの打倒を目指すというものである。
本編の流れは、魂斗羅シリーズの伝統に則ったアーケードスタイルの一本道構成。各ステージのクリア条件も、最後に待ち構えるボスを倒すという王道のもので、その構成も「前半の道中⇒中ボス戦⇒後半の道中⇒ボス戦」というシリーズのセオリーに基づいた設計。シリーズファンは勿論のこと、新規のプレイヤーもすんなりと馴染める仕組みとなっている。
対し、システム周りに関しては、ベースこそ魂斗羅シリーズお馴染みの射撃武器で敵を撃ち倒していくシューティング色全開の設計だが、細かい部分が従来作と異なる。その象徴がライフ制、プレイヤーアクションの二箇所。前者に関してはその言葉の通り、敵に触れたり、被弾した際に減るライフポイントが空になると1ミスとなるシステム。魂斗羅シリーズと言えば、一発でも敵の攻撃を喰らってしまうと、問答無用で即死となる一発アウト制が特色だが、今作は最大三回までの攻撃に耐えられるようになっている。システム的にはメガドライブの『魂斗羅ザ・ハード・コア』からの復活でもあり、元々今作が同作をベースに作られた新作というのを考えれば、当然の復活と言えるものとなっている。しかし、ライフ制だからと言って難易度が低下した訳ではあらず。ダメージを受けると、それまで持っていた武器を落として初期装備の武器に強制的に切り替わり、プレイヤーキャラクター(主に攻撃力)が大幅に弱体化してしまう。しかも、今作もニンテンドーDSの『魂斗羅Dual Spirits』と同様、デフォルトの装備が連射性、威力共に劣る豆鉄砲。雑魚敵はおろか、ボスを倒すに当たっても僅かなダメージしか与えられない最弱の武器になっている。そんな武器に強制的に切り替わった際の絶望感たるや、語るに及ばず。その為、ライフ制とは言え、敵の攻撃は極力、回避する必要が出てくる。過去の魂斗羅が一発アウト制だった事から、ライフ制になっただけでも「簡単になったのか!」と思うかもしれないが、断じてそうあらず。そんな印象を抱いたプレイヤーを奈落の底に叩き落とす、情け容赦の無い作りになっている。但し、これは『アーケードモード』に限った時の話。もう一つの『ライジングモード』だと、ちょっとその辺が変わってくるのだが、それについては後ほど。
後者のアクション周りも新たにダッシュ移動、二段ジャンプ、弾丸弾きと言ったものを実装。しかも、ダッシュに関しては空中でのダッシュも可能で、カプコンの『ロックマンX』シリーズチックな立ち回りまでできるようになっている。また、ダッシュと弾丸弾きは組み合わせて使用する事もでき、タイミングが合えば駆け抜けるようにステージを進めていく事も可能。当然ながら、できるようになるには相当な練習が必要とされるが、そのスピーディな展開と爽快感はこれまでの魂斗羅シリーズには無かった魅力が満載。走りながら迫りくる敵をなぎ倒していくというシリーズのコンセプトを更に発展させたかの如き仕上がりで、シリーズの新たな方向性を打ち出したアクションになっている。
こんな具合に今までの魂斗羅とは異なる要素を実装。勿論、二段階にパワーアップする武器とそのラインナップ、左右の手に装備できて好きなタイミングで切り替える事ができるシステム、そしてステージクリア方式の本編構成と言った従来の魂斗羅シリーズから継承されたものもある。但し、一方で難易度選択機能は廃止。今回は一つの難易度に絞り込んだものになっている。そして、その代替的な要素として、つい先ほどに触れた『ライジングモード』が実装されている。
先にモードの詳細を語る前に話しておく事として、今作には今作には本編に当たるモードが二種類ある。一つは従来の魂斗羅スタイルで構成された『アーケードモード』。もう一つが新しいシステムを盛り込んだ『ライジングモード』。この二つの内のいずれかを選び、操作するキャラクターを選んで本編を攻略していく事になる。『アーケードモード』はいつもの魂斗羅。一本道構成で、ステージを順に一つずつ攻略していく。従来の魂斗羅と決定的に異なるのは難易度が選べないこと。今回は固定された難易度でステージ攻略に挑む事になる。なお、デフォルトの難易度は高め。最初のステージからして容赦なく殺しにかかってくる、苛烈なバランスになっている。ニンテンドーDSの『魂斗羅Dual Spirits』のノーマル並みかそれ以上とも言える難しさと言えば、シリーズ経験者ならそのヤバさが察せるだろう。
対し、『ライジングモード』は『アーケードモード』の内容に能力強化のシステムを盛り込んだ、現代仕様のモード。このモードに限り、ステージクリア時に換算されるスコアが経験値としてストックされ、これを欲しい能力に割り振る事によって、プレイヤーキャラクターを強化させる事ができるのだ。強化できる能力で代表的なものを挙げると、ライフの最大値アップ、ダメージを喰らった際の武器ドロップを無くす、最初からマシンガン等の武器を装備した状態でゲームを始めるなど。いずれも難易度に大きな影響を及ぼす能力ばかりで、アーケードモードがきつくて進められないプレイヤーにはまさに打ってつけ。更にシリーズ初心者にも配慮された作りで、これが今作における事実上の難易度選択システムに当たる救済措置。当然ながら、こう言った要素を取り入れているので、ステージ攻略もし易いなど、これこそが今作のメインとも言えるモードになっている。こう言った成長要素無しの従来仕様と成長要素有りの新型の二本立て。どちらも完全な差別化が図られた内容になっており、一本で二つの異なる魂斗羅が遊べる仕上がりになっている。
その他、今作はプレイヤーキャラクターも選べるようになっており、スタンダードなバハムート、スピードに秀でたクリスタルのいずれかで遊ぶ事ができる。更にハーレイ、サユリ、レヴィアタンが居るのだが、この三人は追加ダウンロードコンテンツとして配信されている有料キャラクターな為、個別に購入しないと選択する事ができない。更にこの三人は性能的にもバハムート、クリスタル以上に個性の強いものになっている。ハーレイは耐久力に秀でたタイプ、レヴィアタンは耐久力に劣り武器も一種類しか装備できない玄人タイプ、そしてサユリに至っては何と近接武器で戦うという魂斗羅シリーズ史上きっての異色のタイプ。いずれも変わったスタイルで遊びたいプレイヤーに向けたキャラクターだが、シリーズに新風を吹き込む意欲的なチャレンジも行われているなど、なかなか侮り難い個性付けが成されている。特に近接武器で戦うサユリは必見。このキャラクターだけでも購入しておく価値はあると言ってもいいだろう。
そんな具合によりスタイリッシュになったアクションに成長要素を取り入れた新モード、近接武器で戦うキャラクターの導入など、ベースは魂斗羅ながらも非常に意欲的な要素を盛り込んだ内容。加えてハードで伝統の魂斗羅と新たな方向性を突き詰めた魂斗羅の二本を収録したカップリングとも言える豪華版にもなっていて、ボリュームも満点。外注製作、それも国内の他メーカーが手掛けながらも、シリーズの血筋を明確に引き継いだ新作になっている。

そんな今作の魅力は、モード別の差別化とライジングモードが見せる新しい魂斗羅の形だ。
特にモードごとの差別化は絶妙の一言。従来の撃ちまくりスタイルで突き進むアーケードモード、じっくり取り組むライジングモードとゲーム性とゲームバランスで明確な違いを描いており、異なる味わいを持つモードとして完成されている。
味付けが異なるモードが二つ収録されているが故のお得感も相当なものだ。実質、二本分のゲームが入っているも同然なので、全てを遊び切ろうとなると物凄い充実感が得られる。加えて、単体のボリュームもかなりのもの。ステージ総数こそ、従来の魂斗羅に則って控え目ではあるのだが、一つ一つのステージの密度が物凄く濃く、普通に攻略するだけでも10分以上はかかるので、やり応えが半端無い。難易度も基本からして高め且つ、最初のステージ1からしていきなりプレイヤーを殺しにかかってくる苛烈さ。そう簡単にはクリアさせてくれないバランスなので、クリアするだけでも相当なパワーを要するものになっている。
とは言え、進行状況がセーブされるようになっている上、敵配置も嫌らしいとは言え、何度かプレイを重ねる内に対処法が見えてくる調整。決して、遊んでいてやる気を無くす類のものでは無く、やり込めばやり込む度に奥深さが増していくバランスになってい。しかしながら、「前半の道中⇒中ボス戦⇒後半の道中⇒ボス戦」という構成なのもあって、密度の濃さと疲労感はかなりのもの。歴代シリーズで見てもダントツだ。これだけでも、今作が如何にコストパフォーマンスの高い内容なのかは察する事ができると思われる。差別化が万全なのに加えて内容までギッシリと詰まっているというだけに、本当にゲーム単体としてのやり応えはフルプライスのゲームと言われても違和感が無いほど。これを1500円の低価格で販売してしまって本当に大丈夫なのですかと、本気で心配になるぐらいに濃密な内容に仕上げられているのである。これに先の追加キャラクターを加えるとなれば尚更。追加しなくてもこの密度なのだから、別に買わずとも十分に満足できる内容になっているのが想像できると思う。
密度の濃さのみならず、『ライジングモード』に象徴されるように、シリーズの新境地を切り開こうとする試みが炸裂しているのも今作の大きな魅力の一つでもある。特に『ライジングモード』はさながら、探索型の悪魔城ドラキュラシリーズを髣髴とさせるアプローチを施したゲームデザインが秀逸。クリアまでに至れないステージもパワーアップを順次、解禁していく事で次第に突破口が見えて難易度が下がっていくだけでなく、後からクリアしたステージをやり直してスコアポイントを稼ぎ、一気に能力を解禁させると言ったRPG的な攻略法が通用する余地も残すなど、プレイヤーの好みに応じたスタイルで本編の攻略が楽しめるので、魂斗羅シリーズが初めてな方もじっくり取り組めばエンディングへと到達可能な間口の広いゲームバランスを実現している。強化できる能力も体力や武器の標準装備はさることながら、残機数の増加からジャンプ中に無敵時間を発生させるまで、かなりのバリエーションが用意されているのに加え、そのどれもが難局突破に効果的なものばかりなので、自然と解禁したくなる。RPG的な仕組みを持ったシステムというのもあって、強力なものほど必要なスコアポイントが高くに設定されていて、それに伴って作業プレイが発生する難点もあるのだが、テクニックが要されるタイプのアクションゲームでこのような救済措置を盛り込んでいるのもあって、苦しい場面も能力次第で突破可能という希望を残しているのは地味ながらも革新的な試みであり、単に難易度を下げるだけという措置以上に効果的な働きをしている。
強化前が非常に弱く、ステージクリアもままならないなど、心が折れかねない高難易度が演出されている所は限度を超え過ぎてて残念だが、いわゆる簡単な難易度では無く、遊び方の違うモードとして初心者に魂斗羅シリーズ特有の歯応えのあるアクションを楽しんでもらうようにしたこの試みは、アーケードスタイルのステージクリア型アクションゲームの有り方に一石を投じるものと言えるだろう。まだ粗削りな所はあるが、簡単な難易度を入れてそれでお終いとしない辺りのこだわりは特筆すべきものがある。遊び易さの面でもアーケードモードを凌駕しているので、是非とも最初にプレイしてみて頂きたいモードだ。その良心的な設計と中身の濃さには相当な充実感を得られるだろう。
ライジングモードのみならず、キャラクター周りの差別化も秀逸。特にサユリは、もはや魂斗羅ではなく『ストライダー飛竜』というぐらいにゲーム性が一変するのが面白い。惜しむべきは彼女が追加ダウンロードコンテンツな為、購入する必要があること。普通にデフォルトで本編に組む価値のあるのに、このような措置が取られてしまっているのが残念でならない。玄人向けだから、という意図なのかもしれないが、シリーズのアクション性に新境地を切り開いたキャラクターなので、気軽に使えないのはもどかしい限りだ。
また、密度とやり応え抜群とは言え、裏を返せばかなりしんどい難易度なのも事実。特にアーケードモードはダメージを喰らうとどんどん弱体化していく仕様もあって、かなりの難易度になっている。その高難易度のモードがメニュー画面において先頭に立ってしまっていて、初心者でも遊べる余地を残した『ライジングモード』が二番手に位置付けられているのも納得が行かないし、変に勘違いされかねない。できることなら、この並びは逆転して欲しかったところだ。
そんな難点も多くあるが、全く異なるバランスの魂斗羅を二つも入れた内容の濃さとやり応えは色褪せない。特にライジングモードはこれまでシリーズを遊んだ事の無い方にこそプレイしてみて欲しい。新しい魂斗羅とアーケードスタイルのステージクリア型アクションゲームの新境地を見る事になるだろう。このモードだけ遊んでも相当な充実感が得られるので尚更だ。それほどまでに光るものを持ったゲームモードになっている。

操作性もアクションこそ多めながらも、直感的に動かせる気持ちよさが光る仕上がり。特に今回はダッシュのアクションが存在する故、疾走感があり、旧シリーズには無いスタイリッシュなアクションが楽しめる作りになっているのは特筆すべきところ。二段ジャンプ、弾丸弾きの操作感も素晴らしく、後者は慣れが要されるが、自然にできるようになった際の「してやったり感」は格別。それを味わうだけでも、非常に極め甲斐のあるアクションとなっている。
また、ボリュームが注目されがちなステージは、レベルデザインに関しても珠玉の出来。魂斗羅シリーズらしいハチャメチャな展開がどのステージでもこれでもかと言わんばかりに繰り広げられる。勿論、ボス戦も迫力十分。シューティングめいた戦いや異様な環境下での戦いなど、斬新過ぎるアイディアが炸裂した場面も盛り沢山なので必見だ。
グラフィックも過去の魂斗羅シリーズと異なる、アニメ調のデザインが異彩を放つ。キャラクターデザインもアニメ調で、昨今の若い世代にも受け入れ易いものになっているのも特筆すべきところだ。そして、メカデザインが実に秀逸!こちらもアニメ調のデザインになっているのだが、どれもこれも凄く個性的で、カッコイイものになっている。アニメ調故に若干、ネーミング的にクサい所があるのだが、それを含めても強烈な印象を残すものになっているので要注目だ。
音楽も素晴らしい出来。ロック全開の熱い楽曲が揃っている。印象深い楽曲も多々あり、その中でも通常ボス戦で流れる楽曲は秀逸の一言!アークシステムワークスの代表的なクリエイターにして、ギルティギアシリーズでも数多くの名曲を輩出し続けている石渡大輔氏が担当しているだけにある質の高さなので、氏のファンなら要チェックも要チェックだ。

演出周りも非常に凝った仕上がり。特にオープニングのアニメムービーは圧巻。ダウンロード配信専用タイトルでここまでやるか?とボヤいてしまうこと必至の出来になっている。エフェクト周りも、さすが魂斗羅シリーズと言わんばかりの派手さ。また、それほど深く描かれる訳ではないが、ストーリーも興味深い内容。ライバルキャラの登場、エイリアンでは無く軍隊が敵であるという設定等、新たな試みがふんだんに盛り込まれている。また、主人公のバハムートなど、『魂斗羅ザ・ハード・コア』との繋がりを示唆するようなネタもチラホラ。シリーズファンも見逃せない。
難易度の高さと密度の濃さにヒット時の効果音が軽さなど、欠点も少なからずあるが、それを含めても作品自体の完成度は頭一つ抜けている。パッケージタイトルとして販売されても違和感のないボリュームに作り込み、魂斗羅シリーズの新境地を切り開いた試みの数々など、何処も彼処もダウンロード配信専用タイトルでここまでやるか、と言わんばかりのクオリティだ。難易度の高さもあって、アクションゲームが苦手な人にはお薦めし難いが、それを乗り越えてでも遊ぶべき価値と魅力を併せ持った今作。PS3、或いはXbox360をお持ちで、アクションゲームが大好きで仕方が無いプレイヤー、魂斗羅シリーズのファンなら何が何でもプレイすべき傑作だ。シリーズの新境地を切り開く試みの数々と圧倒的なボリュームをその手と目で体感せよ!人を選ぶが、かなりお薦め!追加DLCも併せてどうぞ!
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