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≫Pixel Junk Shooter 2(ピクセルジャンクシューター2)
■発売元 キュー・ゲームス
■ジャンル 流体アクションシューティング
■CERO A(全年齢対象)
■定価 500円(税別)<※旧価格は952円(税別)>
■公式サイト ≫こちら
▼Information
■プレイ人数 1〜2人
■セーブデータ数 1つ
■必要HDD容量 123MB(セーブ容量:161KB)
■その他 PlayStation Network対応、振動機能対応、トロフィー機能対応、ボイスチャット対応、ヘッドセット対応
■推定クリア時間 7〜8時間(エンディング目的)、22〜28時間(完全攻略目的)
故郷に家族を残してきた採掘労働者達。
資源ビジネスで巨万の富を狙う投資家達。
真実を探求しにやって来た科学者達。

辺境宇宙の惑星『アポキスプライム』で発生した地下災害。偶然にも、そのSOS信号を受信した一台のスペースシップが遭難者達の救出へと向かった。
一人の勇敢なパイロットの活躍により、続々と救出されていく遭難者達。
だが、地下最深部で起きた悪夢で事態は一変。
人間の業も希望もシップもろとも全てを飲み込み、更なる深淵に連れ去ってしまう…。

果たして、生き残った遭難者達を救出し、無事再び地上に生還することはできるのだろうか?それとも、水の泡のようにただはかなく消え去る運命なのだろうか…?
▼Points Check
--- Good Point ---
◆前作と変わらず、遭難者救助と脱出の二つを目指すという奇抜さが光るゲームルール
◆同じく前作と変わらず、物理演算処理による滑らか且つ、迫力満点の流体運動とそのエフェクト
◆不気味な再生演出とエフェクト周りが光る、今作からの新たな流体『細胞』
◆新しい特殊スーツの追加で、ますます奇抜さが増した自機のアクション全般(『ハングリースーツ』なるパッ●マン染みたアクションとシチュエーションは必見!)
◆相変わらず、プレイヤーを感嘆させる驚きのアイディアが炸裂した、流体を使ったギミックとパズルネタの数々
◆巨大生物の体内、謎の地下工場、暗闇地帯など、前作とは打って変わったダークな路線で描かれたビジュアルが異彩を放つステージロケーション
◆前作未経験者を容赦なく切り捨てるという非情なる潔さと個々のステージの明確な差別化を図る作り込みの深さが光る、丁寧で過激な一面も孕んだレベルデザイン
◆前作にも増して攻撃周りが苛烈になったほか、演出面も大幅にパワーアップしたボス戦(特に弾幕以上に恐ろしいもので攻撃してくる最終ボスは必見)
◆前作経験者以外お断りという今時珍しいスタンスでまとめられた、歯応え抜群の難易度設定
◆難易度の上昇により、更に密度と充実感が高まった総計ボリューム(ダイヤモンド探しのやり込み要素も健在)
◆前作同様に二つのスティックと二つのボタンだけで遊べる、独特ながらも取っ付き易い操作性
◆ダークな路線になったが、明るくポップな雰囲気はそのままの個性的なグラフィック
◆全体的にシリアスな楽曲が増え、緊迫感を引き立てる作りへと一新された音楽
◆おまけに近い扱いだが、多様なルールと深い戦略性が光るオンラインバトルモード

--- Bad Point ---
◆前作未経験者完全お断りの仕様(ストーリーは続きもの、難易度も経験者を前提としたバランスなど、今作から始めて問題ないと言ったら八つ裂きにされるレベル)
◆弾幕要素の強化(敵、ボスに弾幕を張ってくる敵が増えた事で、苛烈な場面が増えた)
◆難易度上昇でリトライの頻度が高まった反動で、若干低下した感が否めないゲームテンポ
◆全く改善されていない、ボスステージ解禁に必要なダイヤモンド総数の多さ(加えて今回は難易度上昇で、クリア済みステージのやり直しがもの凄くしんどい)
◆同じく見た目のインパクトは凄いが、再プレイ時においてはストレス要因にすらなる流体演出(特に『細胞』は消滅するのに時間がかかるのもあり、結構待たされる)
◆噴出箇所が小さく見え難い等、やや調整不十分な所も見受けられる新たな流体『酸』
◆悪く言えば、プレイヤーの精神と心を粉砕するほどに強い最終ボス(泣きたくなるほどです…)
▼Review ≪Last Update : 9/20/2015≫
遭難者は語る、ここからが真の地獄だ。

そして我々は、弾幕を上回る脅威を体感する事になる。


物理演算処理によって描かれた美しい流体運動描写と独特のゲームデザイン、そして衝撃の結末で国内外共に高い評価と話題性を獲得した『ピクセルジャンクシューター』の続編。

素晴らしき流体運動の世界が牙を向く!
前作から180度一転した高難易度とピンチの連続で心を圧し折る、衝撃の続編だ。

基本的なゲーム内容は前作と変わらない。横スクロールで展開するステージクリア型オールレンジシューティングゲームで、自機を操作して地下世界の洞窟で助けを求める遭難者(サバイバー)を救出したり、敵などを倒したりしながら進路を確保し、出口を目指していくというものだ。複数のエリアから成り立つ360度自由に動き回れるステージ、遭難者を一定数助けて『ゲート』を開放していくステージの流れ、『ヒートゲージ』なる温度を示すゲージによって状態変異を起こす自機と言った特徴的なゲームシステムも継承。勿論、物理演算に基づいた動きが特色の『フルイド(流体)』、その流体と絡ませた独自のギミックもそのまま。基本的には前作のシステムを継承し、新要素を追加した、正統進化に徹した続編となっている。ストーリー自体が前作のエンディング後というだけにある、妥当な設計と言ったところだ。
そんな今作からの新要素を一つずつ紹介していくと、まず最初に新型流体『細胞』と『酸』の登場がある。前者に関しては流体というよりはギミックに等しく、水をかける事によって溶けるのだが、一定時間が経過すると解けた部分が徐々に再生していくものとなっている。なので、完全に溶かしきる事は不可能。仮に進路上を塞いでいる場合は、再生するまでの内に水で溶かした隙間を急いで潜り抜けるというテクニックが求められてくる。地味ながら、水をかけて溶かした際の反応もマグマや水よりも若干、遅めとなっているほか、その時の音も独特。加えて、溶かしたポイントには虫のような何かが飛び回ると言った気色悪い演出まで仕込まれている。仕組みこそシンプルながらも、その特徴が醸し出すインパクトは結構なもの。登場も最序盤と早く、嫌が応にも遊んだプレイヤーに印象を残すものになっている。
そして後者に関しては、名前の通りに自機にダメージを与える流体。触れれば致命傷を負う危険物となっている。但し、これは水やマグマと異なり、溜まることは無い。逆に水に触れた際に発生する『気泡』は溜まるようになっている。更に『気泡』に接触すると、何と自機が制御不能状態に。コントローラの操作が一切効かず、回転しながら動き回ってしまうのだ。しかも、ステージの中には気泡で埋め尽くされたエリアもあり、その中に飛び込んで出口を目指す、なんて場面も用意されたりする。全く制御不能という訳では無く、遭難者救助に用いるアームを一定のポイントに引っ掛ける事で、回転しながらその場に留める事ができるのだが、その方向をよく見計らってアームを切り離さないと、進みたい方向に進まず暴走して右往左往…なんて事も。『細胞』がシンプルな不気味さを描いているのなら、こちらは二つの性質でプレイヤーを翻弄させると言った趣の仕上がり。そのインパクトはかなりのもので、今作における脅威の一つと言わんばかりの流体となっている。先の細胞も細胞で怖いが、こっちはその上を行く怖さ。ビジュアル的にも不気味な仕上がりで、少しゾッとするものを感じること請け合いだ。この二つ以外で新たに登場した流体は特に無し。本当に最小限と言った感じだが、いずれの流体も仕様の通り、数の少なさなど全く気にならないほどに”濃い”。まさに量より質を追求したとも仕上がりになっており、少ない要素でも十分に違いを演出できるという事を見せ付けられるだろう。
そして第二の新要素としてスーツ。新たに『ハングリースーツ』と『ライトスーツ』が追加された。前者は自機の先端が生物の口となり、特定の土を掘れるようになる掘削型のスーツ。このスーツを装着した時に限り、自機の進行方向が上下左右の四方向に固定され、ショット攻撃が不可能になる仕様となっている。土を食べるかのように掘り、上下左右の方向に移動するその姿はまるでパッ●マン。実際、明らかにそれを意識したとしか思えない場面もあったりと、往年のゲーム好きをニヤリとさせるネタも仕込まれていたりする。そんなアクション以外にも見所があるなど、インパクト十分のスーツとなっている。そして後者は文字通り、自機からライトが発せられるようになるスーツ。これに併せて第三の新要素を紹介してしまうが、今作には新たなエリアとして暗闇を追加。そのエリアにて、このスーツが活躍する。基本的にライトを発するのは、自機が向いている方向のみ。そのライトを色んな所にかざし、進路を確保していく事になる。まるで迷路探検のような感じで、暗闇自体も当にライトを照らさないと見えないよう黒く塗り潰されているほか、それにちなんだ隠しルート、トラップも豊富に仕込まれているなど、探索意欲を大いに刺激する仕上がりとなっている。先のハングリースーツに比べると、ビジュアル的に普通な感じもあるが、新要素の『暗闇』と絡んだ探索の面白さはなかなかのもの。シンプルながらも侮り難い深みを持った作りとなっている。これ以外で新規に追加されたスーツは無し。また、前作にあったスーツのほとんどは今作にも登場する。だが、中には前作には無かった使い方をするなど、同じスーツでも活用法を変えているものも。その前作の経験とは異なるやり方が求められてくるのも今作のスーツ周りの見所の一つ。その違った活用法には思わず「そういう使い方もあったか…!」と唸らされるかも。そんな前作とは手法を変えた作り込みも随所で炸裂。前作とは違う遊びを表現するとも言わんばかりのこだわりの仕上がりになっている。
それら既存要素では、他に変更された点として難易度がある。これが何と作の推定2〜3倍にまで上昇。道中に前作の経験を前提とした場面が多数登場するなど、前作未経験者を殺しにかかるレベルデザインが徹底されている。そういう作りであるので、チュートリアルを兼ねたステージも無し。一応、遭難者達からのヒントメッセージは健在で、ある程度の配慮は成されているのだが、だからと言って未経験者も大丈夫とは口が裂けても言えず。繰り返しになるが、最初のステージからしてプレイヤーを本気に殺しにかかってくるので、初体験の方なら心を圧し折られてしまうだろう。更に言うなら経験者なら楽勝なのかと言ったら、それも断じて無い。テクニック周りの経験がある事で、厳しい状況への対処が直にできるようになる程度。基本的な難易度自体が高めに設定されているので、そうサクサクとは行かない。挑むに当たって覚悟が必要な内容であるのかは、言うまでもないだろう。そんな具合に難易度の作風まで前作から激変。正直、前作をクリアできない腕前を持ってないと遊ぶのすらままならないぐらいにきつい。その辺はさすが、前作のエンディングの続きを描いた内容だけにあると言ったところ。露骨なまでに前作未経験者お断りとなっているのだ。
全体的に続編特有のパワーアップを施しつつ、凶悪化を遂げたかとも言うべき仕上がり。世間一般且つ、昨今の続編タイトルは、この作品から始めても問題ないようチュートリアルを設ける等、一定の配慮を成すが、今作はその時代の流れに逆行。前作未経験者は朽ち果てろ!…と完全拒否のスタンスを貫き通した、勝負しまくりの内容になっている。ある意味、低価格のダウンロード配信タイトルだからこそ許された技。その強みが顕著に現れた続編なのである。

言うまでも無く、今作の魅力は前作の「素晴らしき流体運動の世界へようこそ!」としていた難易度が、「これから貴方は流体運動の世界で死んでもらいます」と牙を向くバランスとなった事。とにかく、あらゆる流体とステージの地形、敵配置が本気でプレイヤーを殺しにかかる調整となっており、前作経験者と未経験者双方を地獄に叩き落とす!
散々繰り返しているが、最初のステージからしていきなり難しい。高速移動(左右のスティックを同時に倒す事で発動)を駆使しないと明らかに突破不可能な場面があったり、敵が陰湿な攻撃を仕掛けて来たり、予想だにしない所に出現して奇襲してきたりなど、徹底的にプレイヤーの遭難者救出と脱出を妨害してくる。新たに追加された流体二つにしても、全てが脅威。どれもこれもプレイヤー側に有利に働く側面が強かった前作及び、今作にも引き続き登場する流体とは大幅に性質が異なる為、如何にしてその活動を抑え込むかが求められてくるようになっている。
ステージばかりでなく、敵に今回は倒すのに苦労する面子が多い。中でも脅威なのが『ダンマクエネミー』。名前からしてもう察してしまうが、大量の弾を撒き散らして攻撃してくる。無論、当たればヒートゲージが上昇。一気に浴びた際、どうなるかは御想像の通りだ。挙句、この敵は倒すのも一苦労。水晶の花のような姿をしているのだが、この水晶の部分を遭難者達を救助する際に使うアームで引っ張り、そのまま水晶に弾を撃ち込まなければならない。勿論、水晶の部分を引っ張る際には敵本体に近付かないとダメ。近付く為にも弾幕の嵐を潜り抜けなければならないのである。それを聞くだけでもウヘェ…とたじろいてしまうだろう。
前作から引き続いて登場する敵も、配置がエグい。横幅の狭い通路にマグマを吹きだしてくる敵が潜んでいたり、遭難者達に流れ弾が当たりかねない方向に隠れていたりなど、随所においてプレイヤーの精神を追い詰めてくる。中には流体の特性を駆使しないと倒すのすら不可能な配置もあるほか、その流体の量を少しでも減らしてしまうと蜂の巣にされるなんてパターンもあるほど。性質自体は前作からさほど変わってないのに、配置一つでそこまで悪質になるのかと、その化けっぷりには前作経験者ほど衝撃を覚えること必至だ。
そして、ギミック周りも癖の強いものばかり。中でも新規のギミックである暗闇では、長く居座り続けると謎の敵に襲撃される仕掛けもあって緊張感満点。如何にして明かりを確保していくかと言ったパズル的且つ、素早いプレイが求められてくる。しかも、そのようなエリアに限って『溶岩爆弾』なる、空中に留まった後、360度全体にマグマを飛び散らせるビジュアル的には美しいけど、触れたらジ・エンドな恐ろしいギミックも仕掛けられている。挙句、マグマ自体が明かりを放つのもあり、『マグマスーツ』でマグマを放出しながらの、遭難者達の身の安全を考えたプレイが求められると言った冷や汗ものの展開も。このギミックが出てくるのは終盤なので、序盤からこんなプレイが求められる訳ではないが、それでもそのスリルと難易度の高さは強烈。プレイヤーを殺しにかかるレベルデザインの真髄と言うものを痛感させられるだろう。
極め付けにボス達である。これがまた前作以上に手強いメンツばかり。加えて、シューティング要素が濃くなり、指先のテクニックが求められるスリリングな戦闘が繰り広げられるようになっている。中でもその象徴とも言えるのがエピソード5のボス。今作の自機の特色をフル活用した戦闘になっている。ボス自身も弾幕を撒き散らしてくるなど、かなりの強敵。シューティングゲーム初心者ならば、手を挙げてしまうほどの手強さ。今作のボス戦が如何に前作から大幅に方針を改めて作られているのかを嫌でも思い知らされるはず。
だが、戦闘中に突然、『ギャ●ガ』が始まったりなど、往年のシューティングゲーム好きをニヤリとさせる演出も。強敵ながらも見所を持ち合わせたボスにもなっていて、単に凶悪なボスとして一括りにできない部分があるのは注目…かもしれない。同じくラスボスも今作の高難易度を体現する象徴。ネタバレになるので詳細は伏せるが、このボスはシューティングゲームにおける最大の脅威は『弾幕』という固定観念を根底からぶち壊す、驚愕の攻撃を仕掛けてくる。その凄まじさたるや、弾幕シューティングに慣れ親しんだ人ですら絶望を見るほど。一体、どんな攻撃なのかは、気になる方は是非とも自分の目でお確かめ頂きたい。だが、確かめた瞬間…貴方は絶望するよりも前に撃墜されてしまうだろう…。
他にも前作に引き続き採用された『ダイヤモンド』によるボスステージアンロックのシステムも、基本の難易度が上昇したのに伴ってやや手強いものに。隠された場所も地味に嫌らしくなっている上、アンロックに必要な総数がシビアな点にしても前作譲りで、何度も再プレイに挑む羽目になったりする。意識的に探索を心掛ければ最低減の数は集まるようになっているが、それでも今回はステージ上の仕掛けが殺意バリバリなだけあって探すのも一苦労。まさに鬼に金棒と言わんばかりの進化を遂げてしまっている。
如何に前作から今作が凶悪化したのか、以上の事からも大体、察する事ができるだろう。前作が流体運動による新しいシューティングとしてのゲーム性と映像の世界を描く事に徹したのなら、今作は流体の恐怖とシューティングとしての底力を見せ付けると言った趣。まさに対照的なゲームデザイン、レベルデザインが成されているのだ。

だが、こうも殺意に溢れた作りながら、雑な調整になっていないのは無いのはさすが。確かに前作以上に辛口だが、落ち着いて対処すれば回避可能なものがほとんどで、嫌らしい類のも初見殺しのレベルに落ち着いているので、バランス自体は取れている。また、今回もステージは一つ一つが固有のネタで構成されている為、何処も新鮮味たっぷり。プレイヤーに飽きずに最後まで楽しんでもらいたいという、こだわりの作り込みが成されている。アイディアの面で唸る場面も多く、暗闇地帯が登場する終盤は必見。単に難しくなっただけで終わらせていない辺りは、さすがは任天堂製ゲームの製作経験もあるキュー・ゲームスと言ったところ。挑戦的且つ、職人的なモノづくりは今作でも健在だ。
操作性の良さも前作と変わらず。スティックとLRボタンのみを使う特徴的ながらも手に違和感なく馴染む仕上がりとなっている。これと言って挙動周りに再調整が図られている事も無く、前作の感覚を引き継いでプレイできるのも秀逸だ。
ボリュームは前作と同規模。しかし、密度と充実感は前作以上に濃くなっている。ダイヤモンド集めを始めとするやり込みも健在。更に、それらのやり込みをこなさないとプレイできない特別なステージも用意されているなど、おまけ要素も強化。そのステージもまた、おまけながら非常に印象深いものになっているので必見だ。
グラフィックに関しても前作と変わらず。だが、相変わらず流体運動の動きでプレイヤーを大いに魅了させる仕上がりだ。音楽も前作同様、ボーカル付きの曲が状況に応じて流れる雰囲気十分の仕上がり。今回はストーリー的に危機的状況というのもあり、シリアス調の曲が増えている。特にボス戦においてその魅力が発揮されているので要チェックだ。

演出周りも流体運動の美しさもさることながら、ボス戦での臨場感強化を図る工夫の数々が秀逸。特に今回は攻撃、やられ様ともに凝った作り込みが成されているので、見るだけでも楽しい。前作も前作で、地形が仰々しく変化するなどの仕掛けが凝らされていたが、今作はそれ以上に強化。攻撃も派手且つ、意表を突く物が満載なので必見だ。
その他、ロケーションにしても、前作同様に地底世界という設定に似つかわない嘘っぽさが炸裂。全体的に今回は巨大生物の体内、謎の遺跡など、何処となく冒険心を刺激するシチュエーションが増えているのがユニーク。また、本編以外の新モードとして『オンラインバトルモード』を実装。プレイ人数は二人までと、規模的におまけレベルではあるが、シングルプレイに特化していた前作よりも多少ながら遊びの幅が広がっているのも進化の一つと言えるだろう。
一方で、前作から引き継いでしまった欠点もある。特にダイヤモンドの総数は全く修正が図られていない。これに関しては今作、難易度が大幅に上がっているだけあって、もう少し緩和させて頂きたかったところである。更に一つのステージに時間がかかる点にしてもそのまま。シューティングはテンポが命、と考える方ほどストレスを感じてしまうだろう。
だが、それ以上に厳しいのは前作プレイ必須の難易度だろう。正直、これのおかげで相当、人を選ぶ内容になった感は否めない。薦められるプレイヤーの範囲にしても、内容が内容だけに狭まってしまったのが勿体ないところではある。
しかし、全体的な完成度は高く、何よりもあえてそう言った思い切った方向に舵を取った迷いなきコンセプトには漢気を感じさせられる。難しくなったとはいえ、今回も斬新なアイディアと素晴らしいレベルデザインで魅せに魅せまくる今作。前作のエンディングが気になって仕方がない方なら要プレイの力作にして傑作だ。繰り返しになるが、前作未経験者には全く持ってお薦めできない。難易度も高いので前作経験者でも気軽に遊び難い所はあるが、異なる殺意に満ち溢れた流体運動の世界は一見の価値あり。覚悟が決まったら是非、挑戦してみて欲しい。この過激さは今作でしか味わえない!
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