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≫inFAMOUS Second Son(インファマス セカンドサン)
■発売元 ソニー・コンピュータ・エンタテインメント
■開発元 サッカーパンチプロダクションズ
■ジャンル アクションアドベンチャー
■CERO Z(18歳以上のみ対象) ※過度な暴力、犯罪描写あり
■定価 ディスク版:6900円(税別)、ダウンロード版:5900円(税別)
■公式サイト ≫こちら
▼Information
■プレイ人数 1人
■セーブデータ数 1つ
■必要HDD容量 22GB以上
■その他 Play Station Network対応
■総説明書ページ数 オンラインマニュアル(≫こちら
■推定クリア時間 時間(エンディング目的)、時間(完全攻略目的)
7年前、超能力を手にした超人『コンジット』と呼ばれる能力者たちが各地で出現。力を持たない人々が大多数を占める社会において、人知を超えた力を持つコンジット達は脅威とみなされた。後にコンジットは『バイオテロリスト』と呼ばれて差別されるようになり、彼らを管理・統率する機関『統一保護局(D.U.P.)』が結成。自らもコンジットであるD.U.P.最高責任者ブルック・オーグスティンの下、コンジット達は容赦なく拘束されていくこととなった…。

そんなある日、D.U.Pが管理する監禁施設より複数名のコンジットが逃走。オーグスティンと部下達は彼らを捕縛すべく、逃げた先とされるシアトル近郊の小さな村へと向かう。

同じ頃、村では不良青年のデルシン・ロウが兄であるレジーが描かれた看板に落書きを行っていた。
これから自身に訪れる運命も知らずに…。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆過去作譲りの超能力で敵を戦い、難局を乗り越えていく独自のアクションとゲームデザイン
◆前作準拠且つ、ストーリー上での変化がより露骨なものへと強化されたカルマシステム
◆全三つもの超能力を使役できるようになり、飛躍的なバリエーション強化が図られたプレイヤーアクション
◆アクションの性質から効果までしっかり差別化が図られた三つの超能力
◆前二作とは一転し、実在する『シアトル』の都市を忠実に再現した、現実味溢れるフィールド構成(しかし、コンクリートで構築された建造物と言った非現実的な要素も)
◆もはや別のゲームと言わんばかりに派手になったボス戦(特に『ビデオ』の能力取得前の戦闘は色んな意味で必見)
◆前作準拠の挙動の滑らかさと気持ちよさを特色とした、触り心地抜群の操作性
◆PS4専用コントローラ(DUALSHOCK 4)の特性を活かした、ユニークな操作性と画面構成で楽しませてくれるサブミッション『ステンシルアート』
◆勢い重視の作風とデコボコな兄弟愛、コンジット同士の関係を描いた展開の数々で魅せる、印象深いストーリー
◆「悪ガキ」っぷりと若者特有の脆さを持つ、カルマシステムとマッチしたキャラクターに仕上げられた主人公のデルシン
◆前作同様に日本語吹き替え仕様で、ストーリーの盛り上げに貢献しているボイス演出
◆ほぼ実写なキャラクターモデリング、美麗なエフェクトが異彩を放つグラフィック
◆グラフィックの強化と併せてより派手に、生々しいものへと進化を遂げた演出周り
◆前二作と変わらず、18歳以上のみ対象タイトルとは思えないほど控え目な暴力描写

--- Bad Point ---
◆前作の二分の一に減少してしまった本編のボリューム(その分、周回プレイがし易くなっている)
◆ボリューム減少に伴い、大幅に早まった新アクション解禁タイミング(この影響でアクションの特色が少し把握し難い)
◆敵の射撃命中率が前作と大差なく、改善されたという手応えに欠けるゲームバランス
◆ミッションがどれも前作の焼き直しばかりと、全体的にマンネリ気味のレベルデザイン
◆相変わらず全体的にワンパターンで、似通ったものが多いサブミッション
◆今作の為に特別に開設されたWEBサイトとの連動と言う発想は面白いが、連動の過程が非常に面倒で、面白さ以上に辛さの方が勝ってしまっている『ペーパートレイル』のミッション
▼Review ≪Last Update : 12/27/2015≫
その男は救世主か、ただの悪ガキか。

彼の未来はその行動によって決まる。


人知を超えた能力を駆使して戦う豪快且つ、爽快感抜群のアクションと開放感に秀でたオープンワールド、そしてヒーローの苦悩をプレイヤーに体感させる『カルマシステム』、それと密接にリンクしたストーリーで話題を呼んだ『inFAMOUS(インファマス)』シリーズの最新作。開発は前二作同様にサッカーパンチプロダクションズが担当。

前二作を上回る暴れまくりの壊しまくりで送る、勢い重視のシリーズ第三弾だ。

ゲーム内容は前二作と同様、広大なオープンワールド(箱庭空間)を舞台に展開する、ミッションクリア型アクションゲーム。ある事件を機に超能力を宿した『コンジット』になってしまった主人公デルシン・ロウを操作し、故郷を襲った『統一保護局(D.U.P)』とその最高責任者ブルック・オーグスティンを追い詰めるべく、彼女達が支配下に置くアメリカ・シアトルの街で様々なミッションに挑んでいくというものである。
システム周りも前二作を踏襲。超能力による人間離れしたアクション、状況に応じた選択肢によってストーリーと主人公の周辺環境が一変する『カルマシステム』は引き続き採用されている。専用武器を用いて行う仕組みに改められた格闘攻撃も継承。一方でオンラインにも対応した、プレイヤー自身の手でミッションを作成できる『ミッションクリエイト』、カルマシステムと絡んで取得できる能力に変化が生じる『パートナーキャラクター』の二つは廃止。また、前作でコール・マグラスの物語が決着した事を受け、ストーリーも新たにデルシン・ロウと呼ばれる20代前半のアウトローの青年を主人公としたものへと一新。併せて舞台となるフィールドもアメリカのシアトルとなって、これまで『エンパイアシティ』、『ニューマレイ』と架空の都市を舞台としてきた流れから脱却。実在する都市を駆け巡るという、現実味を強めた設定に改められている。
そして、主人公の変更に伴い、超能力アクション全般も新しくなった。前作のコールは電気を自在に操る能力の持ち主だったが、今回のデルシンの能力はコピー。他のコンジットが持つ能力を自分のものにするという、反則レベルの能力となっている。しかし、使えるのは煙を自在に操る『スモーク』、閃光による高速移動等を特技とする『ネオン』、モニターから架空の生物を召喚する荒唐無稽な技が使える『ビデオ』の三つのみ。能力の割には限られたものになっている。しかしながら、これまでの電気一種類から、アクションのバリエーションは増強。『パートナーキャラクター』のシステムを廃止した事の穴埋めの役割も果たしており、前作以上に多彩でダイナミックなプレイを楽しめるようになっている。
ただ、例によって最初から全ての能力が使える訳では無く、いずれの能力もストーリーの進行に応じて順次、解禁されていく仕組み。また、一度能力を得ても、任意で能力を切り替えられる訳でも無い。今回も能力を使うに当たってはエネルギーゲージを消費し、回復の際もそのエネルギーを補充できる対象から吸収するのだが、その補充と併せて能力が切り替わる仕組みとなっている。例えば『スモーク』から『ネオン』に切り替えるなら、電光掲示板などの設備からエネルギーを吸収すると『ネオン』に切り替わる…と言った具合だ。如何にも『コピー』の能力を宿しているだけにある、一つのみの上書き仕様。少しもどかしさを感じるものになっている。
しかし、こう言った切り替えが盛り込まれた事で、戦術面は大幅にアップ。序盤こそ『スモーク』だけなので前二作と変わらないが、『ネオン』が手に入ってからは攻撃時の幅が広がり、まさに暴れまくりのやりたい放題になる。街の探索も、『ネオン』を手に入れば超音速での行動が可能になるなど、より気持ちよく、ダイナミックに行えるようになる。その多彩な選択肢と行動面の広がりぶりは、複数の能力を扱える主人公の強みをフル活用。前作のコールでは到底真似できたものではない、そしてアウトローなデルシンだからこその個性が発揮された仕上がりになっている。
肝心のアクションのバリエーションも実に多彩且つ、ハチャメチャ。怪物召喚や超音速でのダッシュのほか、空中ダッシュ、通風孔を介しての屋上への瞬間移動、敵に止めを刺さずに拘束させるビームなど、複数の能力を扱える主人公なりの何でもあり感炸裂のラインナップとなっている。また、各能力共通のアクションもあるなど、操作面の取っ付き難さを出さない為の対策も万全なほか、操作自体も簡単なボタンの組み合わせで実現できるなど、多彩故の複雑さを緩和する為の措置もしっかり成されている。そう言った過去二作にて、操作の面での配慮を徹底してきたシリーズとしての意地も炸裂。動かす楽しさと気持ちよさへのこだわりは今作も健在だ。
この他、前作で劇的なパワーアップを遂げた近接攻撃も今回はチェーンを使ったシンプルなものになったが、簡単操作でダイナミックなコンボ攻撃が繰り出せるお手軽さはそのまま。今回も単に近付いて攻撃するだけでも高い爽快感が得られるものに仕上がっている。そして、カルマシステムもこれまでのスタイルを踏襲。ただ、イベントムービー中に発生する頻度が増えるなど、仕組み的には初代に少し回帰。とは言え、前作にて実装された明確なストーリー分岐もバッチリ取り入れるなど、作り自体は正統進化系とも言える仕上がり。今作ではムービーまで個別のものが用意されるなど、演出面にも力を入れているので、前作経験者ならばそのパワーアップぶりに驚かされること請け合いである。
それ以外にも、ストーリーと強く絡んだメインミッションとは別に用意されたサブミッションに『ストリートペイント』なる、PS4のコントローラを活かした特徴的なイベントが実装されるなど、目玉とも言えるフィーチャーは満載。
過去の二作からストーリーから舞台まで、完全に新しくなったが、その中身は紛れもなくインファマス。新しくなってもシリーズらしさは何一つ失われてなく、それでいて売りであるアクション部分に更なる磨きをかけた続編に仕上げられている。まさに新章開幕。そして、新主人公デルシン・ロウの特色を描き切った作品になっている。

そんな今作の魅力は、前作以上に多彩になったアクション。制限こそあれど、三つの超能力を使いこなせるようになった事により、「キャラクターを動かす楽しさ」というアクションゲームの醍醐味且つ、本質的な部分に更なる磨きがかけられた仕上がりになっている。
特に必見なのが『スモーク』と『ビデオ』の能力だ。前者に関しては、技のラインナップ自体は前作の電撃を置き換えたような感じなのだが、鉄の格子をすり抜けたり、敵の攻撃を回避できる『スモークダッシュ』、故障した車の上でジャンプする事で通常よりも高いジャンプができる『カーブースト』、空高く飛び上がり強烈なメテオドロップを繰り出す『オービタルドロップ』など、躍動感溢れるアクションが満載なのが最大の特色。中でもダッシュ関係のアクションは爽快の一言で、煙突に向けてダッシュすると、その反動で空高く飛び上がれたり、ゲームがある程度進むと、空中ダッシュも可能になるなど、まさに縦横無尽の四字熟語を体現した仕上がりになっている。更にダッシュ中に主人公が煙と化して攻撃を回避、空中でダッシュすると言った所に、カプコンの『ロックマンX』シリーズらしさが溢れているのも見所。実際、本編ではそれを使いこなして突破する局面が幾つも用意されている。加えて、戦闘に関しても基本的に煙の弾を発射して戦う、TPS(サード・パーソン・シューター)チックな作りでもあるからなおのこと。もしかして、このゲームのスタッフはロックマンXをオープンワールドで表現するという「もしも」を表現したかったのかと、その露骨な作りにはシリーズを知る人ほど変な笑いが込み上げてくるだろう。そして、シリーズのファンが携わっているんだな、という確信的なものを感じてしまうかもしれない。
後者に関しては、怪物を召喚して戦うという荒唐無稽な技が放つインパクトが凄い。他の技にしても爽快且つ大胆なものになっていて、剣を召喚してマシンガンのように放つ射撃技、透明人間になって敵の目をくらます『インビジブル』など、電撃や『スモーク』とは一味も二味も異なる個性の強さが発揮されている。その個性の強さ故、エネルギーを補充できる機会に恵まれないというデメリットが設けられているほか、入手するのが本編の中盤を越えてからになるなど、『スモーク』等に比べると使い勝手は劣る感じなのだが、架空の生物を召喚する図、映像を使った攻撃ならではの独特のエフェクト演出は一度見たら、忘れられないほどに刺激的。さりげなく、この能力を扱うコンジット(コピー元となるキャラクター)も前作までの物語では決して登場できなかったであろう外見をしているほか、その能力を会得する前に展開されるボス戦もとんでもなくぶっ飛んだものになっているので、併せて必見である。
一例からは外してしまったが、もう一つの『ネオン』も通常の3倍近い速度で走る高速ダッシュ『ライトスピード』、敵を瞬殺、或いは即座に拘束してしまう『レーザービジョン』等、個性的な技が揃っており、スモークとビデオに負けず劣らずの活躍を見せる。結局の所、どの能力も存在感抜群で動かす楽しさたっぷりというオチ。そうも今作は色んな事ができて、それでいて面白いと感じられるようアクション周りへの入念な作り込みが炸裂しているのだ。
元々、そう言った面へのこだわりは前二作でも炸裂しており、特に前作では更に磨きがかかった仕上がりになっていたが、今作はそのバリエーションを大幅に増やし、どのボタンを押してもキャラクターが何らかの反応を返してくれる事にこだわり尽している。アクションゲームの最も面白い部分と言えば、主人公がプレイヤーの思うがままに動いてくれること、そしてボタンを押した後に派手な反応が返ってくる事の二つ。やはり操作していて楽しいと思えること、それこそが良いアクションゲームの絶対条件だろう。その本質的な部分を更に磨き上げ、動かすだけでも楽しい面白さを突き詰めるスタンスには、製作陣のアクションゲームに対する理解の深さ、根本的な面白さを追求する事へのこだわりを実感させられる。前作とは異なり、PS4という更に上位のハードに移行した事により、グラフィック面も大幅に強化されてはいるが、そうも高い性能の恩恵を受けながらもゲームとしての基本部分を厳守するスタンスには本当に好感が持てる。そんな制作スタイルが、高性能ハードにおいても厳守されているのには、改めて過去、スライ・クーパーシリーズというアクションの楽しさにこだわり尽したシリーズを製作したスタッフだけにあると、その手腕の高さに感服するばかりだ。
また、舞台となるフィールドも今作より実在するシアトルの街と、大幅に設定と雰囲気を改めたが、コンクリートで構築された敵の拠点を始め、実在する都市をゲームっぽくするとどうなるのか、というコンセプトに基づいた作り込みが成されているのがユニーク。実在する都市だけど現実感皆無というその仕上がりには、デザイナースタッフのセンスを感じさせられる。勿論、実在の都市を題材にしているなりの再現もバッチリで、シアトルの象徴的な建物と言える『スペースニードル』も登場する。そんな実在する建造物等がインファマスの世界と絡む事でどんな化学反応を見せるのか。それは是非、実際に本編でご覧になってみて頂きたい。シアトルに行った事がある人も無い人も、「そこまで弄るか…」と、思い切ったデザインに呆気に取られるはずだ。
ただ、舞台が実在する都市になったとは言え、レベルデザイン周りが前二作とやや似通った構成になってしまっているのは少し残念。一応、ボス戦やカルマシステムと絡んだイベントなど、起伏を付ける作り込みは徹底されているが、敵の拠点破壊と敵に支配された区域の解放など、やる事自体は前作とそれほど変わらないので、前二作を楽しんだ方なら「またこれか…」とダレてしまうかもしれない。また、メインストーリーのボリュームも前作の二分の一に減少してしまっているので、これまた経験者なら物足りなさを感じてしまうかもしれない。
しかしながら、それを帳消しにするほどにアクション周りの楽しさが際立っているほか、バリエーションの増強も相まってシリーズに新風を吹き込む仕上がりになっている。元々良かった部分を更に高め、より面白くする製作スタンス、アクションゲームである事を厳守するこだわりは紛れもなくインファマス。主人公が変更されても変わらないアクションゲームとしての良さには、シリーズ経験者も納得の手応えを得られるだろう。全てを一新しても魅力はそのまま。丁寧な配慮が炸裂した作りは、新章開幕をテーマとした作品のお手本と言っても良いかもしれない。

また、インファマスと言えば、ヒーローの苦悩に焦点を当てたストーリーだが、今作は主人公がコールとは異なるアウトローの青年になったという事で、手に入れた能力は存分に使いまくろうぜ!…の勢い溢れる内容に一新。少し暗いノリだった前二作とは対照的な明るい作風の内容になっている。主人公のデルシンも気持ちいいほどに「悪ガキ」。コールほど深刻に悩む事も無く、元気よく暴れ回るキャラクターになっているので実に痛快だ。とは言え、終始勢い重視という訳では無く、カルマシステムを実装しているなりの深い問いかけを残す場面も多数。そして、デルシン自身もずっと悪ガキという訳では無く、サポート役で実の兄のレジーに叱責されたり、辛い現実に直面して考え込むなど、人間味溢れる描写も満載なキャラクターになっている。そんなデルシンはこの戦いを経て善のヒーローになるのか、悪に落ちて更なる悪ガキへと凋落するのか。その行く末は是非、自分の目でご覧になって頂きたい。その繊細なストーリー描写には、海外製タイトルとは思えぬ衝撃と感動を覚えるはずだ。
その他、操作性に関しては前作準拠のものを継承。レスポンスも素晴らしく、アクションの多彩さも相まって今回も純粋に動かしているだけでも楽しい気持ちよさを堪能できる。難易度にしても前作準拠のものを継承。敵の異様な命中精度は相変わらずであるが、今回は回避手段が増えたのもあり、多少大人しめのバランスになっている。ただ、慣れない内は撃たれまくりとなるなど、苛烈な所も少しあり。経験者によっては、大して変わってない印象を抱くかもしれない。
そして、グラフィックはPS4へと移行した事もあって劇的に強化。特にキャラクターの表情の豊かさは圧巻で、人間そのものと言わんばかりにリアル。背景周りの作り込みも素晴らしく、特に夜のシーンの街並みの美しさは圧巻。エフェクト周りも素晴らしく派手で、『ネオン』はその真骨頂とも言える仕上がりになっているので必見だ。

演出、ムービー周りも馴染みのアメコミスタイルのもののほか、リアルタイム方式のものも増えるなど、シリーズらしさと新しさをふんだん活かした仕上がり。前作にて満を持して実装された日本語吹き替えボイスも健在で、今回もストーリーを途切れなく追っていける作りだ。声優陣の演技も素晴らしく、主人公デルシン役の阪口周平氏の生意気過ぎる演技は絶品。また敵であるオーグスティン役の藤本喜久子氏もカッコイイ演技をお披露目しているので要チェックだ。
他に今作ではダウンロードコンテンツも配信されており、Webサイトと連動した『ペーパートレイル』ミッション、前作の主人公コールにまつわるシナリオが描かれる『コールの遺産』等、魅力的なものが揃っている。ただ、前者に関しては連動の過程が非常に面倒臭く、お世辞にも面白いとは言い難い内容になってしまっているのがタマにキズ。試み自体は面白いのだが、色々と限界を感じてしまう仕上がりである。無理にプレイする必要はないので、気になる方はどうぞ、と言った感じだ。正直、「これは…」と渋い顔をしてしまうかもしれない。
先のレベルデザイン周りも含め、そう言った難点も幾つか散見されるが、新しい主人公を据えた作品の一作目としての出来は申し分無し。続編としてもアクション周りの劇的な進化など、確かなパワーアップを感じ取れる仕上がりになっている。ストーリーも前二作に負けず劣らず素晴らしく、グラフィックも底抜けに質が高いなど、ゲーム以外の面でも多くの魅力を併せ持つ今作。PS4を持っている方ならば是非とも遊んでみて頂きたい傑作だ。前二作と設定は共有しているけどストーリー自体は完全な新作なので未経験者も大丈夫。特にアクションゲームが好きな方なら何が何でもプレイしてみて頂きたい逸品だ。「動かすだけでも楽しい」というアクションゲームの醍醐味を突き詰めた極致がここにある。お薦め!
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