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≫悪魔城ドラキュラ Xクロニクル
■発売元 KONAMI
■ジャンル アクション
■CERO B(12歳以上対象) ※出血、暴力描写あり
■定価 4980円(税別)<廉価版:1714円(税別)>
■公式サイト ≫こちら ※動画が再生されます。
▼Information
■プレイ人数 1〜2人
■セーブデータ数 メモリースティックの残り容量によって変化(使用容量:544KB以上)
■その他 メモリースティックDuo&メモリースティックPRO Duo対応対応、ワイヤレスLAN(アドホックモード)対応
■総説明書ページ数 25ページ
■推定クリア時間 4〜5時間(エンディング目的)、40〜60時間(完全攻略目的)
古き良き時代。
人々は繁栄と平和のみを貪り続け、恐らくこの先も不安な日々は来ない。
そう誰もが思い込んでいた。

繁栄と平和の裏には、必ず邪悪なる者が居る。人々の繁栄を拒み、平和を堕落とする者達が闇の力を蘇らせ、堕落したこの世を創世し直そうとすべく集まった。

そして儀式の末、再び邪悪なる者が復活を遂げた。
その者はコウモリに、狼に、そして霧に姿を変え、主に夜を好んで行動する。
若い女性の血を吸い、永遠の命を保つ者。
悪魔城城主、邪神の神、ドラキュラ伯爵の復活であった。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆ヒロインの救出によって左右するエンディングの分岐、特殊アイテム入手による行動範囲の拡張など、オリジナル版以上に強化が図られたステージ探索&分岐要素
◆探索と分岐の強化によるリプレイ性の強化のほか、収集アイテムの追加も図られてやり込み甲斐もパワーアップした、全10以上にも渡る多彩なステージ
◆リメイク版だけでなく、オリジナル版『血の輪廻』にその続編『月下の夜想曲』まで収録した、伝記(クロニクル)の名に相応しい豪華過ぎるボリューム
◆同じく伝記(クロニクル)の名に相応しい、豪華にも程があり過ぎるおまけ要素の数々
◆今作独自の新要素も追加されるなど、サプライズな試みが成された『月下の夜想曲』
◆各ステージの音楽を好みの楽曲に設定できる、贅沢過ぎる仕様が光る『サウンドアサイン』機能
◆オリジナル版準拠の歯応え抜群、やり応え十分の練り込まれたゲームバランス
◆オリジナル版経験者驚きの新展開で魅せるボス戦(特にラスボス戦は必見!)
◆ステージクリア型独特の挙動と適切なボタン配置、レスポンスの良さが光る良好な操作性
◆オリジナル版とは異なるフル3DCGながら、ドラキュラシリーズ独特のゴシックホラーな世界観と敵モンスター達の不気味なデザインの作り込みの深さが光るグラフィック
◆アレンジ版も原曲版も完全収録な豪華仕様、相変わらずの印象深い旋律で魅せる音楽
◆『悪魔城ドラキュラXX』準拠の質感抜群の効果音(『鞭』で敵を攻撃した時の爽快感が格別!)
◆アニメムービーは無くなったが、3DCGを活かしたボス登場デモにフルボイスで展開する会話デモなど、オリジナルとは異なる派手さを突き詰めた演出周り
◆『月下の夜想曲』を意識した構成に改められたストーリー(オリジナル版には無い展開も多数)

--- Bad Point ---
◆悪く言えば、シンプルなステージクリア型アクションゲームとしての魅力を損ねた探索&分岐要素の強化(ベストエンディング到達を目指すのなら、必ずやらなくてはならない)
◆背景とトラップの違いが分かり難くなる弊害も及ぼしているグラフィック(洞窟のステージで顕著)
◆やたら暴発し易いバック宙返りのアクション
◆追加要素等の変更がある所為で、完全な再現とは言い難いオリジナル版の二作(特に月下)
◆ノシノシと動く様に違和感を禁じ得ないリヒターの移動モーション(性急感が感じられない…)
◆一部、オリジナル版とはほとんど別物になってしまっているアレンジ曲の存在(特に時計塔ステージで顕著。また、オリジナル版はあるのにアレンジ版が無い曲も)
◆『月下の夜想曲』準拠の配役ながら、演技面に違和感も禁じ得ないボイス演出(特にリヒター役の梁田清之氏。当時と声質が変わってしまった事の反動がモロに現れている…)
▼Review ≪Last Update : 11/22/2015≫
『X』の全てがここに集まる。

勿論、”ぺけ”も一緒ですよ。


1993年にPCエンジンCD-ROM2用ソフトとして発売され、高い評価を獲得した悪魔城ドラキュラシリーズ第十作『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』のPSP向けリメイク作品。

オリジナルを尊重しつつ、スーパーファミコン版の独自要素と美点、探索型シリーズの遊びまで加味して更なるパワーアップを遂げた、新生『悪魔城ドラキュラX』だ。

ゲーム内容は横スクロールで展開する、ステージクリア型アクションゲーム。主人公のリヒター・ベルモンドを操作し、宿敵ドラキュラ伯爵とその臣下シャフトによってさらわれた恋人のアネットを救出すべく、ドラキュラ城内部のステージを攻略していくというものだ。アクションゲームとしての作りは、初代『悪魔城ドラキュラ』に準拠。聖なる鞭『ヴァンパイアキラー』、十字架を始めとする『サブウェポン』の二種類の武器を使い分け、ステージ最後に待ち構えるボスの討伐を目指す。そこにステージ分岐、ヒロイン救出、『アイテムクラッシュ』なる全体攻撃技等の新要素を取り入れ、全体の密度、アクション性を高め、更にアニメムービーの挿入など、演出面の強化も図ったのが『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』だ。
今作はそのリメイクという事で、基本的な作りはオリジナルを完全踏襲。だが、システム周りとレベルデザイン、演出周りに大幅なアレンジが施され、同じようで全く違うステージクリア型アクションゲームに仕上げられている。
そのアレンジの一つとしてまず、探索要素。またの言い方で、ステージ分岐の一新。オリジナル版でも隠しルートを通過する事で、正規ルートとは異なるステージに行けるという分岐があったが、今作はそれをヒロインの救出と関連付けた要素へと一新。救出と同時に特殊な装備アイテムが手に入るようになり、それによって進めるルートが広がっていく仕組みへと改められた。オリジナル版のヒロインというのは基本、ストーリーを盛り上げる為だけの存在で、特に救出する必然性は無く、放置したままドラキュラ伯爵の討伐に向かっても全く構わない作りになっていた。…恋人のアネットでさえ!そこを今作は必然性のある要素へと見直し、一人ずつ助ける事によって進行可能なルートが増えていくという、『月下の夜想曲』に代表される探索型ドラキュラシリーズを髣髴とさせる仕組みへと大きく改めた。これにより、ヒロインの存在と救出意義が大幅に強化。更にアネットに対しては、スーパーファミコン版『悪魔城ドラキュラXX』に倣ったデメリットを設定。助けずにドラキュラ伯爵を倒してしまえば、バッドエンディングを迎えてしまうようになったのだ。なので、ゲームを完結させるならアネットの救出は絶対条件。重要人物としての設定を忠実に反映させた、説得力ある構成に一新されたのである。悪く言うなら、純粋にステージクリア型のアクションゲームとして専念できなくなり、少し窮屈なゲームデザインになった。探索でやり込むのも、ステージクリアに徹するのも自由だったオリジナル版と比べると、少し劣化した感じだ。ただ、オリジナル版で空気だった存在にスポットライトを当て、更に移植版『悪魔城ドラキュラXX』において光る部分を組み込んだ事で、ストーリーがゲーム部分に違和感なく溶け込み、加えて矛盾点も取っ払われて非常に説得力のある内容へと進化を遂げている。また、ルートが広がっていく、いわば成長システムのようなものが追加された事で、一度クリアしたステージも何度か訪れる必要が生じる等、ゲーム全体のボリュームアップにも貢献。よりやり込み甲斐のある内容へと進歩を遂げている。
更にヒロインとは別の収集アイテムも追加。今作には『サウンドアサイン』なる、個々のステージで流れる曲をプレイヤーのお好みで設定できる機能が実装されており、そちらで設定できる楽曲のレコードが各ステージで新規に配置されたのだ。このやり込みがヒロイン救出とは別途に用意され、ステージ探索がより奥深いものに。一度クリアしただけでは終わらない、やり込み甲斐のある作りへと進化している。ちなみにレコードに収録されている曲は今作、『悪魔城ドラキュラX』にちなんで、『血の輪廻』とその続編、『月下の夜想曲』のものがメインとなっている。それらの楽曲をアレンジされたステージで流す楽しみたるや、シリーズファンならニヤリとしてしまうこと必至。更に隠されているのはレコードだけでなく、オリジナル版『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』と『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』のゲームディスクまで存在。いずれも特定のステージに隠されており、手に入れるとタイトル画面に『オリジナルゲーム』なるモードが出現。そして何と、二作のオリジナル版が遊べるようになってしまうのだ!リメイクだけでなく、その原作まで遊べてしまうというとんでもなさ。まさにクロニクルを名乗るだけにある、豪華過ぎる特典も用意されているのである。
この他、ビジュアル的な面ではグラフィックも一新。ドット絵から、3DCGに改められている。加えてキャラクターデザインも『月下の夜想曲』以降からシリーズのキャラクターデザインを手掛けている小島文美氏によるものへと改められた。更にオリジナル版ではアニメ調のムービーが特色だったが、それもフルボイスへの会話イベントへと刷新。若干、劣化したようにも見て取れるが、その分、ボスの登場と言った3DCGを活かしたリアルタイムムービーが盛り込まれるなど、オリジナルとは異なる演出を実現している。また、ボイスに関してもキャスト陣を一新。主人公のリヒター・ベルモンドは『月下の夜想曲』と同じ梁田清之氏に改められ、後のシリーズを考慮した統一化が図られている。勿論、宿敵ドラキュラ伯爵もそれに倣い、若本規夫氏を起用。あの独特過ぎる言い回しは今作でも炸裂しまくりだ。
そんな感じに基本はオリジナル版を継承しつつ、矛盾のあった部分の修正、探索型シリーズの要素と『悪魔城ドラキュラXX』で光ってた要素の実装。更にはオリジナルの『血の輪廻』とその続編『月下の夜想曲』まで遊べる特典を入れ込むなど、まさに豪華版というに相応しい内容となっている。先の繰り返しになるが、冗談抜きにこれ一本でリヒター・ベルモンドが活躍した『悪魔城ドラキュラX』の世界と軌跡を楽しめてしまう、究極の決定版というに相応しい作り。こんなに盛り沢山で良いの?良いんです!…と言わんばかりにサービス精神旺盛、シリーズファン必見のリメイクになっているのだ。

その『悪魔城ドラキュラX』の全てを余す事無く収録した内容が今作の魅力。オリジナルを尊重しつつ、後にスーパーファミコンに移植された『XX』、探索型アクションRPGへとジャンルを大幅に改めた『月下の夜想曲』の良い所を抽出し、取り入れたゲームデザインは、まさに『悪魔城ドラキュラX』の集大成と言わんばかりの仕上がりとなっている。
特に『悪魔城ドラキュラXX』の要素と魅力を継承し、発展させて組み込んでいる点は秀逸の一言に尽きる。XXは『もう一つの悪魔城ドラキュラX』としての完成度は優れたものだったが、癖のある操作性や高い難易度等、オリジナル経験者から見て劣化移植と言われても致し方が無い内容でもあった。結果的に設定上の相違点もあってシリーズの年表からも除外され、後年には『血の輪廻』の設定を継承した続編『月下の夜想曲』が登場するなど、ものの見事に公式から外伝扱いにされてしまっている。だが、そんなXXには光る部分が沢山あった。中でもストーリーにおけるドラキュラがアネットをさらった真の狙いを明確に示した事、そのアネットを助けなかった際に最後のエンディングが変化する仕掛けを盛り込んだ事の二点に関しては、オリジナル版におけるヒロイン救出の要素に明確な意義を持たせたという意味で、非常に優れたアレンジだったと言える。また、ヴァンパイアキラーで敵を攻撃した際に「ビシッ!」と爽快な音が鳴るようになるなど、むしろ、こちらの方が勝っていると言っても不思議では無い部分もあったぐらいだ。
その優れた部分を今作はしっかりと採用し、より洗練されたものへと昇華させている。元々良かった部分をより良くする、そんな意図の下、ストーリーやシステム、演出周りに起用して、XXの証を残しているのだ。その手法にはXXも外伝ではあるけど、『悪魔城ドラキュラX』に関連したシリーズ作を支え、可能性を開いた立役者として扱っている感じで、非常に好感が抱ける。『血の輪廻』と『月下の夜想曲』みたいにオリジナル版の収録は無く、その点では冷遇されていると言えなくもないのだが、作品自体の血はリメイクされた本編に息衝いている。その作りには、シリーズ全体に対する確かな理解、そして更に完成度を高めた『悪魔城ドラキュラX』を世に送り出そうという確固たる意志とこだわりを感じさせられる。これでオリジナル版も遊べれば申し分無しだったのだが、それでもちゃんと証を残した判断自体は評価に値する部分。過去の資産を無駄にせず、オリジナル版収録という形で答えられずとも残すというそのスタンスには、素直に拍手を送る次第だ。
また、クロニクル…伝記を謳うが故の充実したボリュームも秀逸。本編だけに限れば、大体4時間半程度でクリアできるスケールだが、今作には続編に当たる『月下の夜想曲』が収録されている。つまり、本編の後に続編へと移れるので、リヒター・ベルモンドのストーリーを全部楽しむとなると、倍以上のボリュームへと膨れ上がるのだ。それに加えてオリジナル版『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』まで遊ぶとなれば、更に膨れ上がる。幾ら何でこんなに遊べていいのかと、その充実し過ぎな内容にはオリジナル経験者は勿論、未経験者も唖然としてしまうほどの衝撃を覚えること請け合いだ。
更にオリジナル版はただのベタ移植で終わってないのも見逃せないところ。本編みたいにグラフィックのアレンジ等は一切行われていないが、『血の輪廻』であればオープニングナレーションが今作と同じ声優による語りになっていたり、『月下の夜想曲』では一部の音楽が変更されているなど、オリジナル版経験者なら「ん?」と思ってしまうフィーチャーが満載なのだ。特に『月下の夜想曲』は変更点が非常に多く、音楽の差し替え以外に新規のボス戦が追加されていたり、セガサターン版にのみ実装されていたマリアを操作するシナリオまでもが収録されている。加えて、そのマリアを操作できるシナリオはセガサターン版の移植では無く、今作独自の完全新規バージョン。『月下の夜想曲』、第三バージョンとも言える内容となっているのだ。これがファンなら決して見逃せないものであるのは言うまでもなく。そんな驚きのサービスまで成されたものに仕上げられている。
他にも、最終ボス戦において驚きの展開が追加されているのも見逃せない。勿論、オリジナル版でその驚異的な性能から、主人公の影を薄くした少女マリアもプレイアブルキャラクターとして登場。さすがに性能面には修正がかかったが、リヒターとは全く違った召喚術を駆使したアクションは独特の面白さが満載なので要チェックだ。
そう非常に上手くリメイクされてはいるものの、やはり純粋なステージクリア型アクションゲームでは無くなった点はオリジナル版経験者には評価の分かれるところ。直感的にステージを攻略していけば良いのではなく、クリアしたステージや分岐するステージを攻略しなければベストなエンディングへと到達する事ができない内容へ改められたので、返って複雑化した印象は否めない。純粋にステージ一つ一つを攻略していくスタイルこそステージクリア型ドラキュラの真髄、そう考えるプレイヤーには正直、賛否の分かれるリメイクであるのは言うまでもないだろう。酷いと、拒否反応すら覚えるかもしれない。そういう意味でも、良くも悪くもシリーズの主流となった探索型の影響が見え隠れする仕上がりではある。だが、オリジナル版の欠点修正など、決して元の魅力を損ねないものになっているのは見事。何より、携帯機でリメイク版もオリジナル版、続編も遊べてしまうというだけでも、今作の凄まじさが察せるだろう。賛否分かれる所はあるが、クロニクルを名乗る作品としての出来は申し分無し。現代的になりながらも、旧作のノリも大事にした内容になっているのだ。

操作性に関しても、ステージクリア型のドラキュラシリーズに倣った、ジャンプの軌道が固定された独自のスタイルを踏襲。だが、キーレスポンスは非常に良く、アクションゲーム特有の動かす面白さは上々。何より、XXからの継承で鞭で敵を叩く際の効果音が素晴らしいのもあり、単にそれを振るだけでも爽快感が味わえる。ただ、リヒターの移動時の動きが走っているというより、歩いているも同然な見た目には人によっては違和感を覚えるかもしれない。
難易度もステージクリア型の伝統に倣って高め。しかし、1ステージごとにセーブが行われるほか、クリア済みのステージ、途中のステージはステージセレクトで気軽にリトライできるなど、それほどストレスは感じさせないバランスに調整されている。一見、勝ち目が無さそうなボスにしても、確実にノーダメージで倒せる調整になっていたりと、理不尽さを極力無くす為の丁寧な作り込みが炸裂しているのも秀逸。特に終盤のステージ6におけるボスラッシュは、そんなバランス調整の真骨頂とも言うべき仕上がりになっているので必見だ。
3DCGに一新されたグラフィックもなかなかの出来栄え。特にボス戦開始前の登場デモシーンは、そんな3DCGに一新した恩恵がよく現れた仕上がりになっている。ただ、描き込み過ぎて一部のトラップと敵の配置が分かり難くなってしまってる所もあるなど、返って悪化してしまっている所もチラホラ。また、キャラクターデザインが一新された点にしても、オリジナル版経験者には賛否の分かれるところだろう。
音楽も全てがアレンジされているが、中にはオリジナル版から方向性の異なる別の曲になっているものもあったりして、これまた賛否が分かれる。しかし、曲自体の出来は非常に良く、特に幽霊船ステージで流れる『幽霊船の絵』は良アレンジになっているので要チェックである。更にアレンジ版が気に入らなければ、サウンドアサインでオリジナル版にしてしまうという究極的な選択肢もある。その曲を集める必要こそ生じるが、そんなアレンジ版がお気に召さないプレイヤーへの配慮がされているのも、今作の大きな魅力と言えるかもしれない。

演出面も先のボス登場デモのほか、フルボイスで繰り広げられるイベントシーンなど、オリジナル版とは異なる方向性ながら、見応えのある仕上がりになっている。ボイスキャストも『月下の夜想曲』準拠という事で、ラストシーンのやり取りがほぼそのまんまな所はファンならニヤリとすること請け合いだ。ただ、リヒター役の梁田氏が月下当時から声質が変わってしまった都合より、雰囲気的に大分違うものになっているのだが…まあ、そこはご愛嬌という事で。
他にロード時間も早めで、ストレスを感じさせない仕上がりになっているほか、キーコンフィングの追加、ボスラッシュに特化したモードの搭載など、オリジナルから更なるパワーアップを遂げた箇所は多数。探索要素が強化された都合により、純粋にステージクリア型アクションとして遊べなくなってしまった所もあるが、総合的には非常に完成度の高いリメイクとして仕上げられており、後の月下、外伝のXXの要素も取り入れるなど、まさしく決定版と言うに相応しい出来になっている。クロニクルと名乗るだけにある密度と素晴らしいアレンジの数々が炸裂した今作。ドラキュラシリーズ経験者は勿論の事、シリーズ初心者から探索型しか知らないファンにまで、幅広くお薦めできるシリーズのみならず、PSP屈指の傑作アクションゲームだ。発売当時にシリーズ最高傑作とまで謳われた、『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』の究極進化系がここにある。是非、機会があったらお試しあれ。かなりお薦め!
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