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≫魂斗羅ReBrith(リバース)
■発売元 KONAMI
■開発元 M2(エムツー)、ベイシスケイプ(音楽)
■ジャンル アクションシューティング
■CERO B(12歳以上対象) ※暴力描写あり
■定価 1000Wiiポイント
■公式サイト ≫こちら
▼Information
■プレイ人数 1〜2人
■消費ブロック数 267
■セーブデータ数 1つ(※1ブロック使用:SDメモリーカードへのコピー可)
■その他 クラシックコントローラ対応、ゲームキューブコントローラ対応
■推定クリア時間 40分〜1時間(エンディング目的)、4〜5時間(完全攻略目的)
KONTORA(こんとら)暦2633年。

『チーフ沙羅曼蛇(さらまんだ)』率いる『NEO沙羅曼蛇軍』が、
西暦1973年の地球を時空侵略。
中米に降下した『NEO沙羅曼蛇軍』は、
ユカタン半島の遺跡『サイレントヒル』『SHIZUOKA』を占拠。
エイリアンをして、古代地球の原始『KONTORA』の全滅を図る。

銀河大統領はZELOS FORCE(ぜろすふぉーす)に包まれた地球に、
KONTORAの英雄、ランス・ビーンの派遣を決定。
しかし地球への降下後、ランスとの通信は途絶える。

「やつら…ゆるさん。」

そして今、KONTORAの最終兵器、ビル・ライザーが銃を手に取った。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆魂斗羅シリーズ伝統の、目の前の敵を容赦なく倒しまくる爽快なゲーム性
◆シリーズとしては珍しく、普通の2Dアクションに徹した全5つのステージ
◆次世代機の性能を最大限に活かしきった、大迫力の物量表現(大量の敵とその弾、爆風エフェクトで画面が埋めつくされようが、処理落ちは全く発生しない!)
◆次世代機の恩恵による、ド派手で滑らかな爆発エフェクト
◆独自の物量表現を活かした、仰々しさ炸裂の各ステージ固有のギミック群(特にステージ3とステージ5は必見)
◆残り人数アップの概念廃止によって、より熱いものに進化したノーミスプレイ
◆撃ちまくる爽快感とキャラを動かす楽しさに秀でた、優れた操作性
◆魂斗羅シリーズとしては異端の万人向けなゲームバランス(シリーズ特有の手ごわさはあるが、フリーコンティニュー制なので根気さえあれば普通にクリア可能)
◆一つ一つの個性が際立った、オプションにて選択可能な全3+1種類の難易度
◆サクッとプレイできてやり込める、手軽さの際立った総計ボリューム
◆昔懐かしい香り漂う、淡い色彩が印象的なドット絵によるグラフィック
◆メガドライブを髣髴させるFM音源風味の曲調、意外な選曲が魂斗羅ファンやアクションゲーマーの魂を揺さぶる、並木学氏作曲による秀逸な音楽
◆おバカなネタ満載の、シリアス度皆無のストーリー
◆往年のコナミを髣髴させる”スレスレな”小ネタの数々(海●大戦争など、色々…)

--- Bad Point ---
◆手軽に楽しめるとは言え、やや物足りなさもある総計ボリューム
◆派手過ぎて敵弾が見え難くなる弊害も起き易い、爆発エフェクト
◆クラシックコントローラ以上に煩わしさの際立つ、リモコンによる操作(武器チェンジがリモコンを降る、マシンガンの歩行連射が不可能…など、使い勝手に難がある)
◆全4人が選べるが、目だった性能差が無いのが寂しい、キャラクターセレクト
◆やや迫力不足のラスボス(魂斗羅のラスボスにしてはちょっと地味)
▼Review ≪Last Update : 2/14/2010≫
”えいりあん”なんて、こわくないぞ。

はでにぶっぱなしてやろうぜ。


2008年9月、WiiWareにてリリースされた『GRADIUS ReBirth(グラディウスリバース)』に次ぐ、リバースシリーズ第二弾にして魂斗羅シリーズ最新作。開発は第一弾のグラディウスに引き続き、少数精鋭の実力派デベロッパー、M2(エムツー)。音楽もグラディウスに引き続き、ベイシスケイプのさんたるること並木学氏が担当。

次世代機でスーパーファミコンやメガドライブのアクションゲームを作ったら?
その疑問に答えた、魂斗羅シリーズ屈指の傑作だ。

内容は横スクロールのステージクリア型アクションゲーム。主人公のビル・ライザーほか、KONTORAのメンバーを操作して、全5ステージの攻略に挑むというものである。
システム周りは最高二種類まで装備可能な武器、初期装備がマシンガンであるなど、スーパーファミコンの『魂斗羅スピリッツ』を踏襲している。だが、スピリッツにあった二種類の武器を乱射する『乱れ撃ち』、全体攻撃の『ボム』、一定時間無敵になる『バリア』は廃止されている。武器周りも、敵などに命中すると爆発する『クラッシュガン』、炎の弾を放つ『ファイヤーガン』が廃止。従来のシリーズよりも少なくなっている。
また、前作に当たるニンテンドーDS版『魂斗羅Dual Spirits(デュアルスピリッツ)』にあった、武器の二段階パワーアップも今作では取り除かれている。この点に関して言えば、完全にスピリッツの頃に戻ったという感じだ。
ただ、その代わりとして今作は全ての武器の威力と使い勝手を底上げ。爽快感重視の異なる調整が図られている。
そして、魂斗羅シリーズと言えば、3D視点のステージや見下ろし型ステージなど、多彩なスクロールステージが魅力であるが、今回は2Dのアクションステージだけ。純粋なアクションとして徹した、シリーズとしては珍しい作りとなっている。この辺はプレイステーション2でリリースされた、『真・魂斗羅』を踏襲している感じ。まさに過去作の良い所取りと言った具合だ。ハードがWii故に、3Dステージが本格的な3Dとして描かれると期待した方がいるかもしれないが、残念ながらそんなのは無い。擬似的だが、それはDSのデュアルスピリッツで我慢するのが吉だ。
この他、全体のバランスは『魂斗羅Dual Spirits』に習い、大量の雑魚との戦いに特化したコンセプトで構築。『魂斗羅スピリッツ』のボスラッシュ主体の流れは希薄で、ひたすら敵を倒しまくる爽快感に重きを置いた調整が図られている。そして、細かいところだがプレイヤーの残機アップ(エクステンド)の概念が廃止され、残機を増やす為にスコアを稼ぐ意味がなくなった。逆にステージクリア時にタイムボーナスが入るようになり、スコアアタック的な楽しみが加えられている。
そして、コンティニューだがこれもDS版の有限からスピリッツの無限へと変更。しかし、リトライ時はステージの最初からでなく、途中からであるなど、全体的に易しめの設定に改められている。故に根気さえあれば、クリアは容易。この辺は硬派なプレイを好むユーザーには、賛否が分かれるかもしれない。
ただ、エクステンドの概念がなくなった為、ノーミスクリアの難易度は過去最高レベル。また、普通にクリアできるのはつまらないプレイヤーの為の難易度ハードも用意されているので、その辺の対策は万全。温くはしつつ、従来の厳しさはきちんと残されているので、その手のユーザーも確かな満足感が味わえるだろう。
このように全体としては、過去作の良い所取り。しかし、一部を現代風にするなど、魂斗羅としては珍しい、優しさが際立つ内容に仕上げられている。DSのデュアルスピリッツが初代魂斗羅をベースとしているのに対し、今作はスピリッツ以降の現代魂斗羅をベースとし、昔も混ぜてる感じだろうか。如何にも今っぽさ溢れる出来となっている。

その魂斗羅にしては珍しく、優しさが際立っているのが今作の売りの一つ。だが、真の売りはそこではない。演出全般だ。これがまた、常軌を逸したド派手さ。雑魚敵一体を倒すだけで、ボスを倒したかのような爆風を上げるなど、仰々しいの限度を超えた光景が、画面いっぱいに繰り広げられるのである。
何よりも圧巻なのが、次世代機の性能を無駄に活かした物量表現だ。画面を覆いつくす量のミサイルが落下してきたり、文字通り大量の敵が襲撃してきたりと、一気に対処しきれないほどの「物」がプレイヤーの目の前に飛び出してくる。しかも一切、処理落ちを起こす事もなく!スーパーファミコン、メガドライブなどの一世代のハードならば確実に処理落ちしているであろう、そんな表現の数々が今作では所狭しに仕込まれているのだ。先の爆風だって然り。メガドライブはギリギリにしても、スーパーファミコンだったら最悪、フリーズすら起こしかねないほど。まさに性能の高い次世代機であるからこそ、実現できた芸当。そして、昔は不可能だった表現を成し遂げてしまったその有様。単に見るだけで楽しいだけならず、時代と技術の進化まで感じさせられる、実に魅力的なものに仕上げられているのである。次世代機は3D表現以外にも凄味を見せる手段がある!そんな事を主張しているかのようなこの作りには、改めて次世代機の使い方が今、如何に偏り過ぎているかを痛感させられるほどだ。そういう意味では今作、次世代機を最も有効的に活用しているゲームだと言っても良いだろう。正直、3Dで表現したゲーム以上のセンスがある。
また、この物量表現の恩恵で生まれた、新たなシチュエーションの数々も見逃せない。魂斗羅と言えば、良い意味でおバカなシチュエーション…中でもミサイル渡りがあまりに有名だが、今作にはそれを超越したかのような新しい場面が盛り沢山。ミサイル渡り以降、刺激が欠けたと感じていたプレイヤーには、まさに「待ってました」と言わんばかりのラインナップとなっている。特に注目はステージ3とステージ5。前者の沢山のアルパカ型ロボットを伝っていく地帯、後者の終盤の大行進はいずれも爆笑必至の馬鹿馬鹿しさ。次世代機がもとらした、その圧倒的な表現には、笑いが止まらなくなるかもしれないだろう。それ以上に焦ってしまう可能性もあるが。
演出以外にゲームバランスも秀逸だ。先に解説した通り、コンティニューが無限の上、リトライ時は途中からと、過去以上に優しく作られているので、シリーズは初めてという方でも楽しめるバランスとなっている。例によって複数の難易度も用意されているのだが、今回は普通に当たるノーマルでも結構易しめ。殺人クラスに近いDSのデュアルスピリッツと比べたら、かなり遊び易いものに仕上げられている。それにノーマルなら、ゲーム本編も最後の最後まで遊べると、その辺も良心的。全体のボリュームも今回は全5ステージと少ないが、その分、短時間で何度も楽しめるリプレイ性が高いので、確かな満足度が得られる。すぐに始められ、すぐ止められる気軽さはシリーズの中でも群を抜いていると言っても良いだろう。 その他、シリーズお馴染みの二人同時プレイも健在。デュアルスピリッツのように複数のキャラクターも選べるので、賑やかなプレイが楽しめたりと、何処も彼処も至れり尽くせり。昔は不可能だった事を成し遂げた演出、抜群の遊び易さ、馬鹿馬鹿しいシチュエーションと、全てが完璧。敵を倒す爽快感も演出が派手になった事で、当社比120%のクオリティに達していると、もう最高では済まぬクラス。冗談抜きに、今作はシリーズの中でも屈指の逸品と言ってもおかしくない、クオリティを誇っているのである。違う言い方をするなら、シリーズの歴史を動かした作品。物量表現の強化によってもたらされた刺激の数々は、新たな伝説を作り上げたと言っても良いだろう。それほど今作、「動き」が多いのだ。

しかし、一方でリモコン横持ちの操作性は難あり。武器の切り替えが『ワリオランドシェイク』のように振る方式だったり、初期装備のマシンガンで歩きながらの連射ができないなど、かなり不便なものとなってしまっている。逆にクラシックコントローラでプレイした場合は、スピリッツと同様の操作となるので快適になる。この辺はボタン数の少なさが災いしたのだろう。さすがに仕方が無いと言ったところだ。というよりこれならせめて今作、クラシックコントローラ専用のタイトルにすべきだったかもしれない。実際、クラシックコントローラの操作は素晴らしいし、煩わしさも無い。煩わしさの強いリモコン操作は、そんな無理に入れる必要があったのか。ここはもっと、思い切って良かったと思う。
ただ、目立つ欠点と言ったらその程度。ゲームバランスは今更言うまでもなく、素晴らしいほどの絶妙さに仕上げられている。やり込みもスコアアタックのほか、隠し難易度、隠しキャラクターなどバッチリだ。
グラフィック、ベイシスケイプの並木学氏による音楽の出来も秀逸。特に音楽は基本的に過去シリーズからのアレンジなのだが、全編FM音源で仕上げられているのが実に印象的だ。アレンジ具合もさすがは並木さんと言わざるを得ない素晴らしさ。選曲もやたらマニアックで、魂斗羅ファンならビックリすること請け合いだ。
そして今回はストーリーも見逃せない。というのも、これがまた、ネタだらけ。敵の軍団の名前が「NEO沙羅曼蛇軍」であるとか、地球がZELOS FORCEに包まれていると言った珍妙なネタが随所で炸裂している。更に(何故か)平仮名で喋るの主人公のビル、どう見てもチ●・ゲ●ラに瓜二つな銀河大統領など、ツッコミどころも満載。それらの何処かずれたネタ、スレスレな表現の数々には往年のコナミを髣髴させられるだろう。ストーリーだけでなく、ステージにも注目。あるステージで、『ロッ●マン』のロー●ちゃんが出て来たり、またあるステージではボスが『海●大戦争』だったりと、これまたギリギリでネタを知る者なら爆笑必至だ。さすがにこれはヤバいでしょう。いや、良いんです!

爆風が派手過ぎて、敵の弾が見え難くなるなど、売りでもある演出には、少し欠点はあるが、それも魂斗羅だから仕方が無いと許せるレベル。そう言った所や操作性において、多少ながら欠点はあるが、総合的な完成度は文句無しの傑作である。魂斗羅シリーズとしても屈指の出来。Wiiウェアを代表する逸品と言っても何らおかしくない。
脅威の演出と物量表現、爽快なゲーム性と適切なバランスと、全てがハイレベル。近年の2Dアクションゲームの中でも、最もチャレンジフルで、そして最高の完成度を誇ると言っても良い、この『魂斗羅ReBirth』。
これは歴代シリーズを遊んできたプレイヤーのみならず、アクションゲームが好きな人から苦手な人を問わず、是非プレイしてみて欲しい一本だ。このゲームプレイせずしてWiiウェアは語れない。
にんげんさまにさからうとどうなるか、やつらにおもいしらせてやろう。
こいつは、かなりおすすめです。れっつ・ぱーてぃ!
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